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電子透かし埋込装置及び電子透かし検出装置、並びに電子透かし埋込方法及び電子透かし検出方法 新技術説明会

国内特許コード P09P006639
掲載日 2009年9月18日
出願番号 特願2008-053918
公開番号 特開2009-210828
登録番号 特許第5004094号
出願日 平成20年3月4日(2008.3.4)
公開日 平成21年9月17日(2009.9.17)
登録日 平成24年6月1日(2012.6.1)
発明者
  • 鵜木 祐史
  • 浜田 大樹
出願人
  • 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
発明の名称 電子透かし埋込装置及び電子透かし検出装置、並びに電子透かし埋込方法及び電子透かし検出方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】 高い知覚不可能性、秘匿性、及び頑健性を実現することができる電子透かし埋込装置及び電子透かし検出装置、並びに電子透かし埋込方法及び電子透かし検出方法を提供する。
【解決手段】
電子透かし埋込装置1は、蝸牛遅延特性を模擬した蝸牛遅延フィルタ102a及び102bを用いて、デジタルデータである音響信号に位相変調を施す位相変調手段と、位相変調が施された音響信号に、電子透かしデータを埋め込む電子透かし埋込手段103とを備える。また、電子透かし検出装置2は、原信号である音響信号と透かし入り音響信号の位相スペクトルとの位相差を検出する位相差検出手段202を備え、当該位相差に基づいて、音響信号に埋め込まれた電子透かしデータを検出する。
【選択図】 図3

従来技術、競合技術の概要


近年では、インターネット等の通信ネットワークの普及に伴い、デジタル音楽コンテンツの配信サービス等が提供されるようになっている。しかしながら、デジタル音楽コンテンツの場合、音質をほとんど劣化することなく複製することが可能であるため、違法コピーが横行し、社会問題となっている。そこで、デジタル音楽コンテンツの著作権を保護するための技術として、著作権情報またはシリアルナンバー等の付加情報(電子透かしデータ)を音響信号に埋め込むことにより、違法コピー等の防止及び追跡等を図ることができる電子音響透かし技術が注目されている。



電子音響透かし技術としては、例えば、(1)エコーハイディング法(非特許文献1を参照)、(2)周期的位相変調法(非特許文献2及び特許文献1を参照)等が提案されている。これらは何れも、聴覚の特性、特にマスキング特性を利用したものである。より具体的には、(1)エコーハイディング法が、一つの音源信号とその反射音(エコー信号)との時間差に電子透かしデータを埋め込む技術であるのに対し、(2)周期的位相変調法は、人間が緩やかな位相変調に鈍感であるという特性を利用して、周期的な位相変化に電子透かしデータを埋め込む技術である。



ところで、人間の聴覚が備える特性の一つに、蝸牛遅延特性と呼ばれるものがある。音信号が蝸牛内(前庭階及び鼓室階にある非圧縮性のリンパ液内)を伝搬するときに、それらの二つの階の間の圧力差によって生じる蝸牛の基底膜の振動には、信号の周波数に依存して、多少の時間差がみられる。この現象が蝸牛遅延であり、音信号の周波数が低いほど遅延が長くなることが知られている。



非特許文献3においては、上記の蝸牛遅延と音の同時性判断との間にどのような関係があるのかが検討されている。具体的には、(a)通常(蝸牛遅延操作なし)の調波複合音、(b)蝸牛の基底膜上において蝸牛遅延を打ち消すような群遅延を与えた調波複合音、(c)蝸牛遅延を増長するような群遅延を与えた調波複合音の三つの複合音を用いて聴覚心理物理実験を行い、その実験結果に基づいて、蝸牛遅延が音の同時性判断にどのような影響を与えるのかが検討されている。この非特許文献3では、複合音(b)よりも、複合音(c)を用いた場合の方が、複合音(a)と同等の同時性判断を示すことが明らかにされている。

【非特許文献1】Daniel Gruhl, Anthony Lu Walter Bender, “Echo Hiding,”Proc. Information Hiding 1st Workshop, pp.295-315, Cambridge Univ., 1996

【非特許文献2】西村竜一、鈴木陽一、「周期的位相変調に基づく音響電子透かし」、日本音響学会誌、vol.60、no.5、pp.269-272、2004

【非特許文献3】E. Aiba, S. Tanaka, M. Tsuzaki, and M. Unoki, “Judgment of perceptual synchrony between two pulses and its relation to the cochlear delays,” Proc. Fechner day 2007, 211-214, 2007

