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エバネッセントカテーテルシステム コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P09A014539
整理番号 411
掲載日 2009年6月12日
出願番号 特願2004-348482
公開番号 特開2006-149938
登録番号 特許第4423421号
出願日 平成16年12月1日(2004.12.1)
公開日 平成18年6月15日(2006.6.15)
登録日 平成21年12月18日(2009.12.18)
発明者
  • 宮川 厚夫
  • 土井 松幸
  • 山本 清二
  • 寺川 進
出願人
  • 学校法人浜松医科大学
発明の名称 エバネッセントカテーテルシステム コモンズ 外国出願あり
発明の概要

【課題】 血液中の赤血球内ヘモグロビンの光吸収に妨害されずカテーテル先端周囲の物質の蛍光強度や蛍光スペクトルを確実に測定できる光ファイバ先端部の構造を有し、エバネッセント光発生部分に存在する蛍光を発生する物質の存在量を算出できるエバネッセントカテーテルシステムを提供する。
【解決手段】 カテーテル21の先端部のコア24の上側半円部分は保護層22とクラッド23は除かれコア24が露出している。下側半円部分に対向して光学フィルタ26とフォトダイオード28が配置されている。励起光29が入射すると、コア24の上側半円部分にエバネッセント光25が発生し蛍光物質により蛍光30が発生する。干渉フィルタ26で励起光が除去され蛍光30のみがフォトダイオード28に達し、その出力強度は外部に導かれ測定装置で蛍光物質の存在量を測定することができる。
【選択図】 図4

従来技術、競合技術の概要


血中の濃度変化などを測定または検出する方法の1つとして採血し、血球分離膜や遠心分離器などを用いることにより血球分離後に、非血球成分を通常の方法で定量することが行われている。
一方、血中から直接定量する場合、血中に注入した蛍光物質(医薬品など)から蛍光を検出する際に赤血球中に存在するヘモグロビンにより広い波長帯域の光が吸収されるため、ヘモグロビンの光吸収の影響を受けないようにすることは、多くの医薬品では困難である。上記ヘモグロビンの光吸収の影響を受けないで定量できる医薬品はごく少数しか存在しない。



ところで、光ファイバエバネッセント光を利用し血液中などに含まれる有機物を検出する光学的方法が特許文献1(自動化されたシステム及びサンプルの分析方法)に開示されている。これは光感知センサを構成する光ファイバのクラッド層を除去してコア層の表面にエバネッセント光を発生させ、この部分を血液などの液体標本に浸漬し、液体標本からの検出蛍光を光感知センサで受光し、光学呼び掛けモジュールを経て血液などの液体標本の有機物を検出するものである。
また、特許文献2(光検出装置)には、光ファイバ(ガイド)を利用し、液体標本(血液など)を光ガイドに接触させ、エバネッセント界内で発光物質を励起し、光電検出器により測定する光検出装置が開示されている。



上記特許文献1,2はいずれも、エバネッセント光を利用して血液中などの発光組成物の選択的,定量的な測定はできるものであるが、引用文献1における、光ファイバ先端部のクラッドを除きコアの被膜の上にエバネッセント光を発生させる光学照明系は一般的な構造であり、その受光光学系は光ファイバの反射帰還光路によって構成されている。また、引用文献2は光ガイドの表面にエバネッセント光を発生させ、受光系は光ガイドの他端側に別途設けた光電検出器により行うものである。また、特許文献1,2は共通して液体標本を別途取り出して定量するものである。
したがって、生体内で定量することができない構成であり、血中のヘモグロビンの影響を除外するためには必要に応じて予め赤血球を分離しなければならない。
生体内でヘモグロビンの影響をなくして定量するためには、光ファイバの先端部の照明系と受光系の構成が重要であるが、特許文献1,2には光ファイバの先端部に関し、特別な構造の詳細な開示はない。



つぎに光ファイバ先端のコア部を尖鋭化することにより照明系および受光系が形成されるシステムに注視した場合、光ファイバの先端構造部分を示すものとして特許文献3,4および5が開示されている。
特許文献3(全反射を用いた吸収スペクトル測定用光ファイバセンサおよびそのシステム)は、特許文献3の図1に示すように光ファイバのクラッド部の一部を除去するとともに、光ファイバの先端に全反射によるエバネッセント光を用いたセンサ部を備え、このセンサ部を生体内に挿入し、センサ部を生体組織に直接接触させ、全反射を繰り返して伝搬してきた光波によりセンサ部でエバネッセント光を発生させ、エバネッセント光がセンサ部に接触した生体組織の化学成分によって吸収されスペクトルを変化させ全反射幕で反射して再度、化学成分によって吸収させ反射光を、光ファイバを逆光させるものである。



