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逆ミセル液-液抽出法を利用した金属ナノ粒子の製造方法 新技術説明会

国内特許コード P09A014576
整理番号 13106
掲載日 2009年7月24日
出願番号 特願2007-308126
公開番号 特開2009-132953
登録番号 特許第5120929号
出願日 平成19年11月29日(2007.11.29)
公開日 平成21年6月18日(2009.6.18)
登録日 平成24年11月2日(2012.11.2)
発明者
  • 長縄 弘親
  • 下条 晃司郎
  • 三田村 久吉
出願人
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 逆ミセル液-液抽出法を利用した金属ナノ粒子の製造方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】逆ミセル法と液-液抽出法の両方の利点を合わせ持ち、かつ目的金属のみを選択的にナノ粒子化できる、新しい金属ナノ粒子の製造方法を提供することにある。
【解決手段】例えば、金ナノ粒子を製造する方法は、金イオンを含む金属水溶液である水相と、界面活性剤としてAOTおよび有機配位子としてTODGAを含む不活性溶媒である有機相とを充分に混合し、金イオンを逆ミセルに濃集させた後、逆ミセルを含む前記有機相を分取し、分取された前記有機相に還元剤としてヒドラジンを加え、一定時間反応させて金ナノ粒子を生成するステップから成る。ナノ粒子化したい金属イオンの濃度が希薄で多くの不純物が共存する水溶液から目的金属イオンのみを高選択的に抽出するとともに、逆ミセルのナノ反応場を利用して高品質なナノ粒子を製造できる。
【選択図】図3

従来技術、競合技術の概要


初めに、逆ミセルとは、不活性媒体(アルカン、超臨界流体二酸化炭素など)中で生成する界面活性剤の集合体であり、多くの場合、その内側には内核水相と呼ばれるナノメーターサイズの微小水滴を有する。別の言い方をすると、逆ミセルとは、界面活性剤の形成する単分子膜に覆われたナノ水滴である。このようなナノ反応場を利用して、金属ナノ粒子を製造する方法は既に広く知られている。この方法は、生成するナノ粒子の均質性が高い、種々の化学反応を利用して多様な形態の粒子を製造できる、粒子の表面を修飾できる、また、穏やかな条件(例えば、室温)でナノ粒子を製造ができるなどの利点があり、ナノ粒子の大量生産にも適している。



さて、このような逆ミセルを利用したナノ粒子製造法(逆ミセル法)として、従来から、微量注入法が知られている。微量注入法とは、ナノ粒子化したい金属イオンを高濃度かつ高純度で含む水溶液を、界面活性剤を含む不活性溶媒に微量注入することによって、高濃度かつ高純度の目的金属イオンを含む逆ミセルを生成させた後、還元剤などを作用させて金属ナノ粒子を生成させる方法である(例えば、非特許文献1を参照)。図1に上述した従来技術である微量注入法の概要を示す。



一方、水相中の金属イオンを有機溶媒などの抽出溶媒相に抽出した後、還元剤などを作用させてナノ粒子を製造する方法(液-液抽出法)がある。例えば、M. Brustらは、水相中のテトラクロロ金酸イオンをトルエン相へ相間移動させる試薬としてテトラアルキルアンモニウム塩を用いることで、2液相系での金ナノ粒子の製造に成功している(例えば、非特許文献2を参照)。



また、本願発明者の長縄らは、以前の研究において、界面活性剤と有機配位子を組み合わせて生じる逆ミセル系が、ランタノイドなどの金属イオンに対して非常に大きな抽出機能と優れた選択的分離機能を有することを発見している(例えば、非特許文献3を参照)。

【非特許文献1】小泉光恵ら、ナノ粒子の製造・評価・応用・機器の最新技術、(株)シーエムシー出版、第2章ナノ粒子の製造、1 単分散ナノ粒子の製造、1.2 溶液法、1.2.4 逆ミセル法、16-23(2002年)

【非特許文献2】M. Brustら、Journal of Chemical Society, Chemical Communications、801-802(1994年)

【非特許文献3】長縄弘親ら、Physical Chemistry Chemical Physics、2巻、3247-3253(2000年)

産業上の利用分野


本発明は、廃液などの水溶液から、金などの金属ナノ粒子を製造する方法に関する。さらに詳細には、本発明は、水と有機溶媒などの抽出媒体から成る2液相系の抽出媒体相中で生成する逆ミセルと呼ばれるナノ反応場を利用して、金属ナノ粒子を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
少なくとも1種以上の目的金属イオンを含む金属水溶液である水相と、界面活性剤および有機配位子を含む不活性溶媒である有機相とを混合し、前記目的金属イオンを逆ミセルに濃集させた後、逆ミセルを含む前記有機相を分取し、分取された前記有機相に還元剤を加え、一定時間反応させて金属ナノ粒子を生成することを特徴とする逆ミセル液-液抽出法を利用した金属ナノ粒子の製造方法。

【請求項2】
請求項1記載の製造方法において、前記不活性溶媒である有機相は、前記金属水溶液である水相と完全に混じり合わず、水相と有機相の2相を形成する液体もしくは超臨界流体であることを特徴とする逆ミセル液-液抽出法を利用した金属ナノ粒子の製造方法。

【請求項3】
請求項1または2記載の製造方法において、前記界面活性剤は、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤のうちのいずれかであり、前記有機配位子は、金属イオンなどに対して配位能を有する有機化合物であることを特徴とする逆ミセル液-液抽出法を利用した金属ナノ粒子の製造方法。

【請求項4】
請求項3記載の製造方法において、前記陽イオン性界面活性剤がアミン塩型もしくは第4級アンモニウム塩型、前記陰イオン性界面活性剤がスルホン酸塩型、硫酸エステル塩型、リン酸エステル塩型、もしくはカルボン酸塩型、前記両性界面活性剤がスルホン酸塩型、硫酸エステル塩型、リン酸エステル塩型、もしくはカルボン酸塩型、前記非イオン性界面活性剤がポリエチレングリコール型もしくは多価アルコール型であることを特徴とする逆ミセル液-液抽出法を利用した金属ナノ粒子の製造方法。

【請求項5】
請求項3記載の製造方法において、前記有機配位子が1個の官能基または同一ないしは別異の複数個の官能基を持つ化合物であることを特徴とする逆ミセル液-液抽出法を利用した金属ナノ粒子の製造方法。

【請求項6】
請求項5に記載の製造方法において、前記官能基が、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスフィン基、カルボニル基、カルバモイル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピロリジニル基、ピペリジル基、メルカプト基、アミド基、イミド基、アミノ基、アミンオキシド基、イミダゾール基、エーテル基、アルコキシル基、チオエーテル基、水酸基、グリコール基、チオール基、チエニル基、スルホニル基、チアジル基、もしくはアルデヒド基から選択されるいずれか1つであることを特徴とする逆ミセル液-液抽出法を利用した金属ナノ粒子の製造方法。

【請求項7】
金イオンを含む金属水溶液である水相と、界面活性剤としてAOTおよび有機配位子としてTODGAを含む不活性溶媒である有機相とを混合し、前記金イオンを逆ミセルに濃集させた後、逆ミセルを含む前記有機相を分取し、分取された前記有機相に還元剤としてヒドラジンを加え、一定時間反応させて金ナノ粒子を生成することを特徴とする逆ミセル液-液抽出法を利用した金属ナノ粒子の製造方法。
産業区分
  • 加工
  • 冶金、熱処理
  • 処理操作
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007308126thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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