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真空アーク放電発生方法

国内特許コード P09A014839
掲載日 2009年11月20日
出願番号 特願2007-048406
公開番号 特開2008-210733
登録番号 特許第5023332号
出願日 平成19年2月28日(2007.2.28)
公開日 平成20年9月11日(2008.9.11)
登録日 平成24年6月29日(2012.6.29)
発明者
  • 豊田 和弘
  • 趙 孟佑
  • 坂本 裕太
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
発明の名称 真空アーク放電発生方法
発明の概要 【課題】この真空アーク放電発生方法は,誘電体の所定の場所に放電を迅速に発生させ,誘電体に与える放電影響,誘電体の放電発生のし易い領域等を検出する。
【解決手段】この真空アーク放電発生方法は,真空環境を模擬した真空チャンバ1内に太陽電池セル等の誘導体を模擬したクーポン2を配設し,クーポン2に対して相対移動可能な隔置状態の2本の針電極5を接触させ,針電極5間に高電圧パルスを印加してクーポン2の表面上に沿面放電を発生させ,クーポン2の領域に発生した沿面放電によりプラズマ状態を発生させ,クーポン2に対してプラズマを介して真空アーク放電を誘発させる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年,人工衛星等の宇宙機では,大電力を必要とするようになり,それに伴って使用する電力は高電圧化となってきている。そのため,人工衛星に搭載されている太陽電池アレイにおいて,放電現象が頻繁に起こるようになってきた。太陽電池アレイの放電による事故を防ぐため,現在,宇宙機の打ち上げ前に太陽電池アレイに対して発生する放電現象,その影響等の地上試験を行っている。太陽電池アレイを地上試験する場合に,宇宙機の軌道環境を考慮して,太陽電池アレイの太陽電池セルの誘電体を模擬したクーポンを作製し,該クーポンに対して電子ビーム又はプラズマを用いて帯電放電試験を行っている。電子ビームを用いた帯放電試験では,クーポンに対する放電発生頻度が低いため,放電試験の所要時間が長くなっているのが現状である。また,太陽電池アレイに対する放電は,太陽電池アレイにおける誘電体が帯電している所,即ち,至る所で発生するため任意の場所で放電を発生させることは難しい。誘電体に対してプラズマを用いて放電を発生させる場合には,放電頻度は高くなるが,誘電体の予め決められた所定の位置で放電を発生させる制御は困難である。



一般に,宇宙環境を模擬した真空中での誘電体のクーポンに対する放電試験では,プラズマや電子ビームを用いて誘電体を帯電させる自動的な方法がとられている。能動的な方法としては,細い抵抗線に電流を流し,焼き切れる時に発生するプラズマを用いる方法があるが,1回放電したら抵抗線を交換する必要があった。



従来,宇宙用太陽電池アレイは知られている。該太陽電池アレイは,基板上に設けられたインターコネクタによって接続された多数の太陽電池セルと,これらの太陽電池セル上に接合された透明性を有するカバー部材とを備え,カバー部材の表面を透明性を有する導電膜で被覆し,該導電膜とインターコネクタとを電気的に接続したものである(例えば,特許文献1参照)。



また,三相交流を用いたプラズマ発生装置が知られている。該プラズマ発生装置は,長さが1mを越えるフィラメント励起長尺のものであり,安価な電源によって空間的,時間的に一様なプラズマ密度を実現できるものであり,3本1組の3mの直線状フィラメントを,組をなす3本のフィラメントが正三角形をなすようにチャンバの長手方向に張り,組をなす3本のフィラメントの一端を三相交流の3つの端子に接続し,他端は纏めてアーク電源に接続したものである(例えば,特許文献2参照)。



また,人工衛星等の宇宙空間飛翔体に搭載する太陽電池電源装置が知られている。該太陽電池電源装置は,太陽フレアに含まれる太陽プロトンによる放射線を検出する複数の放射線検出器と,太陽フレアが発生しない時は太陽電池電源装置の出力に基づいて太陽電池アレイの受光面の向きを放射線の被曝を最小とする方向に駆動する太陽電池アレイ駆動装置とを備えたものである(例えば,特許文献3参照)。