これは、生体組織中の吸収スペクトルを測定するものであって、血中の蛍光物質からの蛍光を検出するものではない。そして、生体組織中の伝搬をなくし伝搬に伴う多重散乱を発生せず、散乱の影響を極力下げ、かつ空間分解能を有する吸収スペクトルの精度を向上させるものである。
引用文献3の光ファイバ先端部のクラッド部付近の構成は、クラッド部の外側に発生するエバネッセント光の強度を入射する光の強度に応じたものにするものであり、エバネッセント光が生体組織の化学成分で吸収されて変化するスペクトル変化を捉えることはできる。しかし、光ファイバ外部のエバネッセント光が生じている領域で発生した蛍光を光ファイバで補足し、入射側へ戻すことはできない。



特許文献4(光ファイバ及びその製造方法)は生体組織の血液などを含めて化学物質の存在などを検出する近接場光学顕微鏡の光プローブの形状であり、特許文献4の図1,2,5,7および8に示すように先端部はクラッドからコアを円錐状に突出させ、先端の開口部を除き突出部のコアおよびクラッド表面に遮光膜を形成したものである。
この構造の光ファイバプローブは、突出部の円錐状のコア部にも遮光膜を設けて集光させることにより、コア検出端部の表面に発生されるエバネッセント場を強くして検出感度を高めるものである。
しかしながら、エバネッセント場にある試料による散乱光を、特許文献4の図11に示すように表面積が非常に小さい先端部の開口部に入射させるものであるので、広い面積の散乱光を集める点では不利となりトータルとしての受光パワーの増加は小さいと考えられる。また、生体組織中で直に蛍光物質からの蛍光の強度を検出するものではない。



さらに、特許文献5(光ファイバ及びその製造方法)は、物質の表面の光の波長より小さい領域に局在するエバネッセント光を検出するフォトン走査型顕微鏡などに用いられるものであり、コアの一端を先細り状に先鋭化し、先鋭化したコアの表面に遮光性の被覆層を形成し先端部を露出させた開口部を有する光ファイバで、この光ファイバの他端より光を入出力させ、光ファイバの端部から入射した光は上記先細り状の部分で集光されて開口部から外部に照射されるものである。これにより物質表面に近接させて発生させたエバネッセント光を散乱させ、この散乱光を開口部を介してコアに導き光ファイバの他端から出力させるものである。



この構成は、従来、クラッド径が検出端部の長さより非常に大きかったためクラッド周端部が試料の表面に衝突して試料または光プローブの先端が破損するおそれがあったという問題を解決し、クラッドの周端部が試料表面に衝突することなく、光プローブの検出効率を高くするものである。
この構成も特許文献4と類似する形状で、上述した通り、散乱光を集める点では不利となりトータルとしての受光パワーの増加は小さいと考えられる。

【特許文献1】特許3429282号公報

【特許文献2】特表2000-516719号公報

【特許文献3】特開2002-214132号公報

【特許文献4】特開平10-2905号公報

【特許文献5】特許3278164号公報

産業上の利用分野


本発明は、光ファイバの先端を血中に留置し、励起光を導入して励起された蛍光物質からの蛍光を検出する光ファイバを備えたエバネッセントカテーテル、さらに詳しくいえばカテーテル先端部におけるエバネッセント光の発生構造および蛍光物質からの蛍光を確実に受光できる構造を考慮したカテーテルシステムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
クラッド層を除去し、コア層を露出した光ファイバを血中に留置してエバネッセント光を発生させ、該エバネッセント光で励起された蛍光物質からの蛍光を検出して蛍光強度に基づき血中の物質の存在量を測定するエバネッセントカテーテルシステムであって、
前記光ファイバの円柱形状先端の前記コアを覆うクラッドの略半分を除去することにより前記コアの上側円柱形状面にエバネッセント光を発生させ、
前記クラッド層を除去して露出したコアの下側円柱形状面に、所定波長領域の蛍光を通過させる光学フィルタを配置し、該光学フィルタの背面に受光素子を配置し、該受光素子で前記蛍光物質からの蛍光を検出することを特徴とするエバネッセントカテーテルシステム。

