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路面のすべり摩擦予測方法及び装置並びにそのプログラム コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P09P006331
掲載日 2009年9月4日
出願番号 特願2006-284361
公開番号 特開2008-102006
登録番号 特許第4899054号
出願日 平成18年10月18日(2006.10.18)
公開日 平成20年5月1日(2008.5.1)
登録日 平成24年1月13日(2012.1.13)
発明者
  • 福原 輝幸
  • 渡邊 洋
  • 藤本 明宏
出願人
  • 国立大学法人福井大学
発明の名称 路面のすべり摩擦予測方法及び装置並びにそのプログラム コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】本発明は、路面状態を路面雪氷層の熱収支モデル及び氷・水・空気収支モデルによりモデル化して各モデルの同時連成解析よる定量評価を行うことで、路面のすべり摩擦係数を予測することが可能な路面のすべり摩擦予測方法及び装置並びにそのプログラムを提供することを目的とするものである。
【解決手段】気象条件及び交通条件に関する予測データ等を設定し(S100、S101)、予め構築した熱収支モデルに基づいて熱収支を計算する(S102)とともに、予め構築した氷・水・空気収支モデルに基づいて各収支を計算し(S103)、雪氷状態予測データを算出して(S104)、算出された雪氷状態予測データに基づいて路面のすべり摩擦係数を決定する(S105)。
【選択図】図8

従来技術、競合技術の概要


積雪地域では、道路に積もった雪が車両の通行により圧雪状態となり、スリップしやすい状態となることから、事故防止のために凍結防止剤の散布といった道路管理が行われている。しかしながら、道路の路面状態は、降雪-圧雪-凍結-融解といったように時刻及び場所によって多様に変化していくため、最適の道路管理が行われているとはいいがたい。例えば、道路をパトロールしたり、定点観測により道路状態を目視でチェックしたとしても各人の経験に基づいて管理が行われることになり、客観的な状況判断に基づくものではない。



そのため、こうした道路の路面状態を客観的に予測するための技術開発が進められており、その1つの手法として統計的手法を用いる方法が提案されている。統計的手法としては、重回帰分析、判別関数法、パターン解析法、ニューラルネットワークを用いた方法が挙げられるが、こうした統計的手法は、地域性に依存して汎用性に乏しく広範囲に及ぶ道路全体を管理するためには不向きである。



また、別の手法として、熱収支を用いる方法が提案されている。この方法は、路面に形成された雪氷層を横切る熱フラックスを定量評価して路面状態を予測する方法であり、舗装構造やそれらの熱物性値等の内的因子、気象や地形等の自然的因子、通過車両等の人為的因子を考慮することで、地域性に依存せずに評価を行うことができ、道路管理に用いる上で適した手法である。



本発明者らは、こうした熱収支を用いる方法について研究を進め、車両底面輻射熱を含む熱収支モデルを提案し、気象変化に伴う、乾燥、湿潤及び雪氷路面における路面温度についてその妥当性を検証した(非特許文献1参照)。また、提案した熱収支モデルをもとに、タイヤ摩擦熱フラックス及び車両底面輻射熱フラックスの定量評価を行い、路面温度に及ぼす影響について検討した(非特許文献2参照)。



また、本発明者らは、熱収支モデルに基づいて道路の路面状態を予測する手法とともに路面の雪氷状態と路面のすべり摩擦係数の関係についても研究を進め、シャーベット路面、湿潤路面及び氷板路面での野外試験車によるすべり摩擦係数の測定を行い、すべり摩擦係数と質量含氷率、すべり摩擦係数とシャーベット厚さに関する分析を行った(非特許文献3参照)。



上述した統計的手法や熱収支法を用いて路面状態の凍結を予測する方法としては、例えば、特許文献1では、路面状態データ、路面温度予測データ及び天気予報データに基づいて路面状態を予測する路面状態予測システムが記載されている。また、特許文献2では、路線沿いに複数の路面凍結検知装置を配置して過去数年間の路面温度を測定し、路面温度の変化パターンを天候別及び月別に分類しておき、実変化パターンに最も類似する分類パターンを抽出して路面温度を予測する路面予測方法が記載されている。また、特許文献3では、現地の路面形状センサーと気象センサーを備える現地気象データ収集装置からの現地データに基づいて路面状態の短期予測を行い、気象庁GPV天気予報データに基づいて路面状態の中期及び長期予測を行うようにした路面状態予測システムが記載されている。

【特許文献1】特開2006-30139号公報

【特許文献2】特開平6-300860号公報

【特許文献3】特開2002-196085号公報

【非特許文献1】荒川 智之 外4名、「熱収支法による路面凍結解析-乾燥、湿潤および積雪路面における熱的挙動-」、寒地技術論文・報告集、Vol.16、pp.389-395、2000年

【非特許文献2】渡邊 洋 外2名、「通過車両から路面への熱供給に関するモデリング」、第21回寒地技術シンポジウム、寒地技術論文・報告集、Vol.21、pp.195-200、2005年

