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脳機能データ解析方法、脳機能解析装置及び脳機能解析プログラム 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P09S000254
整理番号 TDU-099
掲載日 2010年1月12日
出願番号 特願2007-539917
登録番号 特許第4308871号
出願日 平成18年10月6日(2006.10.6)
登録日 平成21年5月15日(2009.5.15)
国際出願番号 PCT/JP2006/320078
国際公開番号 WO2007/043462
国際出願日 平成18年10月6日(2006.10.6)
国際公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
優先権データ
  • 特願2005-298236 (2005.10.12) JP
発明者
  • 月本 洋
出願人
  • 東京電機大学
発明の名称 脳機能データ解析方法、脳機能解析装置及び脳機能解析プログラム 実績あり 外国出願あり
発明の概要 【要約】 脳機能データと拡散テンソルデータとを取得し(S10)、該拡散テンソルデータに基づき隣接ボクセル間の結合度を算出し(S30)、該脳機能データと該隣接ボクセル間の結合度に基づきデータ評価量を構成し(S40)、該データ評価量をノンパラメトリック回帰分析し(S50)、分析結果に基づき画像を生成し表示する(S60,S70)。
従来技術、競合技術の概要 【背景技術】現在、代表的な脳の非侵襲計測方法としては、fMRIやPET、MEG(magnetoencephalography:脳磁図)等があるが、このうちデータの空間的分解能が最も高いとされ、広く使用されているのがfMRIである。fMRIは、脳の活性部位を特定可能とする各種の物理量を測定量としてイメージングするものであり、脳機能の計測に対して有効な手法である(非特許文献1及び2を参照)。fMRIは、脳の構造をイメージングする解剖MRIの原理と同じく、生体内組織のプロトン密度や縦緩和時間T1、横緩和時間T2を反映するものであるが、特に、脳の活性部位における血流量の増加を捉える点に特徴を有する。脳の活性部位においては局所的に血流量が増加することが知られており、血液中のヘモグロビンは、酸素が結合した状態(酸素化ヘモグロビン)と離れた状態(脱酸素化ヘモグロビン)とでその磁気的性質が異なる。増加した動脈血では磁場を乱す脱酸素化ヘモグロビンの量が少なくなるため、活性部位のfMRI信号(BOLD信号)が増加すると考えられる。したがって、fMRIを用いれば、被験者があるタスクを行っているときのBOLD信号の変化を手がかりにして、そのタスクに関係した脳の部位(活性部位)を特定することができる。fMRIにより計測されたBOLD信号の時系列データを解析する際の代表的な手法としては、一般線形モデルに基づいたSPM(Statistical Parametric Mapping)(非特許文献1を参照)や主成分分析、独立成分分析に基づいたデータ解析(非特許文献3を参照)等がある。これらの手法の特徴は、BOLD信号の時系列データを3次元画素(Voxel:ボクセル)毎に個別に統計処理した結果を画像として出力し、脳の活性部位を特定することにある。しかしながら、上記の解析手法においては、データ解析の際に、神経のネットワーク構造が考慮されていないという課題がある。脳は多数の神経細胞がシナプスを介して複雑なネットワークを構成しており、近年の脳科学の知見によれば、脳はこのような神経ネットワークを介して各部位が互いに連携することで全体として一つの高次脳機能を果たしていると考えられている。例えば、被験者があるタスクを行う際に、脳の複数の部位が活性化するといった現象が観測されるが、この現象を上記の解析手法によって解析すると、各活性部位を特定することは可能となるが、活性部位間の結合を特定することは困難である。これにはそもそも以下の理由がある。つまり、上述したようにfMRIにより計測されるBOLD信号は血流量に基づいているため、脳内において血流量が相対的に多い灰白質(神経細胞の細胞体)の活性は捉えられるが、血流量が相対的に少ない白質(神経細胞の軸索、又は神経線維)の活性はfMRIでは捉えにくいからである。一方において、神経ネットワーク構造の基盤となるこのような神経線維群の走行方向を捉えるために、近年、MRIによる新たな観測量として生体組織内のプロトンの拡散の度合いを計測するDTI(Diffusion Tensor Imaging:拡散テンソル撮像)法が注目を集めている(非特許文献4を参照)。通常の解剖MRIを利用する場合、神経線維はT1強調画像で高信号、T2強調画像で低信号となる。神経線維がT1強調画像で高信号化する理由はミエリンの存在にあり、ミエリンは二層構造の脂質や巨大タンパク質から成り、神経線維の走行方向に沿って配列するという形態をとる。したがって、神経線維の走行方向ではプロトンの拡散定数が大きく、それに直交する方向では拡散定数が小さいといった異方性が生じる。DTIは、プロトンの拡散を強調するためのMPG(Motion Probing Gradient:傾斜磁場):
【数1】
を印加することによって拡散の異方性を計測する手法であり、例えば、SE(Spin Echo)パルスの前後に拡散検出用のSTG(Stejskal-Tanner Gradient)パルスを加えたST(Stejskal-Tanner)パルス系列によって得られるBOLD信号の強度S’(l,m,k,i)を計測するものである。ここで、l,m,kはボクセルの位置を表す正の離散変数であり、それぞれ、ボクセルのX方向、Y方向、Z方向の座標を表す。また、iは、測定時間を表す正の離散変数である。該BOLD信号の強度S’(l,m,k,i)は、
【数2】
と書くことができ、拡散強調画像を生成する際には式(1)における拡散テンソル
【数3】
がデータ解析の対象となる。ここで、ρ’(l,m,k,i)はMPGを印加しない場合のBOLD信号(通常の脳機能解析におけるデータ解析の対象)の強度を表し、bはMPGの強さを表すパラメータである。なお、ρ’(l,m,k,i)は、
