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ケラチンフィルムを用いた毛髪損傷度測定方法 コモンズ 新技術説明会 実績あり

国内特許コード P09P006723
整理番号 NI0800017
掲載日 2009年12月25日
出願番号 特願2008-153512
公開番号 特開2009-300191
登録番号 特許第5025013号
出願日 平成20年6月11日(2008.6.11)
公開日 平成21年12月24日(2009.12.24)
登録日 平成24年6月29日(2012.6.29)
発明者
  • 川副 智行
  • 渡辺 智子
  • 藤井 敏弘
出願人
  • 株式会社 資生堂
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 ケラチンフィルムを用いた毛髪損傷度測定方法 コモンズ 新技術説明会 実績あり
発明の概要 【課題】測定値のばらつきが改善され、簡便な、毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法を提供する。
【解決手段】毛髪を蛋白質変性剤および還元剤により溶解させた毛髪ケラチン蛋白質溶液と、展開用溶液とを接触させ、乾燥させた後に得られるケラチンフィルムを用いた、毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要 毛髪を損傷させる要因として、紫外線照射、大気中の埃、ドライヤーの熱、コーミングによる摩擦、過度の洗髪、パーマ、染色・染毛剤の使用等が挙げられる。近年、種々の要因によって引き起こされる毛髪の損傷に関する研究が盛んに行われており、その損傷度を測定することが求められている。
毛髪は簡単に採取できる生体試料であり、加工・処理も容易であることから、毛髪損傷度を測定する手法としては、毛髪の損傷に伴う毛髪の物理特性の変化を測定するものが多い。中でも毛軸方向への伸長応力は、損傷により低下する毛髪強度の指標として有効であり、引っ張り強度試験として汎用されている(例えば特許文献1を参照)。この手法を用いて、損傷度を測定するためには、初期値もしくは比較対象となる損傷の少ない健常毛髪を入手し、この毛髪に対し損傷処理を行い、引っ張り強度にて損傷度を定量化するものである。さらに改善した手法としては、毛髪を長手方向に沿って引き裂いて引き裂き強度を求め、該引き裂き強度に基づいて毛髪の損傷度を評価する手法も開発されている(例えば、特許文献2を参照)。しかしながら、これらの測定法は毛髪の物理特性変化を測定することから、大きな物理特性変化を伴う損傷に限定されてしまい、物理特性変化を伴わない微細な初期損傷を検出することができないという課題があった。

これらを解決するために本発明者らは、毛髪の物理特性以外の指標として、毛髪損傷に伴い溶出してくタンパク質の量の変化を測定する手法(例えば、特許文献3を参照)を開発している。本手法は物理特性変化に反映しない毛髪の初期ダメージを検出するのに有効である。しかしながら、本手法は毛髪構成タンパク質の変性によって起こる二次的な現象を検出するものであるため、より直接的な損傷検出が望まれていた。

そこで本発明者らは、毛髪内部で発生するタンパク変性を直接的に検出する手法として、毛髪損傷に伴い発生する毛髪内のカルボニル基の定量を蛍光色素を用いて測定する方法を提案している(例えば、特許文献4を参照)。この手法は、毛髪物性特性に反映しないような初期損傷を定量化でき、蛍光色素を用いることで高感度な損傷度の定量法であった。

しかしながら、これらの手法はいずれも初期値もしくは比較対象となる健常毛髪が必要であることから、測定法の感度以前に、初期値もしくは比較対象となる健常毛髪のダメージ履歴や個体差に依存したばらつきが問題となっていた。毛髪は外観でダメージをどれくらい受けているかを判別する方法がなく、検出感度が上がればあがるほど損傷程度の同じ毛髪を準備する必要がある。しかしながら、実際のところこれを制御する処方はなく、毛髪構成タンパク質を維持しながら、ダメージ履歴や個体差を均一化する処理方法の開発が課題となっていた。

前述の問題を解決するものとして、既に本発明者等は、効率性が良く、ありのままに近い状態で解析に適したケラチン蛋白質の抽出法に関し報告している(例えば、特許文献5を参照)。すなわち、還元剤共存下で特定の尿素系の化合物で毛髪を処理し、毛髪コルテックス部位を構成するミクロフィブリンと細胞間充物質あるマトリックスのケラチン蛋白質を溶出させて採取し、この溶出後の残渣から形状を維持したキューティクル部位を採取するものである。さらに本発明者等は、この方法をさらに改良して採取したケラチン蛋白質から構成されたフィルム、ゲル等の成形品の製造方法をも提供している(例えば、特許文献6を参照)。本フィルムは毛髪構成タンパク質を変性させることなく保持していることがすでに判明している(例えば、非特許文献1を参照)。

【特許文献1】特公平3-10899号公報
【特許文献2】特開2002-282240号
【特許文献3】特許公報 第3862665号
【特許文献4】WO2005/057211
【特許文献5】特開2002-114798号公報
【特許文献6】特開2002-332357号公報
【非特許文献1】日本香粧品学会誌 Vol.30, No.1, pp.5-9 (2006)

産業上の利用分野 本発明は、ケラチンフィルムを用いた毛髪損傷度測定方法、特にその診断能の改善に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
毛髪を蛋白質変性剤および還元剤により溶解させた毛髪ケラチン蛋白質溶液と、展開用溶液とを接触させ、乾燥させた後に得られるケラチンフィルムを用いた、毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。

【請求項2】
請求項1に記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記蛋白質変性剤が尿素および/またはチオ尿素であることを特徴とする毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。

【請求項3】
請求項1または2に記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記展開用溶液が過塩素酸溶液、グアニジン塩酸溶液、酢酸緩衝液、酢酸溶液から選択される1種または2種以上であることを特徴とする毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記還元剤が2-メルカプトエタノール、ジチオスレイトール、チオグリコール酸から選択される1種または2種以上であることを特徴とする毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記ケラチンフィルムが、前記毛髪ケラチンタンパク質溶液へ展開用溶液を混合し、該混合溶液を水中に注入することにより得られることを特徴とする毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。

【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記ケラチンフィルムが、前記毛髪ケラチン蛋白質溶液を展開用溶液中に注入することにより得られることを特徴とする毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。

【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記ケラチンフィルムが、展開用溶液を前記毛髪ケラチンタンパク質溶液中に注入することにより得られることを特徴とする毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。

【請求項8】
請求項5に記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記展開用溶液が酢酸溶液であることを特徴とする毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。

【請求項9】
請求項6または7に記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記展開用溶液が酢酸緩衝液であることを特徴とする毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。

【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記毛髪処理剤がブリーチ剤、ヘアカラー剤、毛髪洗浄剤から選択される1種または2種以上であることを特徴とする毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。

【請求項11】
下記工程を備えることを特徴とする、請求項1に記載の毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。
(I)ケラチンフィルムを毛髪処理剤に接触させる。
(II)毛髪処理剤接触後のケラチンフィルムを還元剤または変性剤溶液に接触させ、タンパク質を抽出する。
(III)前記抽出液におけるタンパク質量を測定する。

【請求項12】
請求項11に記載の毛髪損傷度の測定方法において、
(I)工程が、さらに、ケラチンフィルムを接触させた毛髪処理剤中のタンパク質量を測定することを含むことを特徴とする毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。

【請求項13】
請求項11または12に記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記還元剤溶液が、5%2-メルカプトエタノール溶液であることを特徴とする毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。

【請求項14】
請求項11または12に記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記変性剤溶液が、8M尿素溶液であることを特徴とする毛髪処理剤による毛髪損傷度の測定方法。
国際特許分類(IPC)
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