【非特許文献3】藤本 明宏 外7名、「MASS車によるすべり摩擦と道路雪氷との関係」、日本雪工学会誌、2005年10月、Vol.21、No.5、pp.26-35

産業上の利用分野


本発明は、道路等の路面状態を予測するすべり摩擦予測方法及び装置並びにそのプログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
気象条件及び交通条件に関する予測データを用いて路面雪氷層の熱収支モデル、路面雪氷層の氷に関する質量の収支モデル、路面雪氷層の水に関する質量の収支モデル及び路面雪氷層の空気に関する体積の収支モデルに基づいて路面雪氷層中の雪氷状態予測データを算出し、算出された雪氷状態予測データに基づいて路面のすべり摩擦係数を決定することを特徴とする路面のすべり摩擦予測方法。

【請求項2】
気象条件及び交通条件に関する予測データ並びに凍結防止剤の散布データを用いて路面雪氷層の熱収支モデル、路面雪氷層の氷に関する質量の収支モデル、路面雪氷層の水に関する質量の収支モデル及び路面雪氷層の空気に関する体積の収支モデルに基づいて路面雪氷層中の雪氷状態予測データを算出し、算出された雪氷状態予測データに基づいて路面のすべり摩擦係数を決定し、決定された路面のすべり摩擦係数が所定範囲内であるか否か判定し、所定範囲内でない場合には路面のすべり摩擦係数が所定範囲内となるまで凍結防止剤の散布データを再設定して前記雪氷状態予測データを再算出し、所定範囲内となる凍結防止剤の散布データを決定することを特徴とする路面のすべり摩擦予測方法。

【請求項3】
前記雪氷状態予測データは、路面雪氷層中の氷、水及び空気の混合割合であることを特徴とする請求項1又は2に記載の路面のすべり摩擦予測方法。

【請求項4】
気象条件及び交通条件に関する予測データを設定する条件データ設定部と、設定された前記予測データを用いて路面雪氷層の熱収支モデル、路面雪氷層の氷に関する質量の収支モデル、路面雪氷層の水に関する質量の収支モデル及び路面雪氷層の空気に関する体積の収支モデルに基づいて路面雪氷層中の雪氷状態予測データを算出する雪氷状態予測部と、算出された雪氷状態予測データに基づいて路面のすべり摩擦係数を決定するすべり摩擦決定部とを備えていることを特徴とする路面のすべり摩擦予測装置。

【請求項5】
気象条件及び交通条件に関する予測データ並びに凍結防止剤の散布データを設定する条件データ設定部と、設定された前記予測データ及び前記散布データを用いて路面雪氷層の熱収支モデル、路面雪氷層の氷に関する質量の収支モデル、路面雪氷層の水に関する質量の収支モデル及び路面雪氷層の空気に関する体積の収支モデルに基づいて路面雪氷層中の雪氷状態予測データを算出する雪氷状態予測部と、算出された雪氷状態予測データに基づいて路面のすべり摩擦係数を決定するすべり摩擦決定部と、決定された路面のすべり摩擦係数が所定範囲内となるように前記条件データ設定部で散布データの再設定を行い前記雪氷状態予測部で雪氷状態予測データの再算出を行うことで凍結防止剤の散布データを決定する散布条件決定部とを備えていることを特徴とする路面のすべり摩擦予測装置。

【請求項6】
前記雪氷状態予測データは、路面雪氷層中の氷、水及び空気の混合割合であることを特徴とする請求項4又は5に記載の路面のすべり摩擦予測装置。

【請求項7】
気象条件及び交通条件に関する予測データを設定して路面のすべり摩擦係数を決定する路面のすべり摩擦予測装置を機能させるためのプログラムであって、
前記路面のすべり摩擦予測装置を、
設定された前記予測データを用いて路面雪氷層の熱収支モデル、路面雪氷層の氷に関する質量の収支モデル、路面雪氷層の水に関する質量の収支モデル及び路面雪氷層の空気に関する体積の収支モデルに基づいて路面雪氷層中の雪氷状態予測データを算出する手段、
算出された雪氷状態予測データに基づいて路面のすべり摩擦係数を決定する手段
として機能させるためのプログラム。

【請求項8】
気象条件及び交通条件に関する予測データ並びに凍結防止剤の散布データを設定して路面のすべり摩擦係数を決定する路面のすべり摩擦予測装置を機能させるためのプログラムであって、
前記路面のすべり摩擦予測装置を、
設定された前記予測データ及び前記散布データを用いて路面雪氷層の熱収支モデル、路面雪氷層の氷に関する質量の収支モデル、路面雪氷層の水に関する質量の収支モデル及び路面雪氷層の空気に関する体積の収支モデルに基づいて路面雪氷層中の雪氷状態予測データを算出する手段、
算出された雪氷状態予測データに基づいて路面のすべり摩擦係数を決定する手段、
決定された路面のすべり摩擦係数が所定範囲内であるか否か判定する手段、
所定範囲内でない場合には路面のすべり摩擦係数が所定範囲内となるまで凍結防止剤の散布データを再設定し前記雪氷状態予測データを再算出して所定範囲内となる凍結防止剤の散布データを決定する手段
として機能させるためのプログラム。

【請求項9】
前記雪氷状態予測データは、路面雪氷層中の氷、水及び空気の混合割合である請求項7又は8に記載のプログラム。
産業区分
  • 測定
  • 交通
  • その他通信
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006284361thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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