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核酸切断剤 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P09A014614
整理番号 1237
掲載日 2009年9月11日
出願番号 特願2008-542543
公表番号 特表2009-528816
登録番号 特許第5156953号
出願日 平成19年3月7日(2007.3.7)
公表日 平成21年8月13日(2009.8.13)
登録日 平成24年12月21日(2012.12.21)
国際出願番号 JP2007055016
国際公開番号 WO2007102618
国際出願日 平成19年3月7日(2007.3.7)
国際公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
優先権データ
  • 特願2006-063061 (2006.3.8) JP
発明者
  • 世良 貴史
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 核酸切断剤 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

巨大なDNAなどの核酸に存在する所望の切断部位に対して特異的な切断活性を有する核酸切断剤であって、(1)核酸切断部、及び(2)該核酸切断部に結合した少なくとも2個のジンクフィンガータンパク質を含み、該ジンクフィンガータンパク質のうち少なくとも1個のジンクフィンガータンパク質が標的切断部位の上流に位置する塩基配列に対して特異的に結合することができ、残りのジンクフィンガータンパク質のうち少なくとも1個のジンクフィンガータンパク質が標的切断部位の下流に位置する塩基配列に対して特異的に結合することができる核酸切断剤。

従来技術、競合技術の概要


制限酵素の発見により組換えDNA工学による遺伝子クローニングが可能になった。遺伝子工学は様々な産業や研究のめざましい発展をもたらしている。特定塩基配列を選択的に切断できる種々の制限酵素が知られている。これらの酵素は遺伝子工学に不可欠なツールであり遺伝子構造などの解析に広く用いられている。



従来、制限酵素としては天然由来の制限酵素のみが用いられているが、天然由来の制限酵素を用いた遺伝子組み換え操作はプラスミドのように小さなDNAを対象とするものに限定されている。しかしながら、多くのDNAはプラスミドよりもはるかに巨大であり、従来入手可能な制限酵素を用いて処理を行うと極めて多数の箇所で切断されてフラグメント化してしまい、目的の遺伝子組み換え操作ができなくなる。この理由から、巨大なDNAを自在に操作する手段の提供が求めれている。とりわけ、巨大DNA分子中の特定塩基配列を選択的に切断することができる制限酵素の提供が求められている。



例えば、特開2005-143484号公報には、2本のペプチド核酸(PNA)をDNAに侵入させてDNA中の所望の位置のリン酸ジエステル結合を活性化し、その後、Ce(IV)/EDTA錯体を加えて活性部位(ホット・スポット)選択的に核酸を切断する方法が開示されている。この方法では、ホット・スポットの形成に用いるPNAの配列や長さに制限がないことから、いかなる大きさのDNAも所望の部位で正確に切断できるとされる。しかしながら、細胞内で所望の切断を行った実例は示されていない。



ジンクフィンガータンパク質(Zinc-Finger-Protein: ZEP)などのDNA結合タンパク質に核酸切断活性を有する酵素や酵素活性部位を結合した融合タンパク質が知られている。例えば、キムらはジンクフィンガータンパク質を制限酵素FokIの触媒活性部位に結合した融合タンパク質を提案している(Kim, Y., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93, pp.1156-1160, 1996)。ビビコヴァらはキメラ・ジンクフィンガー・ヌクレアーゼ(ZFN)を用いたカエル、ショウジョウバエ、及びヒト細胞の相同組換えを報告している(Bibikova M., et al., Science, 300, p.764, 2003)。ZFNでは、ジンクフィンガードメインを異なる特異性を有する他のドメインと交換することにより異なる標的部位を切断するようにできる。理想的には、このヌクレアーゼはゲノム上の任意の配列を標的として設計することができる(Nature Methods 2, 405 (2005), doi:10.1038/nmeth0605-405)。



もっとも、このZFNを用いて核酸を切断するためには2分子のZFNが協調して作用することが必要である。すなわち、2分子のZFNがDNA上の所望の部位の両側に結合して2本鎖DNAに切り込みが入ると、その後、染色体とドナーDNA分子との間で相同組換えが生じて所望の塩基配列に置き換わる。それゆえ、例えばDNA鎖の長い領域を除去して遺伝子治療を行う場合などは、2箇所の切断部位のそれぞれについて2分子ずつのZFNを用いて相同組換えを行わなければならないという問題がある。このZFN分子はジンクフィンガータンパク質(3、4、又は6個のジンクフィンガードメインを有するジンクフィンガータンパク質を含む)の末端に酵素切断部位を結合した構造を有している。この分子は核酸を切断した後にも標的部位に対する親和性が低下せず、核酸に結合したまま残る。従って、結合に続く切断とその後の解離及び再結合のサイクルを繰り返して切断作用を触媒的に発揮することができない。