【数4】
と表される。ここで、f(ν)は流速、TRは繰り返し時間、TEはエコー時間、そしてξ’(l,m,k,i)はプロトン密度を表す。現在、fMRIにより計測されて得られたBOLD信号の時系列データρ’(l,m,k,i)を解析した後に、脳の関心領域(Region of Interest:ROI)を拡散テンソルデータD(l,m,k)によって接続するといった脳機能解析方法が用いられつつある(非特許文献5を参照)。
【非特許文献1】“Human Brain Function:2nd-Ed.”, Richard S. J. Frackowiak, et al, ELSEVIER ACADEMIC PRESS, 2004
【非特許文献2】“Image of Mind”, M. I. Posner and M. E. Raichle, W H Freeman & Co, 1997
【非特許文献3】“Independent Component Analysis: Theory and Applications”, T.-W. Lee, Kluwer Acadmic, 1988
【非特許文献4】“これでわかる拡散MRI”青木 茂樹, 阿部 修,秀潤社,2002
【非特許文献5】“Combined functional MRI and tractography to demonstrate the connectivity of the human primary motor cortex in vivo”, Guye M,et al., Neuroimage, Vol.19, pp.1349-1360, 2003
産業上の利用分野 本発明は、fMRI(functional Magnetic Resonance Imaging:機能的磁気共鳴撮影)やPET(Positron Emission Tomography:陽電子断層撮影)等の計測手法により得られる各種のデータを用いて脳機能を解析するための脳機能解析方法および脳機能解析プログラムに関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 ボクセル単位で取得された、脳内のプロトンの拡散度を特定可能とする拡散テンソルデータに基づき隣接ボクセル間の結合度の評価量を構成し、 前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき、前記ボクセル単位で取得された、脳の活性部位を特定可能とする脳機能データの解析を行う、ことを含む、脳機能データ解析方法。
【請求項2】 前記脳機能データの解析を行うことは、前記脳機能データ及びタスクの一方を説明変数とし、前記脳機能データ及び前記タスクの他方を被説明変数とする回帰分析により、前記脳機能データのボクセル毎の評価量に前記隣接ボクセル間の結合度の評価量を組み込んだ評価量の最小値及び最大値の一方を算出することを含む、請求項1記載の脳機能データ解析方法。
【請求項3】 前記脳機能データの解析を行うことは、前記脳機能データの検定の基準値を前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき調整することを含む、請求項1記載の脳機能データ解析方法。
【請求項4】 前記脳機能データの解析を行うことは、前記脳機能データの分類の基準値を前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき調整することを含む、請求項1記載の脳機能データ解析方法。
【請求項5】 前記脳機能データの解析を行うことは、前記脳機能データと所定のモデルとの相関の基準値を前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき調整することを含む、請求項1記載の脳機能データ解析方法。
【請求項6】 前記脳機能データの解析を行うことは、前記脳機能データから主要な成分を抽出する抽出の基準値を前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき調整することを含む、請求項1記載の脳機能データ解析方法。
【請求項7】 前記脳機能データの解析を行うことは、前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき前記脳機能データを平滑化することを含む、請求項1記載の脳機能データ解析方法。
【請求項8】 前記脳機能データの解析を行うことは、前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき前記脳機能データをクラスタリングすることを含む、請求項1記載の脳機能データ解析方法。
【請求項9】 前記拡散テンソルデータに基づき、前記脳機能データから特定される活性部位ボクセルの脳機能データの値を他のボクセルの脳機能データの値に伝播させる前処理を施すことをさらに含む、請求項1記載の脳機能データ解析方法。
【請求項10】 コンピュータを、 脳の活性部位を特定可能とする脳機能データをボクセル単位で取得する脳機能データ取得手段と、 前記脳内のプロトンの拡散度を特定可能とする拡散テンソルデータをボクセル単位で取得する拡散テンソルデータ取得手段と、 前記拡散テンソルデータに基づき隣接ボクセル間の結合度の評価量を構成するデータ評価量構成手段と、 前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき前記脳機能データの解析を行うデータ解析手段と、 して機能させることを特徴とする脳機能解析プログラム。
【請求項11】 請求項10に記載の脳機能解析プログラムにおいて、前記データ解析手段は、前記脳機能データ及びタスクの一方を説明変数とし、前記脳機能データ及び前記タスクの他方を被説明変数とする回帰分析する手段であって、前記脳機能データのボクセル毎の評価量に前記隣接ボクセル間の結合度の評価量を組み込んだ評価量の最小値及び最大値の一方を算出することを特徴とする脳機能解析プログラム。
