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光伝送体及びその製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P09P006174
整理番号 BE064P01
掲載日 2009年9月18日
出願番号 特願2008-052028
公開番号 特開2009-210706
登録番号 特許第4639386号
出願日 平成20年3月3日(2008.3.3)
公開日 平成21年9月17日(2009.9.17)
登録日 平成22年12月10日(2010.12.10)
発明者
  • 小池 康博
  • 近藤 篤志
  • 山木 泰
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 光伝送体及びその製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】耐熱性に優れたGI型のプラスチック光ファイバを製造する。
【解決手段】光ファイバ11は、断面円形のコア12とこのコア12の外周にクラッド13とを備える。クラッド13はポリメチルメタクリレート(PMMA)等の有機ポリマーからなる。コア12のマトリックス用のポリマーとしてはPMMAを用いる。そして、コア11は、PMMAの他に、PMMAよりも屈折率が高いドーパントを含む。ドーパントとしては、ジベンゾチオフェン(DBT)と9-ブロモフェナントレン(BPT)との少なくともいずれか一方を用いる。ドーパントの含有率が、プリフォームのコア部材の断面円形の中央部から外周へと連続的に小さくなるように円柱状のプリフォームをつくり、このプリフォームを長手方向に延伸すると光ファイバ11となる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


広く用いられている光伝送体としては、レンズや導波路、最近では光ファイバがある。そして、このような光伝送体には、軽量化を図る目的や可撓性をもたせる目的から、無機材料に代わって様々な有機ポリマーが用いられてきている。そして、光伝送体では、屈折率をある方向で連続的に変化させていることにより、すなわち屈折率分布が連続的であることにより、入射した光を所定の向きに案内して射出する。そして、連続的な屈折率分布を発現させるために、様々な光伝送体製造方法が提案されている。



例えば、プラスチック光ファイバのうちグレイデッドインデックス(GI)型のものとしては、大きくふたつの方法がある。一方はいわゆるドーパントタイプの光ファイバであり、他方はいわゆる共重合タイプの光ファイバである。前者は、クラッドに覆われたコアにおいては、マトリックス用のポリマーと反応しないすなわち非反応性の低分子(分子量が2000以下である)物質と、マトリックス用のポリマーとを混ぜ、低分子物質をポリマー中で拡散させることにより、ポリマーにおける低分子物質の濃度に勾配がつけられた光ファイバであり、この濃度勾配により屈折率分布が発現している(例えば、特許文献1参照)。低分子物質としてポリマーよりも高い屈折率のものが用いられ、ここで用いる低分子物質は屈折率上昇剤(ドーパント)と称されることがある。後者は、互いに異なる2種類のモノマーが共重合されたものであり、両モノマーの反応性比の違いを利用してモノマーの濃度に勾配をつけることにより、屈折率分布が発現されている(例えば、特許文献2,3参照)。



透明性の観点からドーパントタイプと共重合タイプとの光ファイバを比較すると、一般にはドーパントタイプの光ファイバの方が優れる。これは、共重合タイプの光ファイバの場合には、屈折率分布を形成する際に、屈折率以外の光学的性質が不均一となりやすいからである。このために、GI型プラスチック光ファイバとしてはドーパントタイプがより好ましいといえる。



しかし、ドーパントタイプの光ファイバ、例えば特許文献1記載の光ファイバにも課題がある。この課題とは、すなわち、耐熱性である。この耐熱性に関する問題とは、ドーパントタイプの光ファイバを高温下で連続的に使用あるいは断続的に繰り返し使用すると、ドーパントが光ファイバ内で移動して、ドーパントの濃度勾配が緩くなり、このために伝送特性が徐々に悪くなってしまうという問題である。これは、ドーパントをポリマー中に添加すると、ドーパントが可塑剤として働き、この可塑作用によりポリマーのガラス転移温度が低下するからである。例えば、従来のプラスチック光ファイバに多く用いられているPMMA(ポリメチルメタクリレート)のガラス転移温度は105℃であるが、ドーパントを添加した場合には、ドーパントの種類と添加量とに応じてガラス転移温度が低下してしまう。



ドーパントタイプのプラスチック光ファイバにつき耐熱性を向上するには、(1)マトリックス用のポリマーのガラス転移温度を低下させない、あるいは低下させる程度がより小さい化合物をドーパントとして用いる方法と、(2)ドーパントを加えてもガラス転移温度が低下しない、あるいは低下しにくいポリマーをコアのマトリックス用として用いる方法とが考えられる。しかしながら、(2)における上記性質をもつポリマーは、ドーパントとの相溶性が悪いために、これをコアのマトリックスとするとドーパントが光の散乱源となり、光散乱損失が大きくなってしまう。そこで、(2)よりも(1)の方法の方が好ましいと言える。



ところで、プラスチック光ファイバの耐熱性に関する基準としては、Telcordia基準がある。この基準によると、屋外用途のプラスチック光ファイバには、85℃168時間の環境下での連続試験の後の伝送損失が試験前に比べて伝送損失が大きくなっていないことが求められる。



そこで、この基準を達成すべく、コアのマトリックス用ポリマーとして、主鎖に管状構造をもつポリオレフィンを用いたプラスチック光ファイバが提案されている(特許文献4参照)。また、コアに含有させるドーパントとして、所定の化学構造をもつ含硫環状化合物を用いたプラスチック光ファイバが提案されている(特許文献5参照)。
【特許文献1】
特許第3332922号明細書
【特許文献2】
特開平5-173025号公報
【特許文献3】
特開平5-173026号公報
【特許文献4】
特開平11-142658号公報
【特許文献5】
特開2002-053576号公報

産業上の利用分野

本発明は、光伝送体及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
マトリックス用のポリマーにドーパントが含まれ光を伝送するコアと、このコアの外周に備えられ屈折率が前記コアの屈折率以下であるクラッドとを有し、前記ドーパントは、前記ポリマーに対して非反応性を有する低分子物質であって前記コアの外周に向かうに従い濃度が連続的に低くされている光伝送体において、
前記ポリマーはポリメチルメタクリレートであり、
前記ドーパントはジベンゾチオフェンと9-ブロモフェナントレンとの少なくともいずれか一方であることを特徴とする光伝送体。

【請求項2】
前記コアは断面円形の線状部材であり、前記光伝送体は光ファイバであることを特徴とする請求項1記載の光伝送体。

【請求項3】
光を伝送するコアと、屈折率が前記コアの屈折率以下であり前記コアの外周に配されるクラッドとを有する光伝送体の製造方法において、
管形状の前記クラッドの中空部に、ドーパントとメチルメタクリレートとを入れ、前記メチルメタクリレートを重合させることにより前記コアを形成し、
前記ドーパントはジベンゾチオフェンと9-ブロモフェナントレンとの少なくともいずれか一方であることを特徴とする光伝送体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008052028thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO/SORST Fiber to the Disprayのためのフォトニクスポリマー 領域
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