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酸化イットリウム焼結体及び当該焼結体の製造方法

国内特許コード P09A014670
掲載日 2009年10月1日
出願番号 特願2008-021606
公開番号 特開2009-179537
登録番号 特許第5364885号
出願日 平成20年1月31日(2008.1.31)
公開日 平成21年8月13日(2009.8.13)
登録日 平成25年9月20日(2013.9.20)
発明者
  • 曽我 公平
  • 河道 正泰
  • 山本 剛久
  • 吉田 英弘
出願人
  • 学校法人東京理科大学
発明の名称 酸化イットリウム焼結体及び当該焼結体の製造方法
発明の概要

【課題】焼結温度を比較的低温とすることができる一方、緻密な構造であり、かつ焼結体の着色もないので、制約なく種々の用途等に適用することができる亜鉛ドープ酸化イットリウム焼結体及び当該焼結体の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の亜鉛ドープ酸化イットリウム焼結体は、焼結体を構成する無数の酸化イットリウム単結晶体により形成される粒界(結晶界面)に亜鉛(Zn)が偏析している構成となるので、相対密度が90%以上、概ね90~99%あるいはそれ以上と緻密な構造となる。また、ドーパントとして亜鉛を用いているので、着色がなく白色ないし透明な機能性セラミックス材料となり、光学分野、電子材料分野、医療分野、表示デバイス・ディスプレイ分野、光通信分野、情報通信分野等において適用することができる。
【選択図】図4

従来技術、競合技術の概要


酸化イットリウム(Y:イットリアとも呼ばれる。)は融点が2400℃であり、紫外域から赤外域(約0.3~8μm)の波長の光を透過するために、耐熱窓、高輝度ランプ発光管、レーザーロッド等の構成材料として有用である。一方、酸化イットリウムは2200℃付近に変態点が存在するために単結晶の製造が難しく、加えて、酸化イットリウムは難焼結材料であるため、ホットプレス、熱間等方圧加圧法(Hot Isostatic Pressing:HIP)、1600℃以上の高温かつ真空、水素雰囲気等の環境の中で焼結を行わなければ緻密で透明な多結晶焼結体を得ることができないという問題があった。



近年、このような問題については、緻密な焼結体を得るには焼結助剤の添加が有効であると考えられ、各方面で種々の検討が進められている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照。)。また、例えば、微量の2価アルカリ土類金属イオンをドープすることにより、焼結性が向上されることや(例えば、非特許文献1を参照。)、粉末処理時に酸化チタン(TiO)を酸化イットリウムの表面に分散させることにより、製造される酸化イットリウムの緻密化及び焼結温度の低下に効果的であることが報告されている(例えば、非特許文献2を参照。)。さらに、種々のカチオンを微量ドープした酸化イットリウムの粒成長に関し、2価イオンは粒成長を促進し、3価イオンはほぼ影響を与えず、4価及び5価イオンは粒成長を抑制する傾向にあるということが報告されている(例えば、非特許文献3を参照。)。



そして、本発明者も、焼結助剤として微量のニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、及びエリビウム(Er)を酸化イットリウムにドープすることにより、ニッケルやマンガンが焼結体の粒界に偏在した緻密な構造の酸化イットリウム焼結体を、従来の方法と比較して低温の焼結温度で製造できることを報告している(例えば、非特許文献4及び非特許文献5を参照。)。




【特許文献1】特開2003-119080号公報

【特許文献2】特開2003-155480号公報

【非特許文献1】カタヤマ(Katayama)ら、「二価金属酸化物の添加によるイットリアの焼結およびその電気伝導度の水蒸気圧依存性(Sintering of yttrias with addition of divalent metal oxide and water vapour pressure dependence of their electrical conductivity)」、ジャーナル オブ マテリアル サイエンス (Journal of materials science)、(米国)、チャップマン アンド ホール リミテッド(Chapman and Hall Ltd.)、1990年、第25号、第1503-1508頁

【非特許文献2】ガスニア(Gasgnier)ら、「酸化チタンの添加によるイットリアの緻密化の向上(Enhanced Densification of Yttria by Addition of Titanium Oxide)」、ジャーナル オブ ヨーロピアン セラミック ソサイエティ(Journal of the European Ceramic Society)、(英国)、エルセビア サイエンス リミテッド(Elsevier Science Limited)、1994年、第13号、第67-72頁

【非特許文献3】チェン(Chen)ら、「Y2O3における粒界移動度、欠陥機構とドーパント効果(Grain Boundary Mobility in Y2O3:Defect Mechanism and Dopant Effects)」、ジャーナル オブ ザ アメリカン セラミック ソサイエティ(Journal of the American Ceramic Society)、(米国)、1996年、第79号、第1801-1809頁

【非特許文献4】河道ら、「Y2O3焼結体への遷移金属の添加効果」、日本セラミックス協会関東支部研究発表会講演要旨集、Vol.22th、2006年、第52頁

【非特許文献5】河道ら、「希土類・遷移金属添加イットリア焼結体の緻密化挙動」、日本セラミックス協会年会講演予稿集、Vol.2007、2007年、第106頁

産業上の利用分野


本発明は、酸化イットリウム焼結体及び当該焼結体の製造方法に関する。さらに詳しくは、緻密な構造であり、また、着色もない酸化イットリウム焼結体及び当該焼結体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
亜鉛が酸化イットリウムの粒界に偏析し
相対密度が99%以上であり、
前記亜鉛の含有量が、焼結体における前記イットリウム及び前記亜鉛のモル数の合計を100とするモル分率で、亜鉛のモル分率=0.1~2.0%であることを特徴とする亜鉛ドープ酸化イットリウム焼結体。

【請求項2】
前記焼結体が、エルビウム(Er)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホロミウム(Ho)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)群から選ばれる少なくとも1つ以上の希土類元素を含有することを特徴とする請求項1に記載の亜鉛ドープ酸化イットリウム焼結体。

【請求項3】
請求項1記載の亜鉛ドープ酸化イットリウム焼結体の製造方法であって、
酸化イットリウム粉体と亜鉛化合物を出発原料として、
前記酸化イットリウム粉体におけるイットリウム、及び前記亜鉛化合物における亜鉛のモル数の合計を100とするモル分率で、亜鉛のモル分率=0.1~2.0%とし、
前記酸化イットリウム粉体と前記亜鉛化合物を混合して得られた混合粉末を加圧成形により圧粉体として所望の形状とした後、1100℃以上で焼結処理することを特徴とする亜鉛ドープ酸化イットリウム焼結体の製造方法。

【請求項4】
前記出発原料が、エルビウム(Er)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホロミウム(Ho)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)群から選ばれる少なくとも1つ以上の希土類元素を含有することを特徴とする請求項3に記載の亜鉛ドープ酸化イットリウム焼結体の製造方法。

【請求項5】
前記焼結処理の焼結温度が1100~1300℃であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の亜鉛ドープ酸化イットリウム焼結体の製造方法。
産業区分
  • 窯業
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2008021606thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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