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エルゴチオネインを利用したクローン病の診断および治療 新技術説明会

国内特許コード P09P006499
整理番号 KUTLO-2008-002
掲載日 2009年8月28日
出願番号 特願2008-033588
公開番号 特開2009-192383
登録番号 特許第5376421号
出願日 平成20年2月14日(2008.2.14)
公開日 平成21年8月27日(2009.8.27)
登録日 平成25年10月4日(2013.10.4)
発明者
  • 辻 彰
  • 加藤 将夫
  • 久保 義行
  • 金子 周一
  • 加賀谷 尚史
  • 曽我 朋義
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 エルゴチオネインを利用したクローン病の診断および治療 新技術説明会
発明の概要

【課題】クローン病の病態や発症におけるOCTN1およびエルゴチオネインの関与を解明することにより、クローン病の診断と治療のための新規な手段を提供すること。
【解決手段】被験者から単離された試料中のエルゴチオネインレベルを指標としたクローン病の診断方法、被験者から単離された試料中におけるディプロタイプ1の検出に基づくクローン病の罹患リスクの診断方法、および、エルゴチオネインまたはその類縁体を有効成分とするクローン病の予防または治療用組成物。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


クローン病は、難治性の疾患として知られている、原因不明の炎症性腸疾患である。我が国では、クローン病は特定疾患治療研究事業対象疾患に認定され、患者数は10~30代を中心に増加傾向にある。クローン病の原因については、遺伝的素因、ウイルス、環境因子、食餌因子など、さまざまな要因が報告されているが定説はない。



クローン病の治療は、その原因が不明であるため、根本的治療法は確立されておらず、対症療法として食餌療法(栄養療法)や薬物療法といった内科的治療が選択されることがほとんどである。外科的治療は、内科的治療の望めない場合に限り実施され、その場合においても最終的には内科的治療が採られることとなる。クローン病の診断は、腸カメラによる目視が主体であるが、特異的な所見が無いため、確定診断は消去法で行われるのが現状であり、特に潰瘍性大腸炎、ベーチェット病や腸結核との鑑別が重要とされる。



2004年、カナダの研究グループがクローン病の発症リスクにカルニチントランスポーターOCTNファミリーの1つであるOCTN1の遺伝子多型(L503F)が関与していることを発表した(非特許文献1)。しかしながら、2006年に国内の研究グループが、この遺伝子多型は日本人のクローン病患者では見出されないことを発表し(非特許文献2)、クローン病発症におけるOCTN1の関与は結局不明のままになっている。



このOCTN1 (SLC22A4)は、1997年に発明者らによって見出された新規SLCトランスポーターで、必須栄養素・カルニチンと有機カチオン系薬物が輸送基質となることがin vitroの実験系で確認されている(非特許文献3および4)。発明者らは、OCTN1のホモログであるOCTN2 (SLC22A5)については、その生理的基質がカルニチンであることを同定し、OCTN2が致死性疾患である全身性カルニチン欠乏症の原因遺伝子となることを解明している(非特許文献5)。しかしながら、OCTN1については、その生理的役割は未だ明らかになっていない。



2005年、ドイツの研究グループは、in vitroの実験系を用いて、エルゴチオネインがOCTN1の良好な輸送基質となることを報告した(非特許文献6)。エルゴチオネインは、カビやキノコ類に多く含まれる強い抗酸化力をもった含硫アミノ酸であるが、哺乳類は、エルゴチオネインを自ら合成することはできず、専ら食餌によって摂取する。哺乳類の各種臓器にはエルゴチオネインが相当量貯蔵されているが、生体内におけるエルゴチオネインの生理的役割やOCTNとの関連についてはよくわかっていない。



【非特許文献1】Peltekova VD, Wintle RF, Rubin LA, Amos CI, Huang Q, Gu X, Newman B, Van Oene M, Cescon D, Greenberg G, Griffiths AM, St George-Hyslop PH, Siminovitch KA. Functional variants of OCTN cation transporter genes are associated with Crohn disease. Nat Genet. 2004. 36(5):471-5.【非特許文献2】Tosa M, Negoro K, Kinouchi Y, Abe H, Nomura E, Takagi S, Aihara H, Oomori S, Sugimura M, Takahashi K, Hiwatashi N, Takahashi S, Shimosegawa T. Lack of association between IBD5 and Crohn's disease in Japanese patients demonstrates population-specific differences in inflammatory bowel disease. Scand J Gastroenterol. 2006. 41(1):48-53.【非特許文献3】Yabuuchi H, Tamai I, Nezu J, Sakamoto K, Oku A, Shimane M, Sai Y, Tsuji A. Novel membrane transporter OCTN1 mediates multispecific, bidirectional, and pH-dependent transport of organic cations. J Pharmacol Exp Ther. 1999. 289(2):768-73.【非特許文献4】Tamai I, Yabuuchi H, Nezu J, Sai Y, Oku A, Shimane M, Tsuji A. Cloning and characterization of a novel human pH-dependent organic cation transporter, OCTN1. FEBS Lett. 1997. 419(1):107-11.【非特許文献5】Nezu J, Tamai I, Oku A, Ohashi R, Yabuuchi H, Hashimoto N, Nikaido H, Sai Y, Koizumi A, Shoji Y, Takada G, Matsuishi T, Yoshino M, Kato H, Ohura T, Tsujimoto G, Hayakawa J, Shimane M, Tsuji A. Primary systemic carnitine deficiency is caused by mutations in a gene encoding sodium ion-dependent carnitine transporter. Nat Genet. 1999. 21(1):91-4.【非特許文献6】Grundemann D, Harlfinger S, Golz S, Geerts A, Lazar A, Berkels R, Jung N, Rubbert A, Schomig E. Discovery of the ergothioneine transporter. Proc Natl Acad Sci U S A. 2005. 102(14):5256-61.

産業上の利用分野


本発明は、エルゴチオネインを利用したクローン病の診断および治療に関する。より詳細には、エルゴチオネインレベルや多型解析に基づくクローン病の罹患あるいは罹患可能性の評価方法、および、エルゴチオネインまたはその類縁体を有効成分とするクローン病治療薬に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験者がクローン病に罹患しているか否かを判定するためにエルゴチオネインレベルを測定する方法であって、前記被験者から単離された体液中における、エルゴチオネインレベルが健常人に比較して有意に低い場合に、前記被験者がクローン病に罹患している可能性が高いと判定することを特徴とする、前記方法
【請求項2】
前記エルゴチオネインレベルがエルゴチオネイン特異的抗体を用いた免疫学的方法あるいはHPLCによって測定されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記免疫学的方法が、免疫沈降法、ならびにウエスタンブロット法、ドットブロット法、スロットブロット法、ELISA法、およびRIA法を含む固相免疫法あるいはこれらの変法から選ばれるいずれかの方法である、請求項に記載の方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法で使用するための、エルゴチオネイン特異的抗体を含む、クローン病診断用キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
(有)金沢大学ティ・エル・オーは、金沢大学の研究者の出願特許を産業界へ技術移転することを主目的として、金沢大学の教官の出資により設立された技術移転機関です。
ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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