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非結晶性フィブロインフィルムの製造方法 新技術説明会

国内特許コード P09P007077
掲載日 2009年12月11日
出願番号 特願2008-134894
公開番号 特開2009-280715
登録番号 特許第5126841号
出願日 平成20年5月23日(2008.5.23)
公開日 平成21年12月3日(2009.12.3)
登録日 平成24年11月9日(2012.11.9)
発明者
  • 河原 豊
出願人
  • 国立大学法人群馬大学
発明の名称 非結晶性フィブロインフィルムの製造方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】主として、柔軟性と十分な強度を併せ持つ、新規な非結晶性フィブロインフィルムを提供する。
【解決手段】本発明の非結晶性フィブロインフィルムは、蚕の絹糸腺に含まれる液状絹から分離されたフィブロインを主成分原料とし、フィルムが結晶部分と非晶部分とから構成され、フィルム中の結晶化度が10%未満であり、フィルム中に含まれる結晶部分の結晶構造が液状絹中での存在形態であるSilkI型構造からなることを特徴とする。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


蚕が作る絹糸はフィブロインとセリシンの2種のタンパク質から構成される。絹糸中のセリシンを高温水洗浄等により除去して得られる絹フィブロインは、塩化カルシウムの高濃度水溶液等に溶解することが知られており(例えば、特許文献1参照。)、このようにして得られた絹フィブロイン溶液から、再生絹フィブロインフィルムが製造されている。



また、絹フィブロインフィルムは、結晶化させることにより強度を増すため、例えば、コンタクトレンズ、人工皮膚、かつら、発汗用衣料等への利用も検討されている(例えば、特許文献2~4参照。)。



絹フィブロインフィルムを結晶化させる方法としては、例えば、(I)エタノール処理する方法(例えば、非特許文献1参照。)、(II)熱処理する方法(例えば、非特許文献2参照。)が知られている。



しかしながら、上記(I)の方法では、結晶化が急激に進行するため、フィルムの結晶化度の調節は不可能であった。また、局所的な結晶化によってフィルムに歪が生じ、均質な力学特性をもつフィルムの大量供給が困難であった。



上記(II)の方法は、フィルムをガラス転移点(約175℃)まで加熱する必要があるため、絹フィブロインの分解及びフィルムの劣化が同時に進行するという欠点を有していた。



ところで、結晶化させた絹フィブロインフィルムは、柔軟性を失って、硬く脆いという欠点を有している。かかる欠点を解消する方法として、(i)エタノールや水をフィルムに添加して、柔軟性を得る方法、(ii)絹フィブロイン溶液にグリセリンを添加した後に、製膜、結晶化して、柔軟性を得る方法(例えば、非特許文献3参照。)が知られている。

【特許文献1】特開平7-173192号公報

【特許文献2】特開昭63-246169号公報

【特許文献3】特開平1-118545号公報

【特許文献4】特開平11-70160号公報

【非特許文献1】馬越淳、「絹フィブロインの転移機構」、高分子論文集、Vol.31、765-770、1974

【非特許文献2】J. Magoshi and Y. Magoshi, "Physical properties and structure of silk", J.Polym.Sci., Vol.15, 1675-1682, 1977

【非特許文献3】平出真一郎、「絹フィブロインフィルムの柔軟化」、日本蚕糸学雑誌、Vol.66、138-140, 1997

【非特許文献4】陸旋ら、「積層絹シートの柔軟性」、日本蚕糸学雑誌、Vol.65、81-85, 1996

産業上の利用分野


本発明は、非結晶性フィブロインフィルムの製造方法に関するものである。更に詳しくは、絹糸腺中での存在形態であるフィブロインの超分子構造を破壊することなく非結晶性フィブロインフィルムを製造する方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
蚕の体内から摘出した絹糸腺のうち、前記絹糸腺から切り出した中部絹糸腺を10℃以下の温度に維持された純水に浸漬し、前記純水に浸漬した状態で中部絹糸腺から絹糸腺細胞を取り除くことで腺内の液状絹を得る工程と、
前記液状絹を10℃以下の温度に維持された純水に浸して、この浸した状態を保持し、前記液状絹を浸した純水を捨て、再び10℃以下の温度に維持された純水を供給する、純水の交換を一定の間隔で行うことにより、前記液状絹からセリシンの水溶性成分の溶出分離をするとともに、前記液状絹からセリシンの難水溶性成分を分離させ、前記分離して沈澱した沈澱物を取り除く工程と、
前記セリシンを分離した液状絹を10℃以下の温度に維持された純水に溶解させて透明なフィブロイン水溶液を調製する工程と、
前記フィブロイン水溶液をその底部が平滑なフィルム形成容器に入れて前記水溶液を前記容器底部に展開し、前記水溶液を展開した形成容器を0~10℃の乾燥雰囲気に保持し、前記展開した水溶液中の水分を蒸発除去して乾燥固化させて前記容器底部にフィルムを形成する工程と
を含むことを特徴とする非結晶性フィブロインフィルムの製造方法。
産業区分
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008134894thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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