TOP > 国内特許検索 > イオン化装置、イオン化方法、ならびに、プログラム

イオン化装置、イオン化方法、ならびに、プログラム

国内特許コード P09P006274
整理番号 21776
掲載日 2009年6月19日
出願番号 特願2007-311402
公開番号 特開2009-135043
登録番号 特許第5057272号
出願日 平成19年11月30日(2007.11.30)
公開日 平成21年6月18日(2009.6.18)
登録日 平成24年8月10日(2012.8.10)
発明者
  • 木寺 正憲
出願人
  • 独立行政法人理化学研究所
発明の名称 イオン化装置、イオン化方法、ならびに、プログラム
発明の概要

【課題】電子サイクロトロン共鳴現象を用いて高分子の試料をイオン化し、対電荷質量比を分析するイオン化装置等を提供する。
【解決手段】イオン化装置101において、チャンバー部102には、注入部103から試料が単位時間当たり一定の注入量で注入され、導波部104から指定されたパワーの高周波を入射され、電子サイクロトロン共鳴現象によりチャンバー部102内にプラズマを生じさせた後、取得部106は、高周波のパワーを下げて、プラズマが維持できるパワーの下限を求め、制御部107は、求められたパワーの下限から次第にパワーを上昇させて、試料のイオン化、フラグメント化を試み、分析部108は、排出部105から排出される物質の対電荷質量比の分布を分析する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


従来から、電子サイクロトロン共鳴現象(ECR;Electron Cyclotron Resonance)を利用してプラズマを生じさせるプラズマ発生器が利用されている。このようなプラズマ発生器については、以下の文献に開示されている。

【非特許文献1】R.Geller, Electron Cyclotron Resonance Ion Sources and ECR Plasmas, Inst.of Physics Pub.Inc.,Bristol UK, ISBN: 0-7503-0107-4, p.121-129, 1996年10月



[非特許文献1]では、minimumB型のECRイオン源として用いられるプラズマ発生器の技術について開示されている。



このような、ECRプラズマ発生器では、チャンバー内を真空に近付けた(典型的には10-6Torrのオーダー、すなわち、10-3Pa~10-4Paのオーダー)上で、導波管経由でチャンバー内に高周波を導入してプラズマを生じさせ、試料を一定の速度で流入させて、プラズマ内の電子により、試料のイオン化を図ることができる。



この際には、チャンバー内にヘリウム等を低い気圧で充填してプラズマを発生させ、その後に試料を注入する手法と、チャンバー内に試料を注入しながらプラズマを発生させる手法の2つが利用されている。



ECRを用いたプラズマ発生器では、チャンバー内の電子のエネルギーは大きい(電子温度は高い)が、イオンや中性分子のエネルギーは小さい、という特徴がある。このようなプラズマ発生器では、高周波のパワーを上げることでプラズマが生じ、その中には、10eV~100eV程度のエネルギーの大きい電子が生じるのが典型的である。



そこで従来は、プラズマが発生した際の高周波のパワーを維持してプラズマを維持した上で、低分子量の試料を注入して、エネルギーの大きい電子を用いてイオン化を行い、その試料のイオンの対電荷質量比を分析する等の応用がされていた。

産業上の利用分野


本発明は、電子サイクロトロン共鳴現象を用いて高分子の試料をイオン化し、対電荷質量比を分析するのに好適なイオン化装置、イオン化方法、ならびに、当該イオン化装置をコンピュータにより制御するためのプログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
電子サイクロトロン共鳴現象によりプラズマを発生させるチャンバー部、
前記チャンバー部内に、試料を単位時間当たり一定の注入量で注入する注入部、
前記チャンバー部内に、指定されたパワーの高周波を入射する導波部、
前記チャンバー部内が平衡状態を保つように、前記チャンバー部内の物質を排出する排出部、
前記チャンバー部内にプラズマが発生するまで、前記導波部に指定するパワーを増加させ、プラズマが発生した後、前記導波部に指定するパワーを減少させて、一旦発生したプラズマが維持されるパワーの範囲(以下、当該範囲の上限を「上限パワー」といい、当該範囲の下限を「下限パワー」という。)を取得する取得部、
前記取得された下限パワーから上限パワーまでの間のいずれかのパワー(以下「指定パワー」という。)を前記導波部に指定して、前記チャンバー部内がプラズマが維持された平衡状態になっているときに、前記排出部から当該試料がイオン化もしくはフラグメントイオン化された物質を排出させる制御部
前記排出部から排出された物質の対電荷質量比の分布を分析する分析部
を備え、
前記制御部は、当該下限パワーから当該上限パワーまでの間の複数のパワーのそれぞれを当該指定パワーとし、前記分析部は、当該指定パワーのそれぞれに対して、前記排出部から排出された物質の対電荷質量比の分布を分析する
ことを特徴とするイオン化装置。

