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電解発光物質を内封するリポソームを用いた迅速高感度アッセイ法 新技術説明会

国内特許コード P09A014610
掲載日 2009年9月11日
出願番号 特願2007-334525
公開番号 特開2009-156691
登録番号 特許第5344450号
出願日 平成19年12月26日(2007.12.26)
公開日 平成21年7月16日(2009.7.16)
登録日 平成25年8月23日(2013.8.23)
発明者
  • 江頭 直義
  • 三苫 好治
出願人
  • 公立大学法人県立広島大学
発明の名称 電解発光物質を内封するリポソームを用いた迅速高感度アッセイ法 新技術説明会
発明の概要

【課題】被検物質を迅速かつ高感度でアッセイするための方法を開発する。
【解決手段】電解発光物質を内封するリポソームの表面上で被検物質もしくは被検物質の一部とそれに特異的に結合する物質とを反応させ、次いで、リポソームに電圧を印加して電解発光強度を測定することを特徴とし、かつリポソームの破壊を伴わない、被検物質の迅速・高感度アッセイ法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


タンパク質の分析は迅速高感度分析方法が望まれている。現在、様々な分析方法があるが、抗体または抗原を酵素で標識化したものを用いるELISA法(Enzyme-linked Immunosorbent Assay)が広く使用されている。一般に、ELISA法の感度は概ねタンパク質0.001~0.1μgといわれており、分析ステップとしては被検物質のタンパク質との抗原抗体反応、二次抗体との抗原抗体反応、酵素反応による発色反応の3ステップから構成されており(例えば、特許文献1および2参照)、リポソームによる感度増幅が知られている(非特許文献1参照)。この手法は2つの抗原抗体反応と1つの酵素反応が必要であるため比較的分析時間が長く、ELISA法より更に短時間で簡便な分析方法が望まれている。



また、最終ステップとして、発色反応の他に蛍光および化学発光があるが、最近では温和な条件での発光が可能である電解発光法が利用されている。電解発光する化学物質としてトリス(2,2’-ビピリジン)ルテニウム錯体を基本構造とするものが最も多く用いられ、タンパク質のアミノ基と結合できる反応活性な側鎖を有するルテニウム錯体も報告されている(非特許文献2参照)。従来のルテニウム錯体を利用した電解発光によるタンパク質の定量はやはり反応時間が長く、感度も十分ではないという問題がある。



さらに、イムノリポソーム内に電解発光物質を内封させたものを利用して、抗原抗体反応した後、該イムノリポソームを破壊し、漏出した電解発光物質を電極上で電解発光することにより高感度を達成している(非特許文献3参照)。しかし、測定操作が多段であり、長時間を要している。また、これまで江頭らによる電解発光とイムノリポソームを組み合わせた手法(特許文献3参照)は、抗原抗体反応の後、イムノリポソームの破壊と破壊によりもれ出たルテニウム錯体の電極への吸着操作を必要としたので長時間を要し、さらに、破壊及び吸着の操作が自動測定の障害となる問題がある。

【特許文献1】特開昭63-502958号公報

【特許文献2】特表2000-509494号公報

【特許文献3】特開平2007-101339号公報

【非特許文献1】Danke Xu, Quan Cheng, J. Am. Chem. Soc., 124, 14314-14315 (2002)

【非特許文献2】Gary F. Blackburn, Haresh P. Shah, John H. Kenten, Jonathan Leland, Ralph A. Kamin, John Link, Jeff Peterman, Michael J. Powell, Arti Shah, David B. Talley, Surendera K. Tyagi, Elizabeth Wilkins, Tai-Guang Wu, and Richard J. Massey, Clin. Chem. 37(9), 1534-1539 (1991)

【非特許文献3】平田 崇、三苫好治、宇田泰三、江頭直義、化学センサ、124, Supplement B,58-60 (2006)

産業上の利用分野


本発明は、微量な被検物質の迅速かつ高感度な分析を可能とする、電解発光物質を内封するリポソームを用いたアッセイ方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記工程:
(i)電解発光物質を内封するリポソームの表面上で被検物質もしくは被検物質の一部とそれに特異的に結合する物質とを反応させ、ここで被検物質もしくは被検物質の一部またはそれに特異的に結合する物質のいずれかがリポソーム表面上に結合されており、次いで、
(ii)該反応が表面上で起こったリポソーム、または該反応が表面上で起こらなかったリポソームに電圧を印加して電解発光強度を測定する
を含み、リポソームの破壊を伴わないことを特徴とする、被検物質のアッセイ方法。

