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表皮効果に起因する損失を抑制可能な導波管及び共振器

国内特許コード P09S000250
整理番号 1413
掲載日 2009年12月25日
出願番号 特願2008-527648
登録番号 特許第5062576号
出願日 平成19年6月21日(2007.6.21)
登録日 平成24年8月17日(2012.8.17)
国際出願番号 JP2007000668
国際公開番号 WO2008015772
国際出願日 平成19年6月21日(2007.6.21)
国際公開日 平成20年2月7日(2008.2.7)
優先権データ
  • 特願2006-208789 (2006.7.31) JP
発明者
  • 岩下 芳久
  • 田島 裕二郎
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 表皮効果に起因する損失を抑制可能な導波管及び共振器
発明の概要

本発明は、表皮効果によるエネルギーの損失を抑えることができる導波管及び共振器を提供することを目的とする。中心軸33を共有し導電体から成る外側管31と内側管32間の領域内であって内側管32の表面付近に導電体層35が形成され、内側管32の表面と導電体層35の間にスペーサ層(空間)36が形成されている。スペーサ層36は、スペーサ層36と導電体層35の積層体の中央部35Aよりも端部35Bの方が厚い。このような積層体を設けることにより、表皮効果によるエネルギーの損失を抑えることができる。その効果は中央部35Aと端部35Bでのスペーサ層36の厚さの差が大きくなる程、顕著になる。

従来技術、競合技術の概要


従来より、マイクロ波帯やミリ波帯といった高周波帯において用いられる電磁波の導波管や共振器において、表皮効果によりエネルギーの損失が生じるという問題が生じていた。表皮効果は、交流電流が導電体の表面付近、即ち表面から表皮厚さδ=(2/ωμσ)1/2までの領域にのみ集中する現象をいう(ここで、ωは交流電流の周波数、μは導電体の透磁率、σは導電体の電気伝導率である。)。表皮効果により消費される(即ち損失となる)電力Pは、導体内の電流分布iを用いて、
P=∫|i|2/σdV …(1)
と表される。



(1)式より、消費電力Pを抑制するために、(i)電気伝導率σを大きくすること、及び(ii)電流分布iを制御することが考えられる。このうち電気伝導率σについては、多くの導波管や共振器で用いられている銅(σ=5.96×107S/m)よりも電気伝導率が高い導電体は、実用上、銀(σ=6.30×107S/m)しかなく、たとえ銀を用いたとしても消費電力Pはせいぜい4%程度しか向上させることができない。そのため、電流分布iを制御することを検討する必要がある。



特許文献1には、内部が誘電体で満たされた誘電体共振器において、このようなエネルギーの損失を抑制するために、導電体薄膜と誘電体薄膜が交互に積層した薄膜多層電極を用いることが記載されている。その際、各導電体薄膜及び誘電体薄膜の厚さを最適値にすることにより、各導電体薄膜に電流をバランスよく配分し、それにより表皮効果を緩和することができる、とされている。



また、特許文献2には、特許文献1と同様の誘電体共振器において、薄膜多層電極の各層の面積を共振器の外側から内側にかけて順に小さくすることが記載されている。これにより、各導電体層に流れる実電流を略等しくすることができ、損失を最小限に抑えることができる、とされている。このような薄膜多層電極の一例を、図1を用いて説明する。図1(a)はその薄膜多層電極11及び12を用いた誘電体共振器10の縦断面図であり、(b)は薄膜多層電極11の上面図である。誘電体共振器10は、電磁波が存在する部分となる円柱状の共振器誘電体13の上下に薄膜多層電極11及び12を挟んで成る。薄膜多層電極11は、円板状の導電体111の上に、それよりも外径が小さく中心に孔が設けられた層間誘電体112を載置し、更に層間誘電体112の上にそれと同じ形状の導電体113を載置したものである。薄膜多層電極12も薄膜多層電極11と同様の構成を有する。




【特許文献1】国際公開第95/006336号パンフレット

【特許文献2】特開2004-120516号公報

産業上の利用分野


本発明は、無線通信機器、放送機器、マイクロ波・高周波機器、粒子の加速器等の多くの分野において用いられる、電磁波の導波管あるいは共振器に関し、特にそれらにおいて生じる表皮効果に起因するエネルギーの損失を抑制するための技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 導波管の伝播空間側表面に設けた空洞又は誘電体から成るスペーサ層と該スペーサ層の表面に設けた導電体から成る層を有し、該スペーサ層の厚さが該導電体における表面電流の方向に関して中央部よりも両端部の方が大きくなるように形成されていることを特徴とする導波管。
【請求項2】 前記伝播空間が空洞であることを特徴とする請求項1に記載の導波管。
【請求項3】 前記導電体層及び前記スペーサ層が交互に複数積層していることを特徴とする請求項1又は2に記載の導波管。
【請求項4】 前記伝播空間が同軸に配置された外側管と内側管の間の空間であり、前記導電体層及び前記スペーサ層が内側管の外表面及び外側管の内表面の双方に設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の導波管。
【請求項5】 共振器の共振空間側表面に設けた空洞又は誘電体から成るスペーサ層と該スペーサ層の表面に設けた導電体から成る層を有し、該スペーサ層の厚さが該導電体における表面電流の方向に関して中央部よりも両端部の方が大きくなるように形成されていることを特徴とする共振器。
【請求項6】 前記共振空間が空洞であることを特徴とする請求項5に記載の共振器。
【請求項7】 前記導電体層及び前記スペーサ層が交互に複数積層していることを特徴とする請求項5又は6に記載の共振器
【請求項8】 前記共振空間が同軸に配置された外側管と内側管の間の空間であり、前記導電体層及び前記スペーサ層が内側管の外表面及び外側管の内表面の双方に設けられていることを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載の共振器
産業区分
  • 伝送回路空中線
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008527648thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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