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反射防止構造体及びその製造方法並びに光学部材の製造方法

国内特許コード P09A014640
掲載日 2009年10月1日
出願番号 特願2007-208624
公開番号 特開2008-233850
登録番号 特許第4550089号
出願日 平成19年8月9日(2007.8.9)
公開日 平成20年10月2日(2008.10.2)
登録日 平成22年7月16日(2010.7.16)
優先権データ
  • 特願2006-217577 (2006.8.9) JP
  • 特願2007-039340 (2007.2.20) JP
発明者
  • 谷口 淳
出願人
  • 学校法人東京理科大学
発明の名称 反射防止構造体及びその製造方法並びに光学部材の製造方法
発明の概要

【課題】製造が容易であり、無反射に近い反射防止効果を発揮することができ、石英ガラス等の融点が高い部材に対しても転写により微細構造を付与することもできる反射防止構造体等を提供する。
【解決手段】ガラス状炭素の基材からなり、該基材の表面に、先端に向けて縮径する形状を有する微細な突起群により反射防止構造が形成されていることを特徴とする反射防止構造体。前記微細な突起は、好ましくはそれぞれ200nm~3000nmの平均高さと、50nm~300nmの平均最大径を有し、50nm~300nmの平均ピッチで形成されている。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


例えば、パソコン、薄型テレビ、携帯端末などのディスプレイとして、ガラスあるいは高分子樹脂からなる透明の基板が使用されている。ディスプレイの表面で光を反射してしまうと表示内容が視認し難くなるため、ディスプレイの表面を構成するガラスあるいは樹脂フィルムは、外光からの反射や迷光をできるだけ防いで、コントラストをよくすることが望まれている。また、メガネレンズなどの他の光学部材についても表面の反射を防止することが望まれている。



ディスプレイやレンズなどの表面反射を防ぐ場合、一般的には真空蒸着により複数回のコーティングを行い、その屈折率差により反射率を減衰させる方法が採用されている。しかし、この方法では、個々の部材に対して複数回のコーティングを行う必要があるため面倒であるほか、コーティングが剥離してしまうといった問題もある。



反射を防止する他の方法として、基板の表面に微細な構造を形成させる方法が知られている。このような微細構造を形成する方法として、例えば、石英ガラス等の基板の表面にフォトリソグラフィ、電子ビーム等によってパターニングする方法があるが、この場合、作業が複雑であり、大面積の表面に微細構造を形成することが難しい。
また、例えば、石英ガラス基板などの光学部材上にAl等の微粒子を付着させ、この粒子をマスクとしてドライエッチングを施すことにより基板の表面に微細な針状構造を形成する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この方法では、基板ごとに、マスクとなる材料をスパッタリングにより微粒子として付着させた後、ドライエッチングを行うため、やはり生産性が低いほか、大面積の基板に反射防止構造を形成することは難しい。



大面積の光学部材の表面に対しても反射防止構造を形成する方法として、表面に微細な構造が形成された型を作製し、この型の微細構造を光学部材に転写させて反射防止構造を形成する方法が提案されている。例えば、シリコンウエハなどの基板上に真空蒸着によりCr等の核を島状に形成した後、この核の上にCVD法等によりシリコン等の針状結晶を成長させて型を作製する。そして、この型を用いて樹脂やガラスの光学部材に反射防止構造を形成する方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかし、上記のような方法では、型を製造する際、少なくとも核の形成と針状結晶の成長が必要であるため、工程が複雑となる。また、製造した型は、樹脂からなる部材に対しては成型を繰り返すことが可能であるとしても、石英ガラスなどの融点が高い部材に対しては繰り返して使用することができない。



一方、ICPプラズマによりガラス状炭素基材の表面に柱状体からなる微細構造を形成し、これを型として別の部材に反射防止構造を形成する方法が提案されている(特許文献3参照)。
このような方法によれば、比較的簡単に微細構造を形成することができ、また、型となるガラス状炭素は融点が非常に高く、機械的強度も比較的高いため、石英ガラス等の相手部材に対して微細構造を転写することが可能となる。



しかし、上記のような柱状体からなる微細構造では反射防止効果が十分でなく、反射防止効果がより高いものが望ましい。




【特許文献1】特開2005-99707号公報

【特許文献2】特開2006-130841号公報

【特許文献3】特開2004-137105号公報

産業上の利用分野


本発明は、主に石英ガラスのように融点の高い基板等に対しても反射防止構造を転写することが可能な反射防止構造体及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ガラス状炭素の基材の表面に、その根元から先端に向けて縮径し、先端が先鋭化した針状又は錐状の形状を有する前記ガラス状炭素の微細な突起群により反射防止構造が形成されており、前記微細な突起の先端部の角度が、37.8°より小さい範囲にあることを特徴とする反射防止構造体。

【請求項2】
前記微細な突起の平均高さが、200nm~3000nmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止構造体。

【請求項3】
前記微細な突起の平均ピッチが、50nm~300nmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反射防止構造体。

【請求項4】
前記微細な突起の平均最大径が、50nm~300nmの範囲内であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の反射防止構造体。

【請求項5】
前記基材の表面に、前記反射防止構造を構成する微細な突起の5倍以上の幅と高さを有し、先端に向けて縮径する形状を有する大型の突起が点在していることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか一項に記載の反射防止構造体。

【請求項6】
前記請求項1~請求項のいずれか一項に記載の反射防止構造体を製造する方法であって、ガラス状炭素からなる基材を用い、該基材をECR型のイオンビーム加工装置に設置し、前記基材に対して酸素を含むガスを用いてイオンビーム加工を施すことにより該基材の表面に、その根元から先端に向けて縮径し、先端が先鋭化した針状又は錐状の形状を有する前記ガラス状炭素の微細な突起群からなる反射防止構造を形成する工程を含むことを特徴とする反射防止構造体の製造方法。

【請求項7】
前記ガラス状炭素からなる基材として、前記イオンビーム加工を施す面が研磨されているものを用いることを特徴とする請求項に記載の反射防止構造体の製造方法。

【請求項8】
前記ガラス状炭素からなる基材にイオンビーム加工を施す際、加速電圧、加工時間及びガス流量の少なくともいずれか1つを制御することにより、前記基材の表面に形成する微細な突起の形状及びピッチを制御することを特徴とする請求項又は請求項に記載の反射防止構造体の製造方法。

【請求項9】
前記加速電圧を300V以上、かつ、前記加工時間を18分以上とすることを特徴とする請求項に記載の反射防止構造体の製造方法。

【請求項10】
前記請求項に記載の反射防止構造体を製造する方法であって、前記ガラス状炭素の基材の表面に前記大型の突起を形成するためのマスク材料を点在させて前記イオンビーム加工を施すことを特徴とする請求項~請求項のいずれか一項に記載の反射防止構造体の製造方法。

【請求項11】
表面に反射防止構造を有する光学部材を製造する方法であって、前記請求項1~請求項のいずれか一項に記載の反射防止構造体を用い、該反射防止構造体に形成されている反射防止構造を前記光学部材の表面に転写させる工程を含むことを特徴とする光学部材の製造方法。

【請求項12】
表面に反射防止構造を有する光学部材を製造する方法であって、前記請求項1~請求項のいずれか一項に記載の反射防止構造体にめっき又は金属蒸着膜を施すことにより、該反射防止構造体の反射防止構造が転写された型を作製する工程と、該型を用いて前記光学部材の表面に反射防止構造を転写させる工程を含むことを特徴とする光学部材の製造方法。
産業区分
  • 光学装置
  • その他通信
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007208624thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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