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絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素基板及びその製造方法 新技術説明会

国内特許コード P09A014873
掲載日 2009年12月4日
出願番号 特願2007-278811
公開番号 特開2009-111007
登録番号 特許第5322044号
出願日 平成19年10月26日(2007.10.26)
公開日 平成21年5月21日(2009.5.21)
登録日 平成25年7月26日(2013.7.26)
発明者
  • 中尾 基
  • 種平 貴文
  • 中野 貴博
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
発明の名称 絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素基板及びその製造方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】絶縁層埋め込み型半導体の炭化珪素基板において、電子デバイス作製に不可避である低抵抗n型不純物層を形成するための工業的な方法を提案すること。
【解決手段】絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素基板に、窒素イオン等の5属イオンを注入しn型不純物層を形成させ、次いで熱処理することからなるn型不純物層を有する絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素基板の製造方法。熱処理は、好ましくは、1200℃以上1410℃未満の温度範囲で、1分以上10分未満の時間範囲で行われる。また、赤外線照射等の手段を用いて、昇温速度が10℃/秒以上の急速加熱の条件下で行うのが好ましい。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


シリコン(珪素)は集積回路用半導体材料として広く用いられており、現在実用化されているパワートランジスタ等の大電力用集積回路も、シリコンで作られているものが多い。しかし、シリコンを用いた半導体は、大電力用の用途の場合、耐電圧の点で必ずしも十分ではないという問題がある。シリコンにおけるこのような欠点を解決するために、半導体材料として炭化珪素が注目されている。



そして、炭化珪素は、熱的、化学的安定性に優れ、機械的強度も強く、放射線照射にも強いという特性から、ポストシリコンとして、これまで数十年間、次世代半導体材料として研究開発が続けられて来ている。炭化珪素の結晶形としては、六方晶(2H、4H、6H等)、立法晶(3C)、菱面体晶(15R)等が知られているが、特に立法晶の炭化珪素
(3C-SiC)は、シリコンとプロセス互換性に優れていること、及びシリコンに比してバンドギャップが大きいため、高温(例えば、500℃)動作や高耐圧動作が可能であるので、様々な用途への展開が期待できる。とりわけ絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素基板を用いたSiCデバイスは、需要拡大が期待されるカーエレクトロニクス分野における次世代電子デバイスや、MEMS(microelectro mechanical systems)技術との一体化を目指した、信号処理・制御に関する集積回路への可能性も模索でき、適用分野は多岐にわたるものと考えられる。



一方、埋め込み絶縁層を有するSOI(Silicon on insulator)基板は、回路の高速化と低消費電力化を図る上で優れており、次世代のLSI基板として有望視されている。従って、これら2つの特徴を融合した絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素基板が半導体デバイス材料として有望であると考えられる。



絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素基板は、SOI(Silicon on insulator、Si膜/SiO膜/Si基板)基板を出発材料として、そのSi膜を炭化してSiC膜とする方法が知られている(例えば、特許文献1と2)。また、シリコン基板の熱酸化処理により得られる、絶縁層と単結晶シリコン層とからなる基板のシリコン層の表面に、炭素含有ガスを供給しつつ加熱して、シリコン層を炭化珪素層に変成させ、絶縁層とシリコン層とからなる基板と絶縁層の側で貼り合わせて、絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素基板を得る方法も知られている(特許文献3)。

【特許文献1】特開2003-224248号公報

【特許文献2】特開2004-296558号公報

【特許文献3】特開2007-27648号公報



炭化珪素半導体において、炭化珪素へのn
型不純物層の形成は、一般に5属のリンイオンや窒素イオンを、炭化珪素表面層(SiC膜)にイオン注入し、その後、イオン注入によって不純物層に形成された格子欠陥を消滅させるために熱処理が行われる。炭化珪素は熱的に安定なので、一般に1600~1700℃の高温で熱処理が行われている。しかし、前記の方法で得られたSiC膜/SiO膜/Si基板を用いた場合、シリコンの融点が約1400℃であり、これを超える高温、長時間の熱処理では、母材であるシリコンが溶融してしまうという問題があった。また、熱処理温度が1500℃以上になると、これまでのシリコンを中心にした材料に適合するように設計されている集積回路製造設備や材料が流用不可能であり、全く新規な設備や工程を構築しなければならず、炭化珪素半導体を用いる集積回路の製造コストを著しく高騰させるという問題もあった。



絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素基板に関するものではないが、炭化珪素半導体のn型不純物層形成する際の、熱処理温度を低下させるための提案もなされている(特許文献3)。
特許文献4に記載された発明は、n型不純物層を有する炭化珪素半導体の製造の際、炭化珪素半導体層に1000~1200℃の温度でシリコンイオンを注入する工程と、このシリコンイオンを注入した炭化珪素半導体層を1000~1200℃の不活性雰囲気中で熱処理する工程と、前記シリコンイオンにほぼ相当する量の窒素イオンを1000~1200℃の温度でイオン注入する工程とを有することを特徴とするものである。しかしながら、かかる方法は工程的に複雑になり、且つ、高性能な電子デバイスを構築するために必要である半導体層の結晶性が、著しく低下するという問題点がある。

【特許文献4】特開平10-64840号公報

産業上の利用分野


本発明は、絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素(SiC)基板、更に詳しくは、n型不純物層を有する絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素基板とその製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
n型不純物層を有する絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素基板の製造方法であって、先ず、SiC膜/SiO膜/Si基板の3層構造を有する絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素基板に、窒素イオン、リンイオン、砒素イオン、アンチモンイオンの群から選ばれた1種又は2種以上の混合物からなるイオンを注入しn型不純物層を形成させ、次いで、昇温速度が10℃/秒以上の急速加熱の条件下で所定の熱処理温度範囲まで昇温し、1200℃以上1410℃未満の温度範囲で、1分以上10分未満の時間熱処理することを特徴とするn型不純物層を有する絶縁層埋め込み型半導体炭化珪素基板の製造方法。
産業区分
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
詳細は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


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