TOP > 国内特許検索 > リポソーム及びその作製方法

リポソーム及びその作製方法 新技術説明会

国内特許コード P09P006640
掲載日 2009年11月13日
出願番号 特願2008-110455
公開番号 特開2009-255019
登録番号 特許第5527642号
出願日 平成20年4月21日(2008.4.21)
公開日 平成21年11月5日(2009.11.5)
登録日 平成26年4月25日(2014.4.25)
発明者
  • 高木 昌宏
  • ▲濱▼田 勉
  • 三浦 陽子
出願人
  • 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
発明の名称 リポソーム及びその作製方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】 生体膜の非対称性を模倣したリポソームを構築し、ドメイン形成を実現する。
【解決手段】 水性溶液相1上に油性溶液相2を配するとともに、油水界面に外層脂質膜となる脂質単分子膜3を形成しておき、油性液体相2中に内層脂質膜6が形成されたW/O液滴5を導入する。液滴7を構成する水性溶液と水性溶液相1を構成する水性溶液に比重差を付与することで、重力によりW/O液滴5を水性溶液相1中に移行させ、内層脂質膜6の外側に外層脂質膜(脂質単分子膜3)を形成する。作製されるリポソーム9は、内層脂質膜6と外層脂質膜(脂質単分子膜3)の組成が異なる非対称性脂質2分子膜を備え、当該非対称性脂質2分子膜の膜面内に特定の脂質が偏在したミクロドメイン構造が形成されている。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要



これまで生体膜の構成成分は膜面内で一様に分布し自由に拡散しているものと考えられてきたが、近年、飽和脂質やコレステロールが豊富な秩序相からなるミクロドメイン構造の存在が報告されている。このミクロドメインは、「ラフト」と称され、シグナル伝達や小胞輸送等の機能発現の場として注目を集めている。





例えば、飽和脂質と不飽和脂質とコレステロールを混合したモデル膜リポソームにおいても、ラフト様のドメインを観察することができ、時間変化に応じたドメイン成長、コレステロール濃度によるドメイン形状の変化等に関する研究が行われている。





しかしながら、ドメインサイズや安定性の面で、実際のラフト構造を再現することには未だ成功していない。この原因として、モデル膜研究では生態環境がほとんど考慮されていなかったことが挙げられる。例えば、生体膜の非対称性については、これまでほとんど考慮されたことがない。生体膜の非対称性の生物学的意義は未だほとんど明らかにされていないが、非対称な疎水基同士の相互作用は、ドメイン構造の不安定化を引き起こすことが予測される。





リポソームの作製方法としては、油水界面を利用する方法が一般的であり、例えば、特許文献1には、内膜リン脂質を含む油性液体中に、微細毛細管により粒径を調整した水滴を導入し、W/Oエマルジョンを形成する工程と、W/Oエマルジョンを捕捉する工程と、油性液体と外膜脂質を介して油水界面を形成する水相に、捕捉されたエマルジョンを移行させ、W/Oエマルジョンの外側に外膜脂質を付加する工程とを有するリポソームの製造方法が開示されている。ただし、特許文献1記載の発明も、内膜リン脂質と外膜リン脂質とが同一であるリポソームを作製対象とするもので、前記非対称性については何ら言及されていない。





脂質2分子膜が非対称性を有するリポソームの作製に関しては、ほとんど研究が進んでおらず、わずかに数例において報告が見られるに過ぎない(例えば非特許文献1や非特許文献2を参照)。この非特許文献1に記載される技術においても、内膜リン脂質を含む油性液体中に水滴を導入することでエマルジョンを形成し、外膜リン脂質の単分子膜が形成された油水界面を通過させることで外膜脂質を付加するという点で特許文献1記載の発明と共通するものであるが、遠心力を利用してエマルジョンを水相に移行させる点に特徴を有する。





すなわち、非特許文献1に記載される発明では、水相の上部に脂質を溶解させた油相を用意する。油相に液滴を導入し、遠心分離による力で液滴を水相に引きずり込む。これにより、液滴が2分子膜小胞(リポソーム)に移行する。この際、油相に予め溶解させる脂質と導入する液滴を覆う脂質の組成を変えることで、非対称2分子膜を備えたリポソームが形成される。非特許文献2記載の発明も、遠心力を利用するという点で非特許文献1記載の発明と同様である。

【特許文献1】

開2007-204382号公報

【非特許文献1】

roceedings of the National Academy of Sciences of the United Statesof America, September 16, 2003, Vol.100, no.19, 10718-10721

【非特許文献2】

. Xiao, M. Xu, M.Li, Z. Lu, Y. Wei Supramolecular Science, Vol.5, No. 5-6 (1998) 619-622

産業上の利用分野



本発明は、脂質2分子膜を備えたリポソーム及びその作製方法に関するものであり、前記脂質2分子膜が非対称性を有するとともに、ミクロドメイン構造が形成された新規なリポソーム及びその作製方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
水性溶液相上にリン脂質を含む油性溶相を配するとともに、油水界面に外層脂質膜となる脂質単分子膜を形成しておき、油性溶相中に不飽和リン脂質、飽和リン脂質、及びコレステロールを含む内層脂質膜が形成された液滴を導入し、前記液滴を構成する水性溶液と前記水性溶液相を構成する水性溶液に比重差を付与することで、重力により前記液滴を水性溶液相中に移行させ、前記内層脂質膜の外側に外層脂質膜を形成するものであり、
この内層脂質膜と外層脂質膜は、互いの組成が異なる非対称性脂質2分子膜であり、前記液滴を構成する水性溶液が前記水性溶液相を構成する水性溶液中にこれよりも比重を重くして存在すると共に、当該非対称性脂質2分子膜の膜面内にドメイン構造が形成されることを特徴とするリポソーム。

【請求項2】
水性溶液相上にリン脂質を含む油性溶相を配するとともに、油水界面に外層脂質膜となる脂質単分子膜を形成しておき、
油性溶相中に不飽和リン脂質、飽和リン脂質、及びコレステロールを含む内層脂質膜が形成された液滴を導入し、前記液滴を構成する水性溶液と前記水性溶液相を構成する水性溶液に比重差を付与することで、重力により前記液滴を水性溶液相中に移行させ、前記内層脂質膜の外側に外層脂質膜を形成することを特徴とするリポソームの作製方法。

【請求項3】
前記油性溶相を構成する油性溶に比べて前記液滴を構成する水性溶液の方が比重が重いことを特徴とする請求項記載のリポソームの作製方法。

【請求項4】
前記脂質液滴と前記水性溶液相における溶質の濃度が略等しく、前記溶質が糖であることを特徴とする請求項3記載のリポソームの作製方法。

【請求項5】
前記液滴にスクロースを溶解し、前記水性溶液相にグルコースを溶解することを特徴とする請求項記載のリポソームの作製方法。

【請求項6】
前記油水界面に形成される脂質単分子膜を構成する脂質と、前記内層脂質膜を構成する脂質とは、その組成異なことを特徴とする請求項3からのいずれか1項記載のリポソームの作製方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2008110455thum.jpg
出願権利状態 登録
※ 上記の特許・技術に関心のある方は、下記問合せ先にご相談下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close