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マイクロコイルの製作方法

国内特許コード P09P006301
整理番号 TDU-144
掲載日 2009年7月24日
出願番号 特願2008-025716
公開番号 特開2009-160722
登録番号 特許第5268135号
出願日 平成20年1月9日(2008.1.9)
公開日 平成21年7月23日(2009.7.23)
登録日 平成25年5月17日(2013.5.17)
発明者
  • 堀内 敏行
  • 片山 雅博
出願人
  • 学校法人東京電機大学
発明の名称 マイクロコイルの製作方法
発明の概要

【課題】
外径が100μm以下で真直な「ばり」のない金属製マイクロコイルを、長さ/外径=アスペクト比30以上で作る。
【解決手段】金属マイクロパイプの外表面にレジストを付し、露光ビームを当てて螺線状に走査露光する。その際、露光ビームのスポットが常に一定の形状、大きさで当たるように、予めマイクロパイプの傾斜・高さを調整してから露光し、均一な線幅の螺線スペースパターンを形成する。続いてレジストをマスキング材としてマイクロパイプをエッチングする際、エッチング途中でリンスし、再びエッチングを続ける工程をとる。それによりエッチング速度を平均化するとともに予測可能にし、適切な時点までエッチングして「ばり」も無くす。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要

金属製のマイクロコイルは、弾性にすぐれる、所望のばね定数を得易い、繰り返し変形に対して耐久性が高い、などの理由から、コイルスプリングとして様々なマイクロ機構構成要素として使用されている。


また、金属が電気の良導体なので、超小型のインダクタンス要素部品やマイクロ電磁コイルの構成要素としても使用できる。


これまで、コイル外径の小さい実用的な金属製のマイクロコイルを作るには、細くて軟らかいエナメル線などのコイルの素線を心棒に巻きつけて製作していた。


このように素線を巻きつけてマイクロコイルを作ると、コイルの素線に曲げ応力やねじり応力がかかるため、マイクロコイルの外径を小さくするにはコイルの素線径を小さくすることが必要であった。


すなわち、コイルの素線径がマイクロコイルの外径に対して太すぎると、曲げ応力やねじり応力によってコイル素線が切れてしまった。


しかし、コイルの素線径が小さいと、コイルスプリングとして利用する場合には、ばね定数が小さいコイルスプリングしか得られない。


また、コイルの素線を心棒に均一な力で均一な間隔で巻きつけることは難しいため、長いコイルを作ると不規則に曲がってしまい、真直に連なる長いコイルを作ることができなかった。


さらに、コイルの素線の断面形状を矩形や台形などの平らな辺を持つ形状とすると、該平らな辺を丸みのある心棒にぴったりくっつけてねじれないように均一に巻きつけることは困難であった。


一方、コイルの素線を心棒に巻きつけて製作する方法では、座巻きを設けてもコイル端面を精確にコイルの軸に垂直にすることは難しかった。


また、コイルの素線を心棒に巻きつけて製作する方法では、コイル端部やコイルの途中に円筒部を設けて保持し易くしたり、真直性を高めたりすることができなかった。


さらに、また、コイルの素線を心棒に巻きつけて製作する方法では、コイル端部に円筒部を設けることができないので、該円筒部に段差やテーパを付け、コイル端に別の部品を精確にはめ込んだり、精確に位置決めしたりすることもできなかった。


また、また、コイルの素線を心棒に巻きつけて製作する方法では、コイルに圧縮変形を加えた時の軸直角方向への曲がりや迫り出しを防ぐため、巻き方向を途中で適宜反対にしたコイルを作ることもできなかった。


これに対し、非特許文献1には、銅パイプ上にレジストを塗布し、レーザ走査リソグラフィによって螺線スペースパターンを形成し、残ったレジスト膜をマスキング材として、前記の銅パイプをウェットエッチングし、マイクロコイルを製作する方法が開示されている。


図14は、非特許文献1に開示されたマイクロコイルの製作方法を模式化して示した図である。


この従来のマイクロコイルの製作方法では、(a)に示すように金属性のマイクロパイプ1上にレジスト2を塗布し、次に、(b)に示すようにレーザ5からの露光ビーム6のスポットを前記マイクロパイプ1上の露光開始点4におき、Xステージ10による矢印27に示す直進運動とX軸まわりのX回転ステージ20による矢印28に示す回転運動により該マイクロパイプ1に螺線運動を与え、レジスト2を螺線状に感光させる。


露光ビーム6を整形するためピンホール19を置いており、レンズ14により露光ビーム6を絞っている。


11はY軸方向の位置を調整するYステージ、12はZ軸方向の位置を調整するZステージ、22はZ軸まわりの方位回転ステージであり、これらにより、該マイクロパイプ1に螺線運動を与える時、露光ビーム6のスポットが該マイクロパイプ1の頂上の稜線に沿って走査されるように予め機械的に調整しておく。


以上の説明において、X、Y、Zは図14中に示した方向である。


(c)以降は以下の工程における配置姿勢に合わせて、前記マイクロパイプ1を、軸を鉛直にして描いてあり、31が図(b)に示した走査露光による感光部である。


走査露光後、(d)に示すように現像液32に浸漬すると、たとえば、ポジ型のレジスト2を使用すると、感光部が螺線状に溶けて螺線スペースパターン34が得られる。33は現像液32の容器である。