【請求項2】
請求項1に記載のイオン化装置であって、
前記取得部は、前記チャンバー部内で生じる可視光、紫外光、X線、その他所定の周波数帯の電磁波の強度、もしくは、前記チャンバー部の電位の変化から、前記チャンバー部内にプラズマが生じているか否かを判断する
ことを特徴とするイオン化装置。

【請求項3】
電子サイクロトロン共鳴現象によりプラズマを発生させるチャンバー部、前記チャンバー部内に、試料を単位時間当たり一定の注入量で注入する注入部、前記チャンバー部内に、指定されたパワーの高周波を入射する導波部、前記チャンバー部内が平衡状態を保つように、前記チャンバー部内の物質を排出する排出部を有するイオン化装置を用いるイオン化方法であって、
前記チャンバー部内にプラズマが発生するまで、前記導波部に指定するパワーを増加させ、プラズマが発生した後、前記導波部に指定するパワーを減少させて、一旦発生したプラズマが維持されるパワーの範囲(以下、当該範囲の上限を「上限パワー」といい、当該範囲の下限を「下限パワー」という。)を取得する取得工程、
前記取得された下限パワーから上限パワーまでの間のいずれかのパワー(以下「指定パワー」という。)を前記導波部に指定して、前記チャンバー部内がプラズマが維持された平衡状態になっているときに、前記排出部から当該試料がイオン化もしくはフラグメントイオン化された物質を排出させる制御工程
前記排出部から排出された物質の対電荷質量比の分布を分析する分析工程
を備え、
前記制御工程では、当該下限パワーから当該上限パワーまでの間の複数のパワーのそれぞれを当該指定パワーとし、前記分析工程では、当該指定パワーのそれぞれに対して、前記排出部から排出された物質の対電荷質量比の分布を分析する
ことを特徴とするイオン化方法。

【請求項4】
請求項3に記載のイオン化方法であって、
前記取得工程では、前記チャンバー部内で生じる可視光、紫外光、X線、その他所定の周波数帯の電磁波の強度、もしくは、前記チャンバー部の電位の変化から、前記チャンバー部内にプラズマが生じているか否かを判断する
ことを特徴とするイオン化方法。

【請求項5】
電子サイクロトロン共鳴現象によりプラズマを発生させるチャンバー部、前記チャンバー部内に、試料を単位時間当たり一定の注入量で注入する注入部、前記チャンバー部内に、指定されたパワーの高周波を入射する導波部、前記チャンバー部内が平衡状態を保つように、前記チャンバー部内の物質を排出する排出部を有するイオン化装置を制御するコンピュータに、
前記チャンバー部内にプラズマが発生するまで、前記導波部に指定するパワーを増加させ、プラズマが発生した後、前記導波部に指定するパワーを減少させて、一旦発生したプラズマが維持されるパワーの範囲(以下、当該範囲の上限を「上限パワー」といい、当該範囲の下限を「下限パワー」という。)を取得する取得工程、
前記取得された下限パワーから上限パワーまでの間のいずれかのパワー(以下「指定パワー」という。)を前記導波部に指定して、前記チャンバー部内がプラズマが維持された平衡状態になっているときに、前記排出部から当該試料がイオン化もしくはフラグメントイオン化された物質を排出させる制御工程
前記排出部から排出された物質の対電荷質量比の分布を分析する分析工程
を実行させ、
前記制御工程では、当該下限パワーから当該上限パワーまでの間の複数のパワーのそれぞれを当該指定パワーとし、前記分析工程では、当該指定パワーのそれぞれに対して、前記排出部から排出された物質の対電荷質量比の分布を分析する
ように機能させることを特徴とするプログラム。

【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって、当該コンピュータにおいて、
前記取得工程では、前記チャンバー部内で生じる可視光、紫外光、X線、その他所定の周波数帯の電磁波の強度、もしくは、前記チャンバー部の電位の変化から、前記チャンバー部内にプラズマが生じているか否かを判断する
ように機能させることを特徴とするプログラム。
産業区分
  • 電子管
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2007311402thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close