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等価回路パラメータ生成装置 新技術説明会

国内特許コード P09A014715
整理番号 DP1326
掲載日 2009年10月23日
出願番号 特願2008-049169
公開番号 特開2009-134683
登録番号 特許第5067736号
出願日 平成20年2月29日(2008.2.29)
公開日 平成21年6月18日(2009.6.18)
登録日 平成24年8月24日(2012.8.24)
優先権データ
  • 特願2007-282612 (2007.10.31) JP
発明者
  • 加藤 利次
  • 井上 馨
出願人
  • 学校法人同志社
発明の名称 等価回路パラメータ生成装置 新技術説明会
発明の概要

【課題】測定によって得られた周波数特性を集中定数素子からなる等価回路に高精度に近似合成することができ、しかも、当該回路全体としての受動性が保証される等価回路パラメータ生成方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る第1の等価回路パラメータ生成方法は、留数kを含んだ形式に近似された測定対象物の周波数特性と、留数kからなる等価回路パラメータを有する等価回路とを準備し(ステップS1~S3)、最小自乗近似を用いて周波数特性の留数kを算出することにより、測定対象物の周波数特性に近似した周波数特性を有する等価回路の前記等価回路パラメータを生成する方法であって、最小自乗近似を行う前に、等価回路パラメータが負とならないような留数kに関する第1の拘束条件を決定し(ステップS4)、当該第1の拘束条件下で最小自乗近似を行う(ステップS5)。
【選択図】図3

従来技術、競合技術の概要


近年、パワーエレクトロニクスの分野では、システムの高周波化に伴ってEMIが大きな問題となっている。EMIは、他の電子機器に誤動作等の悪影響を及ぼすおそれがあることから、適切な対策を施すことが求められている。また、コンピュータシミュレーションによってEMI対策を検討する場合には、等価回路を構成する個々の素子の素子値(以下、「等価回路パラメータ」)をどのようにして生成し、集中定数素子からなる等価回路に近似(モデリング)するかが問題となる。
同様に、LSIの分野においても、動作周波数の上昇に伴って、素子間配線による信号伝播遅延、素子間配線同士の干渉等の問題が顕在化してきている。これらのメカニズムを解析し、適切な対策を施すためにも、素子間配線のモデリングは非常に重要である。



従来の等価回路パラメータ生成方法としては、最小自乗近似を利用した方法が知られている。この従来の生成方法では、まず、モデリングしたい測定対象物のN点の周波数特性X(s)をインピーダンスメータ等の測定器で測定する。得られた周波数特性は、分数多項式で表現された測定周波数特性X^(s)で近似することができる。なお、表記“X^”は、Xの上にハット記号“^”が付されていることを意味する。
【数式1】


ここで、m及びnは、モデリングしたい周波数特性の複雑さに応じて任意に決定することができる次数である。また、i=1、2・・・N、s=j2πf(ただし、f:サンプル周波数、j=√(-1))である。
(1)式を展開して、部分分数で表現すると次式となる。
【数式2】


ここで、N及びNは、必要とされるモデリング精度等に応じて、任意に決定することができる個数である。



(2)式に含まれる(2+N+2N)個の留数kは、次式によって最小自乗近似することにより、算出される。
【数式3】


ここで、行列Aは留数ベクトルkの係数行列であり、そのi行成分は、
【数式4】


である。
また、(3)式において、測定周波数特性値ベクトルx及び留数ベクトルkは、
【数式5】


である。
ここで、(5)式の“N”は、測定サンプル数である。また、X(s)は測定によって得られたN番目のサンプル周波数における測定周波数特性値である。



続いて、回路合成が行われる。モデリングしたい周波数特性がインピーダンスの場合、(3)~(6)式によって得られた(2+N+2N)個の留数は、図1及び次式で表される等価回路(Fosterの第1回路)に合成される。
【数式6】


ここで、図1に示す等価回路の等価回路パラメータは、次式によって表される。
【数式7】


なお、RとLは省略することもできる。



一方、モデリングしたい周波数特性がアドミタンスの場合、(3)~(6)式によって得られた(2+N+2N)個の留数は、図2及び次式で表される等価回路(Fosterの第2回路)に合成される。
【数式8】