【請求項12】 請求項10に記載の脳機能解析プログラムにおいて、前記データ解析手段は、前記脳機能データを検定する手段であって、前記検定の基準値を前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき調整することを特徴とする脳機能解析プログラム。
【請求項13】 請求項10に記載の脳機能解析プログラムにおいて、前記データ解析手段は、前記脳機能データを分類する手段であって、前記分類の基準値を前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき調整することを特徴とする脳機能解析プログラム。
【請求項14】 請求項10に記載の脳機能解析プログラムにおいて、前記データ解析手段は、前記脳機能データと所定のモデルとの相関をとる手段であって、前記相関の基準値を前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき調整することを特徴とする脳機能解析プログラム。
【請求項15】 請求項10に記載の脳機能解析プログラムにおいて、前記データ解析手段は、前記脳機能データから主要な成分を抽出する手段であって、前記抽出の基準値を前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき調整することを特徴とする脳機能解析プログラム。
【請求項16】 請求項10に記載の脳機能解析プログラムにおいて、前記データ解析は、前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき前記脳機能データを平滑化することを特徴とする脳機能解析プログラム。
【請求項17】 請求項10に記載の脳機能解析プログラムにおいて、前記データ解析手段は、前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき前記脳機能データをクラスタリングすることを特徴とする脳機能解析プログラム。
【請求項18】 請求項10乃至17のいずれかに記載の脳機能解析プログラムにおいて、前記コンピュータを、前記拡散テンソルデータ取得手段によって取得した拡散テンソルデータに基づき、前記脳機能データ取得手段によって取得した脳機能データから特定される活性部位ボクセルの脳機能データの値を他のボクセルの脳機能データの値に伝播させる前処理を施すデータ前処理手段として機能させることを特徴とする脳機能解析プログラム。
【請求項19】 脳の活性部位を特定可能とする脳機能データをボクセル単位で取得する脳機能データ取得手段と、 前記脳内のプロトンの拡散度を特定可能とする拡散テンソルデータをボクセル単位で取得する拡散テンソルデータ取得手段と、 前記拡散テンソルデータに基づき隣接ボクセル間の結合度の評価量を構成するデータ評価量構成手段と、 前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき前記脳機能データの解析を行うデータ解析手段と、 を備えたことを特徴とする脳機能解析装置。
【請求項20】 請求項19に記載の脳機能解析装置において、前記データ解析手段は、前記脳機能データ及びタスクの一方を説明変数とし、前記脳機能データ及び前記タスクの他方を被説明変数とする回帰分析する手段であって、前記脳機能データのボクセル毎の評価量に前記隣接ボクセル間の結合度の評価量を組み込んだ評価量の最小値及び最大値の一方を算出することを特徴とする脳機能解析装置。
【請求項21】 請求項19に記載の脳機能解析装置において、前記データ解析手段は、前記脳機能データを検定する手段であって、前記検定の基準値を前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき調整することを特徴とする脳機能解析装置。
【請求項22】 請求項19に記載の脳機能解析装置において、前記データ解析手段は、前記脳機能データを分類する手段であって、前記分類の基準値を前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき調整することを特徴とする脳機能解析装置。
【請求項23】 請求項19に記載の脳機能解析装置において、前記データ解析手段は、前記脳機能データと所定のモデルとの相関をとる手段であって、前記相関の基準値を前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき調整することを特徴とする脳機能解析装置。
【請求項24】 請求項19に記載の脳機能解析装置において、前記データ解析手段は、前記脳機能データから主要な成分を抽出する手段であって、前記抽出の基準値を前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき調整することを特徴とする脳機能解析装置。
【請求項25】 請求項19に記載の脳機能解析装置において、前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき前記脳機能データを平滑化するデータ平滑化手段をさらに備えたことを特徴とする脳機能解析装置。
【請求項26】 請求項19に記載の脳機能解析装置において、前記隣接ボクセル間の結合度の評価量に基づき前記脳機能データをクラスタリングするデータクラスタリング手段をさらに備えたことを特徴とする脳機能解析装置。
【請求項27】 請求項19乃至26のいずれかに記載の脳機能解析装置において、前記拡散テンソルデータ取得手段によって取得した拡散テンソルデータに基づき、前記脳機能データ取得手段によって取得した脳機能データから特定される活性部位ボクセルの脳機能データの値を他のボクセルの脳機能データの値に伝播させる前処理を施すデータ前処理手段をさらに備えたことを特徴とする脳機能解析装置。
産業区分
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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