産業上の利用分野


本発明は核酸切断剤に関する。より具体的には、ゲノム上の特定の塩基配列を認識して部位特異的にゲノムを切断することができる核酸切断剤に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】核酸中の標的切断部位を特異的に切断可能な核酸切断剤であって、(1)核酸切断部、及び(2)該核酸切断部に結合した少なくとも2個のジンクフィンガータンパク質を含み、該ジンクフィンガータンパク質のうち少なくとも1個のジンクフィンガータンパク質が標的切断部位の上流に位置する塩基配列に対して特異的に結合することができ、残りのジンクフィンガータンパク質のうち少なくとも1個のジンクフィンガータンパク質が標的切断部位の下流に位置する塩基配列に対して特異的に結合することができ、かつ上記の各ジンクフィンガータンパク質が該核酸切断部に独立にペプチドリンカーを介して結合しており、上記ペプチドリンカーが独立に5個~50個のアミノ酸残基を含むオリゴペプチドリンカーである核酸切断剤。
【請求項2】2個のジンクフィンガータンパク質が該核酸切断部に結合した請求項1に記載の核酸切断剤。
【請求項3】上記の2個のジンクフィンガータンパク質に含まれるジンクフィンガードメインの総数が4~8個である請求項2に記載の核酸切断剤。
【請求項4】それぞれのジンクフィンガータンパク質に含まれるジンクフィンガードメインが4個以下である請求項2に記載の核酸切断剤。
【請求項5】それぞれのジンクフィンガータンパク質に含まれるジンクフィンガードメインが3個である請求項2に記載の核酸切断剤。
【請求項6】核酸がDNA又はRNAである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の核酸切断剤。
【請求項7】核酸切断部が核酸切断酵素若しくはその核酸切断ドメイン、核酸切断活性を有する金属錯体、又は金属の配位により核酸切断活性を有する有機配位子である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の核酸切断剤。
【請求項8】核酸切断部がスタフィロコッカルヌクレアーゼ(SNase)、その核酸切断ドメイン、又は核酸切断活性を有するスタフィロコッカルヌクレアーゼ改変タンパク質である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の核酸切断剤。
【請求項9】請求項1ないし8のいずれか1項に記載の核酸切断剤をコードする核酸配列を含む単離された核酸。
【請求項10】核酸がDNA又はRNAである請求項9に記載の核酸。
【請求項11】請求項9又は10に記載の核酸を含む組換え発現ベクター。
【請求項12】請求項11に記載の組換え発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項13】核酸切断剤の製造方法であって、(a)該切断剤を発現する時間及び条件下で請求項12に記載の宿主細胞を培養する工程、及び(b)該切断剤を回収する工程を含む方法。
【請求項14】核酸を部位特異的に切断する方法であって、(a)標的切断部位を有する核酸と、該部位に特異的な請求項1ないし8のいずれか1項に記載の核酸切断剤とを該部位の切断する時間及び条件下で反応させる工程を含む方法。
【請求項15】上記切断が触媒的に進行する請求項14に記載の方法。
【請求項16】外標的切断部位がゲノムDNA上の唯一の部位である請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】所望のDNA領域を置き換えるための細胞内インビボ相同組換え方法であって、(a)該領域内又は近傍に標的切断部位を有するDNAと、該部位に特異的な請求項1ないし8のいずれか1項に記載の核酸切断剤とを該部位においてDNAに切れ込みを導入する時間及び条件下で反応させる工程;(b)該部位又はその周囲における該領域と相同な配列を含むDNAフラグメントを該細胞内に導入する工程;及び(c)相同組換えを達成する工程を含む方法(ただしヒト生体内において細胞内インビボ相同組換えを行う場合を除く)
【請求項18】該DNAフラグメントの導入前に該核酸切断剤が該細胞内に存在する請求項17に記載の方法。
【請求項19】該核酸切断剤及び該DNAフラグメントが同時に該細胞内に導入される請求項17に記載の方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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