【請求項2】
励起光を送出するための第1の光ファイバと、蛍光を受光するための第2の光ファイバよりなり、前記第1の光ファイバのクラッド層を除去し、コア層を露出した光ファイバを血中に留置してエバネッセント光を発生させ、該エバネッセント光で励起された蛍光物質からの蛍光を前記第2の光ファイバで受光して蛍光強度に基づき血中の物質の存在量を測定するエバネッセントカテーテルシステムであって、
前記第1の光ファイバの円柱形状先端の前記コアを覆うクラッド層の略半分を除去することにより前記コアの上側円柱形状面にエバネッセント光を発生させ、
前記クラッドの略半分を除去したコアに対向する前記第2の光ファイバ中に反射鏡を配置し、該反射鏡で前記蛍光物質からの蛍光を反射することにより第2の光ファイバの出力端に前記蛍光を導くことを特徴とするエバネッセントカテーテルシステム。

【請求項3】
クラッド層を除去し、コア層を露出した光ファイバを血中に留置してエバネッセント光を発生させ、該エバネッセント光で励起された蛍光物質からの蛍光を検出して蛍光強度に基づき血中の物質の存在量を測定するエバネッセントカテーテルシステムであって、
前記光ファイバの円柱形状先端のコア全周囲のクラッド層を除去し、クラッド層を除去したコア部分の先端上部より根元に向かって傾斜面を形成し、該傾斜面に反射鏡を配置することにより前記除去したコアの円柱形状上面にエバネッセント光を発生させ、
前記反射鏡で前記蛍光物質からの蛍光を反射することにより光ファイバの出力端に前記蛍光を導くことを特徴とするエバネッセントカテーテルシステム。

【請求項4】
クラッド層を除去し、コア層を露出した光ファイバを血中に留置してエバネッセント光を発生させ、該エバネッセント光で励起された蛍光物質からの蛍光を検出して蛍光強度に基づき血中の物質の存在量を測定するエバネッセントカテーテルシステムであって、
前記光ファイバの円柱形状先端の前記コアを覆うクラッドの略半分を除去し、前記クラッドを除去して露出したコアの円柱形状上面にエバネッセント光を発生させ、前記クラッドを除去したコアの円柱形状面の下側円柱形状面に、光軸に対し所定の傾斜角になるように多数の反射鏡を配列することにより、
前記多数の反射鏡で前記蛍光物質からの蛍光を反射することにより光ファイバの出力端に前記蛍光を導くことを特徴とするエバネッセントカテーテルシステム。

【請求項5】
クラッド層を除去し、コア層を露出した光ファイバを血中に留置してエバネッセント光を発生させ、該エバネッセント光で励起された蛍光物質からの蛍光を検出して蛍光強度に基づき血中の物質の存在量を測定するエバネッセントカテーテルシステムであって、
前記光ファイバの円柱形状先端の前記クラッド層を除去したコア部分を、光軸に対し所定の角度になるような円錐形状に形成することにより、
前記円錐形状のコア部分の表面にエバネッセント光を発生させ、
前記蛍光物質からの蛍光を前記円錐形状のコア部分で反射させ光ファイバの出力端に前記蛍光を導くことを特徴とするエバネッセントカテーテルシステム。

【請求項6】
光ファイバの先端を血中に留置してエバネッセント光を発生させ、該エバネッセント光で励起された蛍光物質からの蛍光を検出して蛍光強度に基づき血中の物質の存在量を測定するエバネッセントカテーテルシステムであって、
前記光ファイバの円柱形状先端の前記クラッド層の保護層を削除するとともに該クラッド層内のコアを螺旋状に形成し、
前記螺旋状のコアより漏れる励起光がクラッド層の円柱形状表面に達することにより該クラッド層の円柱形状表面にエバネッセント光を発生させ、
前記蛍光物質からの蛍光を前記螺旋状のコア部分で反射させ光ファイバの出力端に前記蛍光を導くことを特徴とするエバネッセントカテーテルシステム。
産業区分
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004348482thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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