【請求項2】
下記工程:
(a)被検物質もしくは被検物質の一部を表面に有し、電解発光物質を内封するリポソームと、リポソームに結合されていない被検物質とを、固相表面に固定化された被検物質もしくは被検物質の一部と特異的に結合する物質と反応させ、
(c)該固相表面上の被検物質と特異的に結合する物質に結合したリポソームに電圧を印加して電解発光強度を測定する
を含む、被検物質の検出または定量方法であって、リポソームの破壊を行わないことを特徴とする、請求項1記載の方法。

【請求項3】
工程(a)と工程(c)との間に、工程(b):
被検物質と特異的に結合する物質が結合したリポソームを、被検物質と特異的に結合する物質が結合していないリポソームから分離する
を含む、請求項2記載の方法。

【請求項4】
工程(a)において固相が電極であり、工程(c)において電極に電圧を印加することによりリポソームに電圧が印加されることを特徴とする、請求項2または3記載の方法。

【請求項5】
電解発光強度の測定を、金作用電極を用いたチップリーダーにて行う請求項4記載の方法。

【請求項6】
下記工程:
(a’)被検物質と特異的に結合する物質を表面に有し、電解発光物質を内封するリポソームを、固相表面に固定化された被検物質もしくは被検物質の一部および固相表面に固定化されていない被検物質と反応させ、
(c’)該固相表面上の被検物質もしくは被検物質の一部に結合したリポソームに電圧を印加して電解発光強度を測定する
を含む、固相表面に固定化されていない被検物質の検出または定量方法であって、リポソームの破壊を行わないことを特徴とする、請求項1記載の方法。

【請求項7】
工程(a’)と工程(c’)との間に、工程(b’):
固相表面上の被検物質もしくは被検物質の一部に結合したリポソームを、固相表面上の被検物質もしくは被検物質の一部に結合しなかったリポソームから分離する
を含む、請求項6記載の方法。

【請求項8】
工程(a’)において固相が電極であり、工程(c’)において電極に電圧を印加することによりリポソームに電圧が印加されることを特徴とする、請求項6または7記載の方法。

【請求項9】
電解発光強度の測定を、金作用電極を用いたチップリーダーにて行う請求項8記載の方法。

【請求項10】
下記工程:
(d)被検物質と特異的に結合する物質を表面に有し、電解発光物質を内封するリポソームと、被検物質とを反応させ、
(e)被検物質が結合したリポソームを、被検物質が結合していないリポソームから分離し、次いで、
(f)被検物質が結合したリポソームあるいは結合していないリポソームに電圧を印加して電解発光強度を測定する
を含む、被検物質の検出または定量方法であって、リポソームの破壊を行わないことを特徴とする、請求項1記載の方法。

【請求項11】
工程(e)が電気泳動、クロマトグラフィーまたは膜分離を用いて行われる、請求項10記載の方法。

【請求項12】
電解発光物質がルテニウム(II)錯体である請求項1ないし11のいずれか1項記載の方法。

【請求項13】
ルテニウム(II)錯体がトリス(2,2’-ビピリジン)ルテニウム(II)錯体であって、ピリジン部分がヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基を有する側鎖を1~6個有していてもよいものである、請求項12記載の方法。

【請求項14】
ルテニウム(II)錯体が、トリス(2,2’-ビピリジン)ルテニウム(II)錯体、ビス(2,2’-ビピリジン)-{4,4’-ビス[フタルイミノブチル]-2,2’-ビピリジン}ルテニウム(II)錯体、ビス(2,2’-ビピリジン)-[4,4’-ビス(4-アミノブチル)-2,2’-ビピリジン]ルテニウム(II)錯体、ビス(2,2’-ビピリジン)-(4-アミノブチル-4’-メチル-2,2’-ビピリジン)ルテニウム(II)錯体、またはビス(2,2’-ビピリジン)-[2,2’-ビス(4-メルカプトブチル)-2,2’-ビピリジン]ルテニウム(II)錯体である、請求項13記載の方法。

【請求項15】
被検物質と被検物質と特異的に結合する物質との反応が、抗原抗体反応であるか、あるいはリガンドと受容体の反応である、請求項1ないし14のいずれか1項記載の方法。

【請求項16】
請求項1ないし15のいずれか1項記載の方法による被検物質の検出または定量に用いられる、請求項12ないし14のいずれか1項記載の電解発光物質を内封したリポソーム試薬であって、電解発光反応に際して破壊する必要のないリポソーム試薬。

【請求項17】
請求項1ないし15のいずれか1項記載の方法による被検物質の検出または定量に用いられる、請求項12ないし14のいずれか1項記載の電解発光物質を内封したリポソーム試薬を必須成分として含むアッセイキットであって、電解発光反応に際してリポソームを破壊しないことを特徴とするアッセイキット。
産業区分
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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