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検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析方法 新技術説明会

国内特許コード P09S000232
整理番号 P2008-056
掲載日 2009年10月30日
出願番号 特願2007-514729
登録番号 特許第4940432号
出願日 平成18年4月25日(2006.4.25)
登録日 平成24年3月9日(2012.3.9)
国際出願番号 JP2006308601
国際公開番号 WO2006118093
国際出願日 平成18年4月25日(2006.4.25)
国際公開日 平成18年11月9日(2006.11.9)
優先権データ
  • 特願2005-129214 (2005.4.27) JP
発明者
  • 石田 晃彦
  • 山田 泰子
  • 上舘 民夫
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析方法 新技術説明会
発明の概要

以下の工程1~4を含む、検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析方法。工程1:前記検体とアデノシンモノリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼとを混合し、所定時間保持する工程、工程2:工程1で得た混合物の少なくとも一部に酸およびピルビン酸オキシダーゼを加えて所定時間保持する工程、工程3:工程2で得た混合物の少なくとも一部に酸、鉄(II)、および発色試薬を加えて所定時間保持する工程、および工程4、工程3で得た混合物の色からアデノシン三リン酸の濃度を判定する工程。検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析用キット。食品衛生検査における有用な指標物質であるATPを、特別な測定装置なしに一目するだけで簡便に判定できる方法を提供する。

従来技術、競合技術の概要

近年、食品の安全に関する関心が高まってきており、簡便かつ迅速に検査する方法が求められている。これまでの衛生試験は、採取した細菌を培養したのち、コロニーを計数する方法が用いられてきた。この方法は、培養方法の選択により菌種を同定して、計数することができるが、培養するための設備と技術さらに一日以上の培養時間が必要であった。そのため、試験結果を製造工程に迅速に反映させるためには用いられていなかった。


一方、細菌の代わりにアデノシン三リン酸(ATP)を、ホタル生物発光反応を利用して測定する方法がある。
1.E.W.Chappelle,G.V.Levin,Biochemical Medicine 2 41-52 1968 Use of the firefly bioluminescent reaction for rapid detection and counting of bacteria.(非特許文献1)
2.Arne Lundin,Methods in Enzymology,Volume 305,2000,Pages 346-370(Use of firefly luciferase in atp-related assays of biomass,enzymes,and metabolites)(非特許文献2)


食品製造環境において検出されるATPは、おもに細菌と食品残さに由来しており、細菌由来のATPはそのまま食中毒などの原因になる可能性を示し、食品残さ由来のATPはその食品残さが細菌の繁殖源になる可能性を示す。また、サンプル中の細菌数とATP濃度の間には相関があることも知られている。
本間茂,食品と開発,Vol.31 pages 22-25 1997(非特許文献3)
Stanley PE,McCarthy BJ,Smither R,editors.ATP luminescence:rapid methods in microbiology.Oxford:Blackwell Scientific Publications;1989 pages 175-181(非特許文献4)


この方法を用いると、培養なしに迅速に測定することができるため、ATPは現在清浄度の指標物質として注目されている。しかし、この方法は、迅速に結果が得られるものの、高価な専用機器が必要であった。また、安価な測定器も提供されているが、微量のATPを高感度に測定するには感度的に不十分とされていた。


実際の現場では、製品がそれに定められた基準値を満たしているかどうかを知るだけでよいことも多く、そのためには必ずしも高価な装置は必要ではない。しかし、上記の方法以外にATPを測定する方法はなかった。


一方、上記測定器よりも安価な測定器として比色計がある。そこで、本発明者らは、ATPの比色法を開発している。
1.石田晃彦,青島陽子,谷博文,上舘民夫,第63回分析化学討論会講演要旨集p.92講演番号2F05(非特許文献5)
2.青島陽子,石田晃彦,谷博文,上舘民夫,日本分析化学会第52年会講演要旨集p.230講演番号2K01(非特許文献6)
3.石田晃彦,青島陽子,谷博文,上舘民夫,第65回分析化学討論会講演要旨集p.68講演番号D2022(非特許文献7)


