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位相物体識別装置及び方法 新技術説明会

国内特許コード P09P006305
整理番号 K026P08
掲載日 2009年10月23日
出願番号 特願2008-080976
公開番号 特開2009-237085
登録番号 特許第5109025号
出願日 平成20年3月26日(2008.3.26)
公開日 平成21年10月15日(2009.10.15)
登録日 平成24年10月19日(2012.10.19)
発明者
  • 渡邉 恵理子
  • 小舘 香椎子
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 位相物体識別装置及び方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】従来の位相物体の観察方法または計測方法とは全く異なる方法で、位相物体を識別できる位相物体識別装置及び方法を提供する。
【解決手段】光に位相変化を与える位相物体を識別するための位相物体識別装置1であって、光源2と、識別対象の位相物体31を保持する試料保持手段3と、参照光25と既知の位相物体32によって位相が変調された物体光24との干渉により形成されたホログラム41が記録されたホログラフィック記録媒体4と、光検出器5とを有し、光源から射出された光21の位相を識別対象の位相物体によって変調して試料光22を生成し、試料光をホログラフィック記録媒体のホログラムに照射し、ホログラフィック記録媒体のホログラムから再生された再生光23を光検出器によって検出する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


最も簡便な物体の観察手法は、肉眼による観察であるが、肉眼は、光の強度変化を検出するものであるから、光の強度を変化させない物体や変化が小さい物体の観察には適していない。この点は、一般的な写真や撮像素子も、光の強度変化を検出するものであるから同じである。例えば、生体細胞、細菌、グレーティング、導波路、物体表面の微小な段差、同一色の構造物等は、光の強度を変化させない又はその変化の程度が小さいため、形状の観察が難しかった。特に、生体細胞は、多くの細胞内構成物が透明で無色のため、その形状及び細胞内構成物を観察することが非常に困難であった。



このため、従来では、生体細胞に前処理を施して染色し、その形状を可視化したり、染色の度合いによって各細胞内構成物を特定したりしていた。生体細胞であれば、染色することで可視化できるが、対象によっては、染色の技法が利用できない場合もある。また、染色の前処理は、生体細胞の固定化などに時間が必要であり、簡便な観察手法ではなかった。さらに、染色することにより、生体細胞が死んでしまったり、変質してしまうことがあり、本来の状態の生体細胞を観察できず、また、その後の試料の利用が制限されてしまうという問題があった。



ところで、光の強度を変化させない物体であっても、屈折率や光路差の違いにより、光の位相を変化させる場合が多い。上で述べた生体細胞、細菌、グレーティング、導波路、物体表面の微小な段差、同一色の構造物等も、光の位相を変調させる位相物体の一つである。このような位相物体の場合、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡などによって、相対的な位相情報を強度に変換して観察することが可能である。また、非特許文献1に記載のように、位相物体の絶対的な位相情報を計測する技術も研究開発されている。非特許文献1では、マッハツェンダー型干渉計に閉ループフィードバック技術を導入し、無色透明な位相物体の微小領域の位相変化を高精度に測定できる位相計測システムによって、位相物体の全面を走査することで、無色透明な位相物体の絶対的な位相情報を計測している。



【非特許文献1】
羽根坂円彩、渡邉恵理子、水野潤、小舘香椎子「位相ロック技術を用いた微小物体2次元位相計測システム」Optics&Photonics Japan 2007 講演予稿集、2007年11月26日、p.272-273

産業上の利用分野


本発明は、光に位相変化を与える物体(以下「位相物体」という)を識別する位相物体識別装置及び方法に関し、特にホログラフィを用いて識別対象の位相物体を識別する位相物体識別装置及び方法に関するものであり、また位相物体識別装置及び方法を用いた新たな用途にも関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
光に位相変化を与える位相物体を識別するための位相物体識別装置であって、
光源と、
識別対象の位相物体を保持する試料保持手段と、
前記試料保持手段に保持された識別対象の位相物体を観察するための試料側対物レンズを備えた観察光学系と、
前記識別対象の位相物体と前記試料側対物レンズとの間の距離を変更する焦点調節手段と、
参照光と既知の位相物体の位相パターンによって位相が変調された物体光との干渉により形成されたホログラムが記録されたホログラフィック記録媒体と、
光検出器と
前記光源から射出された光の位相を前記識別対象の位相物体の位相パターンによって変調して試料光を生成し、前記試料光を前記ホログラフィック記録媒体の前記ホログラムに照射し、前記ホログラフィック記録媒体の前記ホログラムから再生された再生光を前記光検出器によって検出するための識別光学系とを有し、
前記観察光学系の前記試料側対物レンズは、前記識別光学系の一部としても使用されることを特徴とする位相物体識別装置。

【請求項2】
前記識別対象の位相物体の実像が入射瞳面に位置するように配置された対物レンズによって、前記試料光を前記ホログラフィック記録媒体の前記ホログラムに照射することを特徴とする請求項1に記載の位相物体識別装置。

【請求項3】
前記ホログラフィック記録媒体には、複数の既知の位相物体によって形成された複数のホログラムが記録されており、
前記ホログラフィック記録媒体における前記試料光の照射位置を移動させる照射位置移動手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の位相物体識別装置。

【請求項4】
前記観察光学系は、結像レンズまたは接眼レンズを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の位相物体識別装置。

【請求項5】
前記試料保持手段は、光軸に対して直交する平面方向に前記識別対象の位相物体を移動させる試料位置調整手段を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の位相物体識別装置。

【請求項6】
前記試料保持手段に複数の識別対象の位相物体を順次搬送する試料搬送手段を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の位相物体識別装置。

【請求項7】
前記識別対象の位相物体は、生体細胞または細菌であり、生体細胞または細菌内の細胞核の有無を識別することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の位相物体識別装置。

【請求項8】
前記既知の位相物体は、規格の範囲内の標本であり、前記識別対象の位相物体が規格に該当するか否かを識別することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の位相物体識別装置。

【請求項9】
参照光を生成する参照光生成手段を有し、
前記試料保持手段は既知の位相物体を保持することができ、
前記光源から射出された光の位相を前記既知の位相物体の位相パターンによって変調して物体光を生成し、前記参照光生成手段によって参照光を生成し、前記物体光及び前記参照光を前記ホログラフィック記録媒体に照射し、前記物体光と前記参照光との干渉により形成されたホログラムを前記ホログラフィック記録媒体に記録することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の位相物体識別装置。

【請求項10】
前記参照光生成手段は、前記試料保持手段に形成された開口であることを特徴とする請求項9に記載の位相物体識別装置。

【請求項11】
光に位相変化を与える位相物体を識別するための位相物体識別方法であって、
観察光学系によって識別対象の位相物体を観察し、
前記観察光学系の試料側対物レンズと前記識別対象の位相物体との距離を変更することによって、観察される前記識別対象の位相物体の大きさを調整し、
前記観察系光学系を調整した状態で光源から射出された光の位相を識別対象の位相物体の位相パターンによって変調して試料光を生成し、
参照光と既知の位相物体の位相パターンによって位相が変調された物体光との干渉により形成されたホログラムが記録されたホログラフィック記録媒体に前記試料光を照射し、
前記ホログラフィック記録媒体の前記ホログラムから再生された再生光を光検出器によって検出し、
前記光検出器によって検出された前記再生光の強度がしきい値よりも大きい場合は、前記識別対象の位相物体が、前記既知の位相物体と相関があると識別し、前記再生光の強度がしきい値よりも小さい場合は、前記識別対象の位相物体が、前記既知の位相物体と相関がないと識別することを特徴とする位相物体識別方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008080976thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 生命現象と計測分析 領域
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