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残響時間推定装置及び残響時間推定方法 新技術説明会

国内特許コード P09P006800
掲載日 2009年9月18日
出願番号 特願2008-095540
公開番号 特開2009-211021
登録番号 特許第5077847号
出願日 平成20年3月4日(2008.3.4)
公開日 平成21年9月17日(2009.9.17)
登録日 平成24年9月7日(2012.9.7)
発明者
  • 鵜木 祐史
  • 平松 壮太
出願人
  • 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
発明の名称 残響時間推定装置及び残響時間推定方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】 系の伝達特性を測定することなく、正確な残響時間を推定することができる残響時間推定装置及び残響時間推定方法を提供する。
【解決手段】 残響時間推定装置1は、残響が付加された時系列の音響信号に基づいて、前記音響信号に対応する時系列のパワーエンベロープを生成するパワーエンベロープ生成部41と、前記パワーエンベロープ生成部41によって生成されたパワーエンベロープに基づいて、周波数系列の変調スペクトルを生成する正規化変調スペクトル生成部44と、前記正規化変調スペクトル生成部44によって生成された変調スペクトルに基づいて、前記音響信号が観測された系の残響特性に関する伝達関数に対応する残響時間を推定する演算回路5とを備える。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

音響の残響時間は、室の残響特性を知る上で欠かせないパラメータである。残響時間は、近年では音響信号に対するFo推定、音声認識、原音信号の回復等に利用されている。かかる残響時間を求めるためには、従来、室の伝達特性を測定する必要があり、この伝達特性の測定には、音源、室内の人や物の状況、室内の静寂性等の多くの制約が存在する。また、従来の残響時間の測定には比較的長時間を必要とするため、刻々と残響特性が変化する環境の場合には測定が不可能な場合もあった。このような観点から、残響時間のリアルタイム測定が可能な手法の開発が望まれている。


残響時間をリアルタイムに求めるためには、系の伝達特性を測定することなく、観測された音響信号のみから残響時間を推定することができるブラインド推定を行うことが必要である。ここで「系」とは、種々の事象の解析のために想定された空間のことをいう。非特許文献1には、残響の影響を受けた音響信号のパワーエンベロープから、元の音源信号のパワーエンベロープを回復する回復方法が開示されている。この非特許文献1に開示されている回復方法では、室内に伝送される音響のパワーエンベロープの入出力の関係(時間領域では畳込み,周波数領域では積)、すなわち変調度を、変調周波数を変数とした関数として表した変調伝達関数を利用している。更に詳しく説明すると、観測した音響信号のパワーエンベロープに、系の変調伝達関数の逆関数(逆フィルタ)を適用することで、元音響(残響が付加されていない音源からの音響)のパワーエンベロープを回復する。そして、非特許文献1では、残響が付加された音響信号のパワーエンベロープが、逆フィルタにより元音響のパワーエンベロープと同じ形状に回復されるときに、逆フィルタの残響時間パラメータが系の残響時間と等しい値となることを前提として、逆フィルタを算出する処理で求められる逆フィルタの残響時間パラメータを、残響時間として推定することが開示されている。
【非特許文献1】
古川、鵜木、赤木、「MTFに基づいた残響音声パワーエンベロープの回復方法」、信学技報、社団法人電子情報通信学会、平成14年4月、EA2002-15、SP2002-15、p.49-54

産業上の利用分野

本発明は、系の残響時間を推定する残響時間推定装置及びその方法に関し、特に、時系列の音響信号から求められた周波数系列の変調スペクトルにより、原音信号を用いずに残響時間をブラインド推定する残響時間推定装置及びその方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 残響が付加された時系列の音響信号に基づいて、前記音響信号に対応する時系列のパワーエンベロープを生成するパワーエンベロープ生成手段と、
前記パワーエンベロープ生成手段によって生成されたパワーエンベロープに基づいて、周波数系列の変調スペクトルを生成する変調スペクトル生成手段と、
前記変調スペクトル生成手段によって生成された変調スペクトルに基づいて、前記音響信号が観測された系の残響特性に関する伝達関数に対応する残響時間を推定する残響時間推定手段と
を備える、残響時間推定装置。
【請求項2】 前記周波数系列の変調スペクトルにおいて周辺の周波数領域よりも大きい変調スペクトルを示す主要変調周波数を特定する主要変調周波数特定手段を更に備え、
前記残響時間推定手段は、前記周波数系列の前記変調スペクトルに前記伝達関数の逆伝達関数を適用したときに、適用後の前記主要変調周波数における変調スペクトルが、残響が付加されていない原音を示す時系列の原音信号に対応する周波数系列の変調スペクトルの前記主要変調周波数における変調スペクトルと略一致するような前記伝達関数に対応する残響時間を推定するように構成されている、請求項1に記載の残響時間推定装置。
【請求項3】 前記主要変調周波数特定手段は、前記パワーエンベロープに対する自己相関関数を求め、前記自己相関関数がピークを示す時間シフト量の逆数を前記主要変調周波数として特定するように構成されている請求項2に記載の残響時間推定装置。
【請求項4】 前記パワーエンベロープ生成手段によって生成されたパワーエンベロープに対して適用されるローパスフィルタを更に備え、
前記主要変調周波数特定手段は、前記ローパスフィルタから出力されたパワーエンベロープに基づいて、前記主要変調周波数を特定するように構成されている請求項2又は3に記載の残響時間推定装置。
【請求項5】 前記音響信号を複数チャンネルに帯域分割する帯域分割手段と、
前記帯域分割手段によって帯域分割された各チャンネルから、残響時間推定に用いるチャンネルを決定するチャンネル決定手段とを更に備える、請求項1乃至4の何れかに記載の残響時間推定装置。
【請求項6】 前記パワーエンベロープ生成手段は、前記帯域分割手段によって帯域分割された各チャンネルについて、パワーエンベロープを生成するように構成されており、
前記パワーエンベロープ生成手段によって生成されたパワーエンベロープの中で、所定の基準値を越える高レベル部を検出する高レベル部検出手段を更に備え、
前記チャンネル決定手段は、前記高レベル部検出手段によって検出された高レベル部に基づいて、残響時間推定に用いるチャンネルを決定するように構成されている、請求項5に記載の残響時間推定装置。
【請求項7】 前記チャンネル決定手段は、前記高レベル部検出手段によって検出された2つの高レベル部の間に、微小なピークが存在するか否かを判定し、微小なピークが存在する場合には、当該チャンネルを推定に用いるチャンネルから除外するように構成されている、請求項6に記載の残響時間推定装置。
【請求項8】 前記チャンネル決定手段は、前記高レベル部検出手段によって検出された高レベル部の中に谷が存在するか否かを判定し、谷が存在する場合には、当該チャンネルを推定に用いるチャンネルから除外するように構成されている、請求項6又は7に記載の残響時間推定装置。
【請求項9】 残響が付加された時系列の音響信号に基づいて、前記音響信号に対応する時系列のパワーエンベロープを生成するステップと、
生成されたパワーエンベロープに基づいて、周波数系列の変調スペクトルを生成するステップと、
生成された変調スペクトルに基づいて、前記音響信号が観測された系の残響特性に関する伝達関数に対応する残響時間を推定するステップと
を備える、残響時間推定方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2008095540thum.jpg
出願権利状態 登録
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