この方法は、まず、ATP濃度を、アデニル酸キナーゼとピルビン酸キナーゼの酵素反応により増幅する。これは、ATPの対象濃度が数十ピコ~数ナノmol/lと非常に微量であるのに対して、比色計がもともとそれに十分な感度をもたず、ATP自体の吸収も小さいからである。続いて、増幅されたATPと当量生成するピルビン酸をピルビン酸オキシダーゼのもとで反応させることにより、過酸化水素を生成させる。次に、過酸化水素と水素供与系呈色試薬(トリンダー試薬)をペルオキシダーゼのもとで反応させ、紫色の色素を生成させる。最終的に、紫色の濃淡を比色計で測定することにより、試料中のATP濃度を決定する。しかし、この方法においても、測定装置が必要であり、基準値を満たしているかどうかを簡便に判定するという点では限界があった。

産業上の利用分野

本発明は、検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析方法に関する。特に、本発明は、アデノシン三リン酸の濃度を目視で判定する方法に関する。さらに詳細には、食品製造現場などの衛生試験などにおいて、食品に含まれる細菌数を、アデノシン三リン酸を指標物質として測定する際、細菌から抽出したアデノシン三リン酸の濃度レベルの判定に有用な簡易判定法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】以下の工程1~4を含む、検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析方法であって、発色試薬がキシレノールオレンジまたはクロマズロールSからであり、
前記発色試薬がキシレノールオレンジである場合には、検体中に含まれるアデノシン三リン酸濃度が、あらかじめ定めた境界濃度よりも高いときに工程3で得た混合物が紫を呈し、低いときには黄を呈するように、キシレノールオレンジ濃度及び反応時間を設定し、
前記発色試薬がクロマズロールSである場合には、検体中に含まれるアデノシン三リン酸濃度が、あらかじめ定めた境界濃度よりも高いときに工程3で得た混合物が青を呈し、低いときには橙を呈するように、クロマズロールS濃度及び反応時間を設定する方法。
工程1:前記検体とアデノシンモノリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼとを混合し、所定時間保持する工程、
工程2:工程1で得た混合物の少なくとも一部に酸およびピルビン酸オキシダーゼを加えて所定時間保持する工程、
工程3:工程2で得た混合物の少なくとも一部に酸、鉄(II)、および発色試薬を加えて所定時間保持する工程、および
工程4:工程3で得た混合物の色からアデノシン三リン酸の濃度を判定する工程。
【請求項2】工程2および3で用いる酸が塩酸である請求項1に記載の方法。
【請求項3】工程1~4を室温(10~30℃)で行う請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】工程3で得た混合物の色を目視観察して、検体中に含まれるアデノシン三リン酸の濃度が、あらかじめ定めた境界濃度より高いか、低いかを判定する請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】アデノシンモノリン酸として、アピラーゼ処理したアデノシンモノリン酸試薬を用いる請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】以下の試薬1~3を含み、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法に用いられる、検体中に含まれるアデノシン三リン酸の分析用キット。
1:アデノシンモノリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼ、
2:酸およびピルビン酸オキシダーゼ、並びに
3:酸、鉄(II)、および発色試薬、但し、発色試薬は、キシレノールオレンジまたはクロマズロールSである。
【請求項7】境界濃度より高い場合および低い場合の発色の色見本を含む請求項6に記載のキット。
【請求項8】キットの説明書を含む請求項6または7に記載のキット。
【請求項9】アデノシンモノリン酸が、アピラーゼ処理したアデノシンモノリン酸試薬である請求項6~8のいずれか1項に記載のキット。
【請求項10】検体および試薬を混合し、発色を見るための容器を含む請求項6~9のいずれか1項に記載のキット。
【請求項11】前記容器がマルチタイタープレートである請求項10に記載のキット。
産業区分
  • 微生物工業
  • 食品
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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