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スピン偏極電子発生素子 コモンズ

国内特許コード P09P004758
整理番号 NU-0078
掲載日 2010年1月12日
出願番号 特願2006-060673
公開番号 特開2008-198360
登録番号 特許第4769941号
出願日 平成18年3月7日(2006.3.7)
公開日 平成20年8月28日(2008.8.28)
登録日 平成23年7月1日(2011.7.1)
発明者
  • 宇治原 徹
  • 竹田 美和
  • 中西 彊
  • 山本 将博
  • 陳 博
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 スピン偏極電子発生素子 コモンズ
発明の概要 【課題】高い量子効率QEが得られる偏極電子線発生素子を提供する。
【解決手段】偏極電子線発生素子10の半導体基板12の一面上において、バッファ層15の格子定数αbufferが、その上に成長させられた半導体光電層16を構成する第1半導体層16aの格子定数α1 と第2半導体層16bの格子定数α2 との間の値とされていることから、それら第1半導体層16aおよび第2半導体層16bにおける引張および圧縮が交互になり、歪みが蓄積され難くなって格子欠陥の発生が減少するので、半導体光電層16を構成する第1半導体層16aおよび第2半導体層16bの積層回数を増加させることができ、高い量子効率QEが得られる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


スピン方向が2種類のうちの一方に偏在しているスピン偏極電子群から成る偏極電子線は、たとえば、高エネルギ素粒子の実験分野においては素粒子間の相互作用に関する理論の検証実験での次世代型電子線加速器において、また、物性物理の実験分野においては物質表面の磁区構造を探査する装置においてそれぞれ有効な手段として利用されている。この偏極電子線は、価電子帯にバンドスプリッテイングを有する半導体光電層を備えたスピン偏極電子発生素子を用い、その半導体光電層に円偏光レーザ光である励起光を入射させることにより取り出すことが可能である。このスピン偏極電子発生素子としては、たとえばGaAsP半導体の上に、それよりもバンドギャップが小さく且つ格子定数が異なるGaAs半導体を半導体光電層として結晶成長させたストレインド半導体が知られている。これによれば、GaAsP半導体に対して格子定数の異なるGaAs半導体が結合されることによりそのGaAs半導体には格子歪みが付与されるため、そのGaAs半導体の価電子帯にバンドスプリッティングが発生し、ヘビーホール(重い正孔)のミニバンドとライトホール(軽い正孔)のミニバンドとの間にエネルギ準位差が生じる一方、両サブバンドの励起によって取り出される電子のスピン方向が反対であるため、エネルギ準位の高い方すなわち伝導帯とのエネルギギャップが小さい方のミニバンドのみを励起できる光エネルギをGaAs半導体に注入すれば、一方のスピン方向の偏極電子群が発生し、それを高電場をかけて半導体表面から真空中へ引き出すことにより、高いスピン偏極度を備えた電子線が得られるのである。



たとえば、特許文献1に記載のスピン偏極電子発生素子がそれである。これら従来のスピン偏極電子発生素子では、半導体光電層が量子化されたエネルギ順位を形成する歪み超格子により構成され、比較的高いスピン偏極度(偏極率)ESP(%)および量子効率QEが得られるとされている。
【特許文献1】
特開2000-90817号公報

産業上の利用分野


本発明は、スピン方向が偏在している偏極電子線を発生するスピン偏極電子発生素子の改良に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
半導体基板と、該半導体基板の一面に結晶成長させられ該半導体基板とは異なる格子定数を有するバッファ層と、格子定数が互いに相違し且つ互いに隣接する第1半導体層および第2半導体層が交互に該バッファ層の上に複数対成長させられることにより構成されて価電子帯にバンドスプリッティングを有する半導体光電層とを備え、該半導体光電層に励起光が入射されることにより該半導体光電層からスピン方向が偏在しているスピン偏極電子を発生するスピン偏極電子発生素子であって、
前記バッファ層の格子定数は、前記第1半導体層の格子定数と前記第2半導体層の格子定数との間の値を有していることを特徴とするスピン偏極電子発生素子。

【請求項2】
前記バッファ層の格子定数をαbuffer、前記第1半導体層の格子定数をα1 、前記第2半導体層の格子定数をα2 としたとき、次式を満足することを特徴とする請求項1のスピン偏極電子発生素子。
αbuffer=α1 +(1/2)(1+k)・(α2 -α1
但し、kは範囲を設定する定数であり、-1≦k≦1である。

【請求項3】
前記半導体光電層は、前記第1半導体層としてのGaAs層と前記第2半導体層としてのGaAsP層とが交互に積層されることにより厚み方向に複数の井戸型ポテンシャルを有する超格子構造によるミニバンドが形成された歪み超格子層から構成されていることを特徴とする請求項1または2のスピン偏極電子発生素子。

【請求項4】
前記バッファ層と前記基板との間には、該基板の格子定数から該バッファ層の格子定数へ段階的または連続的に変化する格子定数を備えた1または2以上のグレーディドバッファ層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかのスピン偏極電子発生素子。

【請求項5】
半導体基板と、該半導体基板の一面に結晶成長させられたバッファ層と、格子定数が互いに相違し且つ互いに隣接する第1半導体層および第2半導体層が交互に該バッファ層の上に複数対成長させられることにより構成されて価電子帯にバンドスプリッティングを有する半導体光電層とを備え、該半導体光電層に励起光が入射されることにより該半導体光電層からスピン方向が偏在しているスピン偏極電子を発生するスピン偏極電子発生素子であって、
前記バッファ層は、前記基板から成長させられ、該基板の格子定数差が小さい状態から大きくなるように段階的に順次変化する格子定数をそれぞれ備えた複数のグレーディドバッファ層を含むことを特徴とするスピン偏極電子発生素子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006060673thum.jpg
出願権利状態 登録
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