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感染症起因菌の迅速同定方法

国内特許コード P09S000280
整理番号 TOYAMA-P2006001
掲載日 2010年1月22日
出願番号 特願2008-501721
登録番号 特許第4590573号
出願日 平成19年2月20日(2007.2.20)
登録日 平成22年9月24日(2010.9.24)
国際出願番号 JP2007053078
国際公開番号 WO2007097323
国際出願日 平成19年2月20日(2007.2.20)
国際公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
優先権データ
  • 特願2006-043469 (2006.2.21) JP
  • 特願2006-278371 (2006.10.12) JP
発明者
  • 仁井見 英樹
  • 北島 勲
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 感染症起因菌の迅速同定方法
発明の概要

【課題】
感染症起因菌、とりわけ敗血症の起因菌を迅速に検出・同定し、適切な抗菌薬を選択するシステムを提供すること。
【解決手段】
本発明は、リアルタイムPCRなどの遺伝子増幅を行い、遺伝子増幅産物の融解曲線分析により求めた融解温度(Tm値)の組合せ、或いは各Tm値間の差の組合せを解析することにより起因菌の検出・同定を迅速に行う方法である。
具体的には細菌の16SリボソームRNAに1~7つ、真菌の18SリボソームRNAに1~6つ、MRSA特異的なspa遺伝子およびmecA遺伝子に各1つ、計4~16つのプライマーセットを使用してリアルタイムPCRを行い、その増幅物のTm値の組合せ、或いは各Tm値間の差の組合せをデータベースと照合し、敗血症起因菌の同定を行う。
本発明の方法により、感染症起因菌、とりわけ敗血症の起因菌を迅速に検出・同定することができ、敗血症の迅速診断法と敗血症治療におけるEvidence-based Medicineが可能となる。

従来技術、競合技術の概要


敗血症は重篤な全身感染症で、確定診断には血液中の起因微生物の検出・同定が必須である。
近年、癌治療や臓器移植など医療の高度化に伴い、敗血症発症のリスクの高い重症患者が増えている。
また、院内感染の観点からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)をはじめとする多剤耐性菌が敗血症の起因菌となることも多く、適切な抗菌薬を選択し患者を救命するためには、血液中の起因菌を可能な限り迅速に検出・同定することが臨床上重要である。
しかし現在の細菌学的検出法では、血液培養ボトルの提出から細菌の同定までに少なくとも18時間はかかるため、結果が判明するまでの間は経験に基づく治療(empiric therapy)を施行せざるを得なく、盲目的に抗菌薬の選択を余儀なくされていることが臨床的現状である。
その結果、広域スペクトルの抗菌薬使用による多剤耐性菌の出現や、不適切な抗菌薬選択により敗血症患者を救命できない事態が生じている。
一方、敗血症起因菌DNAの痕跡をPCR(polymerase chain reaction)により増幅し、増幅された起因菌DNAを、経験的に想定した菌に標的を定めた菌種固有のヌクレオチドプローブとハイブリッド形成させ、起因菌を検出・同定する試みがなされた(特許文献1)。
さらに、検出・同定の迅速性を求めて、リアルタイムPCRによる技術が開発されている(非特許文献1)。




