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多結晶シリコン結晶粒界改質方法及び装置 新技術説明会

国内特許コード P09P006371
掲載日 2009年10月9日
出願番号 特願2008-078304
公開番号 特開2009-231746
登録番号 特許第5574312号
出願日 平成20年3月25日(2008.3.25)
公開日 平成21年10月8日(2009.10.8)
登録日 平成26年7月11日(2014.7.11)
発明者
  • 河本 直哉
  • 三好 正毅
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 多結晶シリコン結晶粒界改質方法及び装置 新技術説明会
発明の概要 【課題】
レーザ光を用い、効率よく適度なエネルギーを結晶粒界に与えることにより、基板部分や既に結晶になった部分に影響を与えることなく、多結晶シリコンの結晶粒界を改質する。
【解決手段】
多結晶シリコンにパルスレーザ光を照射して結晶粒界の改質を行う多結晶シリコン結晶粒界改質方法であって、パルスレーザ光は波長400nm以上の可視光であり、パルスレーザ光の照射強度は、多結晶シリコンの結晶粒中心が溶融しないエネルギー密度である。好ましくは、パルスレーザ光の照射強度は、多結晶シリコンの結晶粒界近傍が部分溶解するエネルギー密度である。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要



液晶ディスプレイにおける画素のスイッチング等に用いられる薄膜トランジスタには、非晶質シリコン(アモルファスシリコン)が用いられてきた。図1は、液晶ディスプレイにおける薄膜トランジスタを表す図である。近年、薄膜トランジスタの材料として、非晶質シリコンより電子移動度やスイッチング特性の高い、多結晶シリコン(ポリシリコン)を用いられるようになってきた。多結晶シリコンを用いることでトランジスタを小さくすることができ、液晶ディスプレイの小型化や低消費電力化を図ることができる。多結晶シリコンを採用することにより、従来は外付けであったディスプレイを駆動するための回路をディスプレイ中に作り込むことが可能になるなど、ディスプレイの小型軽量化、低価格化を図る事が可能となる。良質な多結晶シリコンを生成するには、非晶質シリコンまたは多結晶シリコンにレーザ光を照射してレーザアニールを行い、結晶成長を促進させる必要がある。通常は紫外光レーザにより結晶を成長させるのであるが、紫外光レーザは結晶粒界部分だけでなく、すでに結晶になった部分にも吸収されてしまう。特に現在、ディスプレイの低価格化、及び軽量化の観点から望まれているプラスチック基板上に多結晶シリコンの薄膜トランジスタを製造するのは、吸収熱量が高くなり発熱により周囲に悪影響を及ぼすため、困難であった。この問題点を解決するために、本発明者は、紫外光レーザと、熱吸収が少ない可視光レーザとを効率よく組み合わせることにより、低温でも多結晶シリコンの結晶成長ができる方法を提案した(特願2007-111227号)。





薄膜トランジスタの電気特性や信頼性は多結晶シリコンの結晶粒界の特性が大きな影響を与える。従来は、多結晶シリコンの大粒径化を行うこと、または、レーザ照射後、多結晶シリコンを水素雰囲気にて炉アニールを行い、粒界部分のダングリングボンドを水素終端することにより、粒界部分の及ぼす悪影響を低減してきた。通常、多結晶シリコンの大粒径化は紫外レーザを多結晶シリコンへ照射することにより行われるが、安価で軽量なことから実現が望まれるプラスチック基板上においては、十分な大粒径化を生じさせるのに必要なエネルギーをもつレーザ光を照射する、もしくは水素終端アニールを十分な温度で行うことは、プラスチックの軟化点が低いため、技術的な問題点となっていた。





従来技術としては、特許文献1乃至3がある。

特許文献1には、可視光及び紫外光のレーザを用いて、アモルファスシリコンの溶融多結晶化を行う技術が記載されている。しかしながら、特許文献1は可視光パルスレーザ及び紫外光パルスレーザを同時に照射するものであり、低温で多結晶シリコンの結晶粒界を改質する方法については記載されていない。

特許文献2には、異なる波長のレーザ光を異なるタイミングで照射するアニーリングが記載されている。しかしながら、特許文献2には可視光パルスレーザにより、低温で多結晶シリコンの結晶粒界を改質する方法については記載されていない。

特許文献3には、非晶質シリコンにレーザ照射して多結晶シリコンを形成する方法が記載されている。また、レーザ光の波長として、可視光であるYAGレーザの第2高調波を用いることも示唆されている(段落0016)。しかしながら、特許文献3は、多結晶シリコンの形成を主眼においているため、エネルギー密度の高いレーザ光を照射している。すでに結晶になった部分の溶融を抑え、少ないエネルギー密度で結晶粒界を改質することについては記載も示唆もされていない。

【特許文献1】

開2000-12484号公報

【特許文献2】

開昭56-29323号公報

【特許文献3】

開2007-158372号公報

産業上の利用分野



本発明は、多結晶シリコンにレーザ光を照射してシリコン結晶の結晶粒界を改質するシリコン結晶成長方法及び装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
多結晶シリコンにパルスレーザ光を照射して結晶粒界の改質を行う多結晶シリコン結晶粒界改質方法であって、
前記パルスレーザ光は波長400nm以上の可視光であり、
前記パルスレーザ光の照射は、初めに、前記結晶粒界が溶融しない程度の強度として結晶粒界における結晶欠陥を低減させ、その後、結晶粒界を部分溶融する強度のエネルギー密度とすることを特徴とする多結晶シリコン結晶粒界改質方法。

【請求項2】
パルスレーザ光の初めの照射強度は、66mJ/cm以上乃至533mJ/cmより小さい結晶粒界が溶融しない範囲のエネルギー密度であり、後の照射は、533mJ/cm以上の結晶粒界を部分的に溶融するエネルギー密度であることを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコン結晶粒界改質方法。

【請求項3】
前記多結晶シリコン結晶粒界改質方法は、レーザ光によるシリコン結晶成長方法の補助処理として行われ、前記シリコン結晶成長方法の、少なくとも、前処理、後処理、中間処理のいずれかとして行われることを特徴とする請求項1又は2記載の多結晶シリコン結晶粒界改質方法。

【請求項4】
前記パルスレーザ光の照射を複数回繰り返し行うことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の多結晶シリコン結晶粒界改質方法。

【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の多結晶シリコン結晶粒界改質方法を実施する多結晶シリコン結晶粒界改質用装置であって、
波長400nm以上の可視光のパルスレーザ光を発生するパルスレーザ発生手段と、
前記パルスレーザ発生手段のパルスレーザ光の強度及び照射タイミングを制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記パルスレーザ光の照射強度、前記多結晶シリコンの結晶粒界が溶融しないエネルギー密度にして前記パルスレーザ光を照射し、その後で該結晶粒界が部分的に溶融するエネルギー密度にして前記パルスレーザー光を照射する制御を行うことを特徴とする多結晶シリコン結晶粒界改質用装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008078304thum.jpg
出願権利状態 登録
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