(e)は現像後のリンス工程を示しており、現像リンス液35に浸漬して現像液32を除去し、現像を停止させる。36は現像リンス液35の容器である。


次に、(f)に示すようにリンス液35から出した螺線スペースパターン34を形成したマイクロパイプ1を、(g)に示すように、エッチング液37に浸漬し、レジスト2をマスキング材として、前記のマイクロパイプ1をウェットエッチングする。38はエッチング液37の容器である。


(h)はエッチング後のリンス工程を示しており、エッチングリンス液39に浸漬してエッチング液37を除去し、エッチングを停止させる。40はエッチングリンス液39の容器である。


マイクロパイプ1は螺線状にエッチングされ、(g)、(h)に示すようにマイクロコイル42が製作できる。


(a)のレジスト塗布、(b)の露光、(d)、(e)の現像、リンスの工程を経て所望のレジストパターンを形成する技術がリソグラフィ技術である。


(i)はエッチングが完了してリンスした後、マイクロコイル42をレジスト2がついたままエッチングリンス液39から取り出した状態を示している。


次に、レジスト2を除去するため、(j)に示すように、レジスト2の付いたマイクロコイル42を、レジスト2を溶かす溶剤または剥離液中に漬け、レジスト2を除去する。


酸素プラズマなど、レジスト2をドライエッチングできる装置に入れ、レジスト2を除去してもよい。


レジスト2を除去すると、(k)に示すように、マイクロコイル42が得られる。


この非特許文献1に開示されたマイクロコイルの製作方法によれば、コイル素線が曲げやねじりの外力を受けることなくパイプから作り出されるため、曲がったりすることがなく真直ぐなコイルとなる。


そして、エッチング後に残る部分の幅を調節すれば、コイル外径によらずにコイル素線の幅を太くも細くもできる。


したがって、コイル外径および内径によらずに、容易に異なるばね定数のマイクロコイルを製作することができる。

【非特許文献1】 Yoshihisa Kaneko,Kohei Hashimoto,Toshiyuki Horiuchi:Fabrication of micro-coils using laser scan lithographyon copper pipes,MICROELECTRONIC ENGINEERING,Vol.83(2006)pp.1249-1252.

産業上の利用分野


この発明は、コイル外径が100μm以下で、コイル部分の長さがコイル外径の20倍以上の金属製で真直なイクロコイルの製作方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
外径が100μm以下の金属性のマイクロパイプの外表面にレジストを付するレジスト塗布工程と、該レジスト膜上の露光予定位置またはその近傍の少なくとも2箇所以上の点に露光ビームスポットを該レジストが感光しない光強度で当て、いずれの箇所に露光ビームスポットが来た場合とも該露光ビームスポットの位置、形状、大きさが所期の位置、形状、大きさに対し許容できる誤差範囲内に収まるように前記マイクロパイプと露光ビームとの相対傾斜角および/または前記マイクロパイプの露光ビーム照射方向の位置を調整する露光ビーム調整工程と、該露光ビームスポットを該レジストが感光する光強度にして該レジストを単数箇所または複数個所において螺線状に前記マイクロパイプの外径の20倍以上の長さ区間に亘って露光する露光工程と、前記螺線状の露光により螺線状に感光した該レジストを有する前記マイクロパイプを現像液に浸漬および/または流浸させて該レジストの螺線スペースパターンを形成する現像工程と、前記工程を経て形成した該レジストの螺線スペースパターンを有する前記マイクロパイプをエッチング液に浸漬および/または流浸して前記レジストをエッチングマスクとして前記螺線スペースパターンの底部として露出した前記マイクロパイプを螺線状にエッチングし、該エッチングが完了する前に少なくとも1回、該マイクロパイプを該エッチング液から一旦取り出してリンス液に浸漬および/または流浸して前記エッチング液を洗浄除去するリンスを行い、該リンス液を除去したのち再び該マイクロパイプを該エッチング液に浸漬および/または流浸して前記レジストをエッチングマスクとして前記螺線スペースパターンの底部として露出した前記マイクロパイプを螺線状にさらにエッチングし、前記マイクロパイプがマイクロコイルとなるまで前記エッチングと前記リンスとを適宜繰り返すエッチング工程、とを含み、コイル化部分の長さを外径で除した値が20以上のマイクロコイルを製作することを特徴とするマイクロコイルの製作方法

【請求項2】
請求項1に示したマイクロコイル製作方法のエッチング工程を、該エッチングが完了する前に少なくとも1回、該レジストの螺線スペースパターンを有するマイクロパイプを該エッチング液から一旦取り出し、リンス液に浸漬および/または流浸して前記エッチング液を洗浄除去するリンスを行い、該リンス液を除去する工程の後、取り出したマイクロパイプの螺線溝の幅および/または深さを測定して追加するエッチングの必要時間を予測する工程を設け、エッチングの必要時間を予測した上でさらにエッチングするエッチング工程とすることを特徴とするマイクロコイルの製作方法

【請求項3】
請求項1および請求項2に示したマイクロコイル製作方法において、レジストを螺線状露光する露光工程と引き続く現像工程で、複数の螺線スペースパターンを形成するのに加えて、該マイクロパイプを周回するスペースパターンを形成し、該レジストをマスキング材として該マイクロパイプをエッチングする工程で、該マイクロパイプを周回するスペースパターン部のエッチングにより該マイクロパイプを切断し、複数のマイクロコイルを得ることを特徴とするマイクロコイルの製作方法
産業区分
  • その他機械要素
  • 表面処理
  • 機械要素
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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