【特許文献1】特許第3627022号

産業上の利用分野


本発明は、デジタルデータである音響信号に電子透かしを埋め込む電子透かし埋込装置及びその埋め込まれた電子透かしを検出する電子透かし検出装置、並びに電子透かし埋込方法及び電子透かし検出方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
全域通過フィルタにより構成され、蝸牛遅延特性を模擬した蝸牛遅延フィルタと、
前記蝸牛遅延フィルタを用いて、デジタルデータである音響信号に対して蝸牛遅延を与えることによって、電子透かしデータを前記音響信号に埋め込む電子透かし埋込手段と
を備える、電子透かし埋込装置。

【請求項2】
前記蝸牛遅延フィルタは、1次の無限インパルス応答型全域通過フィルタにより構成されている、請求項1に記載の電子透かし埋込装置。

【請求項3】
複数の異なる蝸牛遅延フィルタを備えており、
前記電子透かし埋込手段は、
前記複数の異なる蝸牛遅延フィルタのそれぞれを用いて、デジタルデータである音響信号に対して蝸牛遅延を与えることによって、複数の異なる蝸牛遅延が与えられた音響信号を生成する第1音響信号生成手段と、
電子透かしデータに応じて、前記第1音響信号生成手段によって生成された複数の音響信号の中から一の音響信号を選択し、選択した音響信号同士を接合することによって、電子透かしデータが埋め込まれた音響信号を生成する第2音響信号生成手段と
を具備する、請求項1または請求項2に記載の電子透かし埋込装置。

【請求項4】
前記複数の異なる蝸牛遅延フィルタのそれぞれは、人間の聴覚に生じる蝸牛遅延の0倍乃至1/2倍の蝸牛遅延を音響信号に付与するように構成されており、そのうちの少なくとも一つの蝸牛遅延フィルタが人間の聴覚に生じる蝸牛遅延の0倍よりも大きな蝸牛遅延を与えるように構成されている、
請求項3に記載の電子透かし埋込装置。

【請求項5】
前記第2音響信号生成手段は、前記選択した音響信号同士を荷重和することにより、当該音響信号同士を接合するように構成されている、請求項3または請求項4に記載の電子透かし埋込装置。

【請求項6】
デジタルデータである音響信号に対して請求項1乃至請求項5の何れかに記載の電子透かし埋込装置によって電子透かしデータが埋め込まれた場合に、電子透かしデータが埋め込まれる前の音響信号と埋め込まれた後の音響信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
当該位相差検出手段によって検出された位相差に基づいて、音響信号に埋め込まれた前記電子透かしデータを検出する電子透かし検出手段と
を備える、電子透かし検出装置。

【請求項7】
デジタルデータである音響信号に対して請求項3乃至請求項5の何れかに記載の電子透かし埋込装置によって電子透かしデータが埋め込まれた場合に、電子透かしデータが埋め込まれる前の音響信号と埋め込まれた後の音響信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
当該位相差検出手段によって検出された位相差に基づいて、電子透かしデータが埋め込まれた音響信号が、前記複数の異なる蝸牛遅延フィルタのうちの何れの蝸牛遅延フィルタによって蝸牛遅延が与えられた音響信号であるのかを判別する判別手段と、
前記判別手段による判別結果に基づいて、音響信号に埋め込まれた前記電子透かしデータを検出する電子透かし検出手段と
を備える、電子透かし検出装置。

【請求項8】
全域通過フィルタにより構成され、蝸牛遅延特性を模擬した蝸牛遅延フィルタを用いて、デジタルデータである音響信号に対して蝸牛遅延を与えることによって、電子透かしデータを前記音響信号に埋め込む、電子透かし埋込方法。

【請求項9】
デジタルデータである音響信号に対して請求項8に記載の電子透かし埋込方法によって電子透かしデータが埋め込まれた場合に、電子透かしデータが埋め込まれる前の音響信号と埋め込まれた後の音響信号との位相差を検出するステップと、
前記検出された位相差に基づいて、音響信号に埋め込まれた前記電子透かしデータを検出するステップと
を有する、電子透かし検出方法。
産業区分
  • 電子応用機器
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2008053918thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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