また,処理レートの速い沿面放電を用いた被処理体へのダメージが少ない表面処理装置が知られている。該沿面放電を用いた表面処理装置は,誘電体を挟んで配置された第1の電極及び第2の電極を含む沿面放電用の電極を有する。第1の電極には,交流電源が接続され,接地された第2の電極は開口を有する。開口近傍の領域に沿面放電を誘起して,該沿面放電により生成された活性種により,第2の電極と対向して近接配置された被処理体の表面を処理するものである(例えば,特許文献4参照)。
【特許文献1】
特開昭61-202475号公報
【特許文献2】
特開2000-12282号公報
【特許文献3】
特開平6-8894号公報
【特許文献4】
特開平9-186135号公報

産業上の利用分野


この発明は,例えば,宇宙を周回する人工衛星に搭載される太陽電池アレイに発生する放電現象による太陽電池の損傷低減を計るため,太陽電池アレイの表面の放電現象による影響等の情報を検出するための真空アーク放電発生方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
電気機器の帯電可能な誘電体に対して真空中でアーク放電を発生させる真空アーク放電発生方法において,
前記誘体の表面に対して相対移動可能な隔置状態の2本の針電極を配設し,前記誘体の前記表面に直接又は間接的に接触させ,前記針電極間に高電圧パルスを印加して前記針電極間の前記誘体表面上に沿面放電を発生させ,前記誘電体に対して前記沿面放電により生じたプラズマを介して真空アーク放電を誘発させることを特徴とする真空アーク放電発生方法。

【請求項2】
前記誘電体と前記針電極との間に,放熱機能を持ち且つ保護機能を有するカバーガラス等の絶縁体を介在させることを特徴とする請求項1に記載の真空アーク放電発生方法。

【請求項3】
前記針電極間に印加する前記高電圧は,昇圧器で高電圧にされた数10kVであることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空アーク放電発生方法。

【請求項4】
前記電気機器は宇宙環境を模擬した真空チャンバ内に収容された人工衛星に取付け可能な太陽電池アレイの太陽電池セルであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の真空アーク放電発生方法。

【請求項5】
前記針電極間に前記高電圧パルスを印加することにより,前記針電極と前記誘電体又は前記誘電体上のカバーガラスとの間に放電が発生して前記誘電体又は前記カバーガラス上に前記沿面放電が発生し,次いで,前記沿面放電によりプラズマ状態になり,前記プラズマを介して前記誘電体の前記太陽電池セルと前記真空チャンバの壁との間に真空アーク放電が発生することを特徴とする請求項4に記載の真空アーク放電発生方法。

【請求項6】
前記放電状態は,前記真空チャンバの外側に設置した赤外線光の照射で監視範囲を強制的に明るく映し出すIRカメラによって,前記真空チャンバに設けた監視用窓を通して撮影できることを特徴とする請求項4又は5に記載の真空アーク放電発生方法。

【請求項7】
前記針電極を前記誘電体に対して相対移動させ,前記誘電体に対して真空アーク放電を発生させるべき予め決められた所定の領域に前記針電極を設定することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の真空アーク放電発生方法。

【請求項8】
前記針電極間に前記高電圧パルスを印加して前記誘電体に対して前記真空アーク放電を発生させ,前記誘電体の前記領域における放電影響及び/又は蓄積電荷量を検出することを特徴とする請求項7に記載の真空アーク放電発生方法。

【請求項9】
前記針電極を前記誘電体に対して相対移動させて前記針電極間に前記高電圧パルスを印加して前記誘電体に対して前記真空アーク放電が発生し易い領域を検出することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の真空アーク放電発生方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 2G084AA00
  • 2G084BB21
  • 2G084CC08
  • 2G084CC20
  • 2G084CC23
  • 2G084CC33
  • 2G084DD12
  • 2G084DD67
  • 2G084EE15
画像

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JP2007048406thum.jpg
出願権利状態 登録
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