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界面活性剤を使用した組織の染色方法 コモンズ

国内特許コード P09P006474
整理番号 K078P05
掲載日 2009年12月25日
出願番号 特願2008-151315
公開番号 特開2009-296891
登録番号 特許第5301206号
出願日 平成20年6月10日(2008.6.10)
公開日 平成21年12月24日(2009.12.24)
登録日 平成25年6月28日(2013.6.28)
発明者
  • 河崎 洋志
  • 松林 完
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 界面活性剤を使用した組織の染色方法 コモンズ
発明の概要

【課題】蛍光色素での染色と免疫染色とを組み合わせた神経組織の染色方法の提供。
【解決手段】蛍光色素で染色した組織と、ジギトニンまたはキラヤサポニン等のコレステロール特異的界面活性剤とを接触させる工程を含む、目的物質に特異的に結合する抗体等のタンパク質の、蛍光色素で染色した組織への浸透を促進する方法であって、蛍光色素で染色した組織を目的物質に特異的に結合するタンパク質に曝露する前および/または間に行われる、方法。ならびにこの方法に使用される組成物、キット。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


DiI(1,1’-ジオクタデシル-3,3,3’,3’-テトラメチルインドカルボシアニンペルクロレート)のような蛍光性長鎖脂質可溶性カルボシアニン色素は、神経経路の逆行性および順行性トレーシングに広く使用されている。DiIはニューロンの形質膜に容易に取り込まれ、膜内で拡散して、神経経路を順行性および逆行性の両方で標識する。DiIはニューロン全体およびその突起に拡散し、棘突起および成長円錐を含む詳細な構造の可視化を可能にする。DiIは能動的軸索輸送ではなく拡散によってニューロンを標識するので、DiIを使用して、生存組織のみならずアルデヒド固定神経組織におけるニューロン投射をトレースすることができる。このことは、ヒトおよび発生神経解剖学の分野において特に有用である。



DiI標識した軸索、樹状突起および細胞体などの特性を検討するために、DiI標識を蛍光免疫組織化学と組み合わせることが所望される。しかし、残念ながらDiI標識と蛍光免疫組織化学は良好には適合しない。なぜなら、組織中へ抗体の浸透を増強するために一般的に使用される界面活性剤であるTriton X-100は、DiIに標識された構造物からDiIの拡散を引き起こすからである。この制限を克服するためにいくつかのプロトコルが報告されている。1つの方法は、単一の切片に対する逐次的な2段階の手順である(非特許文献1)。DiIの局在を最初に記録し、次いでスライドを免疫組織化学のために、DiIを犠牲にして処理する。しかし、このプロトコルではDiIと免疫蛍光との微細もしくは正確な共局在を検討することは困難である。2つめの方法は、界面活性剤の非存在下での長時間(例えば、室温で3日間)の脳切片の1次抗体とのインキュベーションが蛍光染色パターンを改善することが報告されているが(非特許文献2)、抗体の組織への浸透は、幼若動物を使用した場合でさえ、なお限定的である。3つめの方法として、いくつかの報告では、低濃度の界面活性剤(例えば、Tween 20またはTriton X-100)が使用されているが、これらのプロトコルはニューロン細胞体の局在を検出するためのみに使用されており、軸索のような微細構造は検出されていない(非特許文献3、非特許文献4)。4つめの方法として、別の報告は、DiI標識の、安定ではあるが非蛍光性のジアミノベンジジン反応生成物への光変換が、免疫組織化学に適合することを示している(非特許文献5、非特許文献6)。しかし、上記のようにこの反応成生物は非蛍光性である。従って、DiI標識と免疫蛍光との詳細な共局在を共焦点顕微鏡観察を使用して分析することができる蛍光二重標識を使用することが望まれていた。



DiIにより染色された神経線維などの構造体が、どのような特徴を持つ構造体であるかを知ることは非常に重要である。そのためには、DiIで標識された構造体に、どのようなタンパク質が発現されているかを免疫染色法で検討することが必須となる。しかしながら、上記のように、従来DiIと免疫染色法を組み合わせることが困難であった。

【非特許文献1】Holmqvist, B.I. et al. (1992) J Neurosci Methods 42:45-63

【非特許文献2】Elberger, A.J. et al. (1990) J Histochem Cytochem 38:735-739

【非特許文献3】Lukas, J.R. et al. (1998) J Histochem Cytochem 46:901-910

【非特許文献4】Lee, K.W. et al. (2006) Proc Natl Acad Sci USA 103:3399-3404

【非特許文献5】Papadopoulos, G.C. et al. (1993) J Neurosci Methods 46:251-258

【非特許文献6】von Bartheld, C.S. et al. (1990) J Histochem Cytochem 38:725-733

産業上の利用分野


本発明は、組織の染色方法に関する。詳細には、本発明は、コレステロール特異的界面活性剤を使用して、目的物質に特異的に結合するタンパク質の、蛍光色素で染色した組織への浸透を促進することを特徴とする方法、ならびにこの方法に使用される組成物、キットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
カルボシアニン蛍光色素で染色した組織とコレステロール特異的界面活性剤とを接触させる工程を含む、目的物質に特異的に結合するタンパク質の、カルボシアニン蛍光色素で染色した組織への浸透を促進する方法であって、カルボシアニン蛍光色素で染色した組織を目的物質に特異的に結合するタンパク質に曝露する前および/または間に行われることを特徴とする、方法。

【請求項2】
コレステロール特異的界面活性剤がジギトニンまたはキラヤサポニンである、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
目的物質に特異的に結合するタンパク質が抗体である、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
組織が神経を含む組織である、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
コレステロール特異的界面活性剤を含む、目的物質に特異的に結合するタンパク質の、カルボシアニン蛍光色素で染色した組織への浸透を促進するための組成物。

【請求項6】
コレステロール特異的界面活性剤がジギトニンまたはキラヤサポニンである、請求項に記載の組成物。

【請求項7】
目的物質に特異的に結合するタンパク質が抗体である、請求項5または6に記載の組成物。

【請求項8】
組織が神経を含む組織である、請求項のいずれか1項に記載の組成物。

【請求項9】
コレステロール特異的界面活性剤、ならびにカルボシアニン蛍光色素および/または目的物質に特異的に結合するタンパク質を含む、組織を染色するためのキット。

【請求項10】
コレステロール特異的界面活性剤がジギトニンまたはキラヤサポニンある、請求項に記載のキット。

【請求項11】
目的物質に特異的に結合するタンパク質が抗体である、請求項9または10に記載のキット。

【請求項12】
組織が神経を含む組織である、請求項11のいずれか1項に記載のキット。
産業区分
  • 微生物工業
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 生命システムの動作原理と基盤技術 領域
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