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超電導マグネットの励磁方法及び超電導マグネット装置

国内特許コード P09S000271
掲載日 2010年1月15日
出願番号 特願2007-507060
登録番号 特許第4201286号
出願日 平成18年3月1日(2006.3.1)
登録日 平成20年10月17日(2008.10.17)
国際出願番号 JP2006303839
国際公開番号 WO2006095614
国際出願日 平成18年3月1日(2006.3.1)
国際公開日 平成18年9月14日(2006.9.14)
優先権データ
  • 特願2005-063567 (2005.3.8) JP
発明者
  • 松下 照男
  • 小田部 エドモンド 荘司
  • 木内 勝
  • 坂本 進洋
  • 阿久根 忠博
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
  • 学校法人 中村産業学園
発明の名称 超電導マグネットの励磁方法及び超電導マグネット装置
発明の概要 超電導マグネットの磁束クリープ現象を、簡単に防止又は抑制するための方法と、その様な効果を有する超電導マグネット装置を提供することを目的とし、超電導マグネットを励磁するに際し、予め、超電導マグネット内部の磁束分布を、磁束クリープの起こりにくい形に変化させておくために、超電導マグネットの外部の磁界をコントロールすることからなる超電導マグネットの励磁方法と装置である。具体的には、超電導マグネットを、例えば、外層のバイアスマグネットと内層のマグネットから構成された超電導マグネットの場合には、外層のマグネットに磁界が印加された状態で、内層のマグネットに、当初振動電流を流し、次いで所定の電流値に設定するか、又は、外層のマグネットに所定の磁界よりも高い磁界を印加した状態で、内層のマグネットに電流を流し、次いで、外層のマグネットの磁界を所定の磁界に設定する方法。
従来技術、競合技術の概要


超電導体は、臨界温度以下に冷却すると、電気抵抗がゼロの超電導状態になるという性質を有する。従って、超電導体を用いて線材を作りこの線材を用いてコイルを製作すると、臨界温度以下で損失が非常に少ない超電導マグネット(電磁石)を作ることができる。この超電導マグネットは抵抗がゼロであるので、電流通電中にジュール損失が無く発熱を伴わず、且つ、高い磁界を発生させることができる等の特徴がある。この超電導マグネットに永久電流スイッチという装置を付け、一旦流した電流を超電導の閉回路にすると、超電導マグネットを電源から切り離しても、電流は減少することなく流れ続けるので、一定の磁界を長時間印加し続けることが出来る永久電流モードの超電導マグネットが形成される。電源を接続しているときは、電源電流の変化により磁界が変化するので、超電導マグネットの磁界の精度は必ずしも良くはないが、一旦永久電流モードに移行すると、磁界の安定度は格段に向上するという特徴がある。



この様に、永久電流モードでは、長時間に亘って安定度の良い高磁界を保つことができる。そのため、高い安定性を有する磁界が必要とされる分野、例えば、CTスキャンで使われるMRI(磁気共鳴映像)やNMR(核磁気共鳴)で、一定の磁界を印加する目的に使用されている。かかる装置においては、磁界が変動すると共鳴周波数が異なるために、結果として映像が乱れたり、間違った測定を行ってしまうので、特に安定な磁界が必要とされるのである。



ところで、超電導マグネットを永久電流モードで運転して一定の磁界を長時間得ようとしても、実際には、磁束クリープ現象により永久電流が緩和するため、磁界は徐々に小さくなってしまう。この磁束クリープ現象は以下の様に説明される。



超電導体が抵抗ゼロであるのは、厳密には磁束が超電導体に入らないマイスナー状態のみであり、これは低い磁界でのみ実現される。一方、高い磁界中では磁束は超電導体に入り混合状態になる。侵入した磁束は、ピンニングセンターと呼ばれる超電導体内の不純物に補捉されて、動かない状態になる。磁束を補捉するこの力をピン力という。ローレンツ力、即ち(磁界の大きさ)×(電流密度の大きさ)がピン力よりも小さいときには、磁束線はピンニングセンターに捕らわれており、磁束は動かないので、抵抗はゼロである。従って、この状態では、臨界電流密度(ある超電導体に流し得る単位面積当たりの最大電流)までの電流密度に対して、超電導体は抵抗を生じず、損失はない。なお、臨界電流密度はピン力に比例するという性質がある。



臨界電流密度以下の電流密度で磁束がピンニングセンターに補捉され続ければ、永久電流となる。しかし有限温度下では、確率的に、補捉された磁束がピンニングセンターから外れて移動することが起こる。これが磁束クリープ現象である。磁束クリープ現象が起こると、磁束線が外部から超電導体に更に侵入したり、条件によっては外に少しずつ出ていってしまうので、磁界が変化することになる。従って、磁束クリープ現象が起こると一定の磁界を保つことができない。この様に磁界は磁束クリープ現象で緩和してしまう。こうした磁束クリープ現象は、温度や磁界が高いと顕著となる。最近注目されている高温酸化物超電導体では、使用温度が高いために、従来の極低温で使われていた金属系超電導体に比べて磁束クリープの問題が深刻となるのである。従って、磁束クリープ現象を抑える何らかの方法・手段が必要となる。



従来、一般的には、こうした磁束クリープ現象が生じて磁界が減少したときには、一旦永久電流モードを解いて電源をつなぎ直し、再度磁界を印加し直すという手法が行われていた。その他にも、磁束クリープ現象を減少又は抑制する方法が提案されている。例えば、特開平11-164820号(特許文献1)では、超電導コイルに対応した補償コイルを用いて、磁束クリープで抜けた磁束だけ補償コイルで磁束を補充する(磁束ポンプ)方法で、磁界の減衰を防ぐ方法が提案されている。また、超電導体の温度を調節することによって、永久電流を安定化する試みも提案されている(特許文献2)。しかし、これらの方法では、装置が複雑になるという欠点がある。
【特許文献1】
特開平11-164820号公報
【特許文献2】
米国特許第5270291号明細書

産業上の利用分野


本発明は、超電導マグネットの励磁方法、特に磁束クリープ現象を防止又は抑制するための励磁方法、及び、その様な効果を有する超電導マグネット装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
超電導コイルからなる超電導マグネットであって、外層のバイアスマグネットと内層のマグネットから構成された超電導マグネットを励磁するに際し、外層のバイアスマグネットに所定の磁界よりも高い磁界を印加した状態で、内層のマグネットに電流を流し、次いで、外層のバイアスマグネットの磁界を前記所定の磁界に設定することを特徴とする超電導マグネットの励磁方法。
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 登録
詳細は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


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