【特許文献1】特開平6-90799号公報

【非特許文献1】生物試料分析,Vol.28,No5.(2005),400-404

産業上の利用分野


本発明は、感染症、特に敗血症の早期治療実現のため、起因菌を迅速に検出・同定する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 ほぼ全ての真菌の18SrRNA遺伝子に共通する遺伝子領域を特異的に遺伝子増幅できる特定のプライマーセットFungi~Fungi7のうちいずれか1つ以上を用いて遺伝子増幅することで、予め真菌に対するその遺伝子増幅領域のTm値を取得し、
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のSpa遺伝子及びmecA遺伝子をそれぞれ特異的に遺伝子増幅できる特定のプライマーセット(spaまたはspa2)及び(mecAまたはmecA2)を用いて遺伝子増幅することで予めSpa遺伝子及びmecA遺伝子のその増幅領域のTm値を取得し、
細菌の16SrRNA遺伝子のうち、ほぼ全ての細菌に共通する塩基配列領域を含む約90~400の塩基からなる特定の遺伝子領域であって、特定のプライマーセットBac.1~Bac.11のうち、第1,第2,第3の3つ以上のプライマーセットを用いて遺伝子増幅することで、予め既知の細菌に対する前記特定の遺伝子領域の各Tm値の組合せを取得し、
前記真菌、Spa遺伝子、mecA遺伝子、既知の細菌に対する各Tm値をデータベース化し、
前記データベース化に用いた特定のプライマーセットを用いて同定対象となる未知の微生物のDNAに対して遺伝子増幅を試み、陽性を示した特定の遺伝子領域のTm値の組合せから未知の微生物が細菌であることが疑わしい場合に、
前記第1のプライマーセットを用いて得られたTm値に基づいてその測定値及び測定機器の誤差範囲に含まれると推定される既知の細菌の群をデータベースから選び出し、当該選び出された既知の細菌の群の中から前記第2、第3プライマーセットを用いて順次得られた各Tm値の測定値に基づいて、当該測定機器の誤差範囲に含まれるものを順次絞り込むことで当該未知の微生物を同定することを特徴とする感染症起因菌の同定方法。
【請求項2】 ほぼ全ての細菌の16SrRNA遺伝子に共通する遺伝子領域を特異的に遺伝子増幅できる特定のプライマーセットBac.1~Bac.11のうちいずれか1つ以上を用いて遺伝子増幅することで、予め細菌に対するその遺伝子増幅領域のTm値を取得し、
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のSpa遺伝子及びmecA遺伝子をそれぞれ特異的に遺伝子増幅できる特定のプライマーセット(spaまたはspa2)及び(mecAまたはmecA2)を用いて遺伝子増幅することで予めSpa遺伝子及びmecA遺伝子のその増幅領域のTm値を取得し、
真菌の18SrRNA遺伝子のうち、ほぼ全ての真菌に共通する塩基配列領域を含む約90~400の塩基からなる特定の遺伝子領域であって、特定のプライマーセットFungi~Fungi7のうち第1,第2,第3の3つ以上のプライマーセットを用いて遺伝子増幅することで、予め既知の真菌に対する前記特定の遺伝子領域の各Tm値の組合せを取得し、
前記細菌、Spa遺伝子、mecA遺伝子、既知の真菌に対する各Tm値をデータベース化し、
前記データベース化に用いた特定のプライマーセットを用いて同定対象となる未知の微生物のDNAに対して遺伝子増幅を試み、陽性を示した特定の遺伝子領域のTm値の組合せから未知の微生物が真菌であることが疑わしい場合に、
前記第1のプライマーセットを用いて得られたTm値に基づいてその測定値及び測定機器の誤差範囲に含まれると推定される既知の真菌の群をデータベースから選び出し、当該選び出された既知の真菌の群の中から前記第2、第3プライマーセットを用いて順次得られた各Tm値の測定値に基づいて、当該測定機器の誤差範囲に含まれるものを順次絞り込むことで当該未知の微生物を同定することを特徴とする感染症起因菌の同定方法。
【請求項3】 標準コントロールとして、前記データベース化に用いた細菌又は真菌のうちの一のプライマーセットにて標準株の標準Tm値を毎回測定し、
当該標準Tm値にて測定機器誤差を補正することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の感染症起因菌の同定方法。
【請求項4】 同定対象となる未知の微生物のDNAに対して前記細菌の16SrRNA遺伝子の3ヶ所以上又は真菌の18SrRNA遺伝子の3ヶ所以上の前記データベース化に用いたそれぞれのプライマーセットにてTm値を取得し、取得した各Tm値間の差の組合せを利用して同定することで、測定誤差の影響を低減したことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の感染症起因菌の同定方法。
【請求項5】 遺伝子増幅をPCR法で行い、Tm値を吸光度測定法により取得することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の感染症起因菌の同定方法。
【請求項6】 遺伝子増幅及びTm値の取得をリアルタイムPCR法で行うことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の感染症起因菌の同定方法。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
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