ここで、図2に示す等価回路の等価回路パラメータは、次式によって表される。
【数式9】


なお、GとCは省略することもできる。



ところが、上記した従来の等価回路パラメータ生成方法では、最終的に得られる等価回路パラメータ((8)~(10)式、(12)~(14)式参照)が負の値を示す場合があった。
本来、Fosterの第1回路(図1参照)及び第2回路(図2参照)は受動性を有する集中定数素子からなり、回路全体としても受動性を示すべきものある。しかしながら、回路の一部に負の素子値を有する集中定数素子が含まれると、当該回路は局所的に受動性を有していないことになり、回路全体としても受動性を有さない可能性がある。
したがって、従来の等価回路パラメータ生成方法で得られた等価回路の周波数特性は、現実の測定対象物と大きくかけ離れた周波数特性となる場合があった。また、当該回路を用いたシミュレーションは不安定になる場合があり、信頼性が問題となっていた。



上記問題の解決を試みた等価回路パラメータ生成方法として、非特許文献1に係る方法がある。
この方法では、最小自乗近似によって得られた等価回路パラメータのうち、負となった素子の素子値を強制的に“0”にすることにより、等価回路の受動性を確保している。しかしながら、この方法によって得られた等価回路は、勝手に値が変更された集中定数素子が含まれることになるので、周波数特性のモデリングの精度が問題となっていた。

【非特許文献1】J. Morsey and A.C. Cangellaris,“PRIME: passive realization of interconnect models from measured data”, IEEE Electrical Performance of Electronic Packaging, 2001, pp.47-50

産業上の利用分野


本発明は、測定によって得られた周波数特性を、集中定数素子からなる等価回路に近似合成するための等価回路パラメータ生成装置、並びに生成方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
測定対象物の周波数特性を、留数kからなる等価回路パラメータを有する等価回路で近似するための等価回路パラメータ生成装置であって、
前記測定対象物の周波数特性を測定するとともに、測定された周波数特性を前記留数kを含んだ形式に近似する測定部と、
適宜必要な情報の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部から入力された等価回路選択データに基づいて選択された前記等価回路の前記等価回路パラメータが負とならないような前記留数kに関する第1の拘束条件を決定する拘束条件決定部と、
前記測定部から前記留数kを含む前記周波数特性に関するデータを受け取るとともに、前記拘束条件決定部から前記第1の拘束条件を受け取り、前記第1の拘束条件下で前記周波数特性の最小自乗近似を行って前記留数kを算出し、算出された前記留数kに基づいて前記等価回路パラメータを生成する演算部と、
を備えたことを特徴とする等価回路パラメータ生成装置。

【請求項2】
所定の周波数範囲内で測定を行うことにより得た測定対象物の周波数特性を、留数kからなる等価回路パラメータを有する等価回路で近似するための等価回路パラメータ生成装置であって、
前記測定対象物の周波数特性を測定するとともに、測定された周波数特性を前記留数kを含んだ形式に近似する測定部と、
適宜必要な情報の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部から入力された等価回路選択データに基づいて選択された前記等価回路の個々の前記等価回路パラメータが負となることを許容しつつ、前記等価回路の抵抗成分が負とならないような前記留数kに関する第2の拘束条件を決定する拘束条件決定部と、
前記測定部から前記留数kを含む前記周波数特性に関するデータを受け取るとともに、前記拘束条件決定部から前記第2の拘束条件を受け取り、前記第2の拘束条件下で前記周波数特性の最小自乗近似を行って前記留数kを算出し、算出された前記留数kに基づいて前記等価回路パラメータを生成する演算部と、
を備えたことを特徴とする等価回路パラメータ生成装置。

【請求項3】
前記拘束条件決定部は、前記所定の周波数範囲に含まれない任意の周波数における前記等価回路の位相の絶対値が90°を超えないようにするための第3の拘束条件をさらに決定し、
前記演算部は、前記拘束条件決定部から前記第2の拘束条件および前記第3の拘束条件を受け取り、前記第2の拘束条件および前記第3の拘束条件の下で前記周波数特性の最小自乗近似を行うことを特徴とする請求項2に記載の等価回路パラメータ生成装置。
産業区分
  • 計算機応用
  • 伝送回路空中線
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008049169thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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