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孔の孤立したハニカム構造体の製造方法

国内特許コード P09S000281
整理番号 P2004-260
掲載日 2010年1月22日
出願番号 特願2007-504656
登録番号 特許第5050205号
出願日 平成18年2月7日(2006.2.7)
登録日 平成24年8月3日(2012.8.3)
国際出願番号 JP2006302074
国際公開番号 WO2006090579
国際出願日 平成18年2月7日(2006.2.7)
国際公開日 平成18年8月31日(2006.8.31)
優先権データ
  • 特願2005-052009 (2005.2.25) JP
発明者
  • 下村 政嗣
  • 田中 賢
  • 藪 浩
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 孔の孤立したハニカム構造体の製造方法
発明の概要

疎水性有機溶媒に高分子材料を溶解または分散させた材料溶液を、支持体上に積層することで当該材料溶液の液膜を形成する。水蒸気を含む気体を液膜の表面に吹き付けることにより、上記水滴を鋳型として複数の孔をハニカム状に形成する。そして、得られた膜状体に対して、加熱したり高分子材料の良溶媒を曝露したりすることにより、孔の周囲の構造を部分的に変形または除去して、個々の孔を孤立させる。これにより、液滴を鋳型として自己組織化によりハニカム構造体を製造する際に、形成される孔を孤立した状態とすることが可能な技術を提供することができる。

従来技術、競合技術の概要

近年、ハニカム構造体は、光学・電子工学およびバイオテクノロジーの各分野への応用が期待されている。光学・電子工学の分野では、例えば、高機能の複合材料、触媒、非線形光学材料、記憶素子などへの応用が期待されている。バイオテクノロジーの分野では、ハニカム構造を有する多孔性フィルムにおいて、そのハニカムパターンが細胞接着面を提供し、多孔質構造が細胞の支持基盤へのアクセス、栄養の供給ルートとなることが示されている。


サブミクロンから100ミクロン程度の均一な空孔を持つハニカム構造体を得る方法としては、ナノインプリントを含む金型技術がある。しかしながら、この方法では、鋳型を剥離する際に空孔の形状が崩れるため、原理的に鋳型の構造を正確に反映させることが難しい。


また、コロイド微粒子分散液を乾燥させ、集積したコロイド結晶を鋳型としてハニカム状の多孔質膜を得る方法が知られているが、集積に時間がかかること、材料を流し込んだ後、上記と同様、鋳型を除去しなければならないことなどの問題があった。


そこで、上記の方法に対し、自己組織化現象を利用してハニカム構造体を製造する技術が研究されてきている。これは、空気中などから凝縮する液滴およびその溶媒界面に析出するポリマーが3相境界域に自己集積することにより、ハニカム構造体を作製できるという方法である。


具体的には、本発明者らによって、ポリマー溶液を固体基板上に塗布(キャスト)し、高湿度の空気を吹き付けることによって生成した水滴を鋳型としてハニカム状の多孔質膜を得る方法が提案されている〔例えば、特許文献1(特開2003-80538号公報(2003年3月19日公開))・特許文献2(特開2003-128832号公報(2003年5月8日公開))参照〕。この自己組織化現象を利用した方法は、複雑な製造装置を用いることなく、また上記の金型技術を用いた製造方法のように製造に長い時間を要することもなく、高精度のハニカム構造体を製造することができる。


しかしながら、上記水滴を鋳型としてハニカム構造を有する高分子膜を作製する技術では、形成される孔を孤立させた状態とすることが困難であるという課題を有している。具体的には、水滴を鋳型とすると、ハニカム状の構造を形成することは可能であるものの、形成される孔同士が連通した状態となってしまう。


上記技術は、本発明者らによって提案されたものであり、ハニカム状の多孔質膜を簡便に作製することが可能な非常に優れた技術である。ところが、形成される孔が連通孔となるため、得られる多孔質膜(ハニカム構造体)の用途が限定されてしまう。それゆえ、形成される孔それぞれを孤立させ、ハニカム構造体の用途をより拡大することが可能な技術の開発が求められている。


本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、液滴を鋳型として自己組織化によりハニカム構造体を製造する際に、形成される孔を孤立した状態とすることが可能な技術を提供することにある。

産業上の利用分野

本発明は、ハニカム構造体の製造方法に関するものであり、より詳細には、耐熱性および耐薬品性に優れており、さらに、孤立した空孔を有するハニカム構造体を製造するための方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】 ハニカム状に配列する複数の孔を有するハニカム構造体の製造方法であって、
少なくともハニカム構造体の本体となる本体材料を第1溶媒に溶解または分散させた材料溶液を、支持体上に積層することで当該材料溶液の液膜を形成する液膜形成工程と、
形成した液膜から第1溶媒を揮発させながら、上記第1溶媒には混合しない第2溶媒の液滴を生じさせることに伴う上記本体材料の自己組織化により、上記液滴を鋳型として複数の孔をハニカム状に形成する孔形成工程とを含んでおり、
さらに、上記孔形成工程で得られた膜状体に対して、孔の周囲の構造を部分的に変形または除去することにより、個々の孔を孤立させる孔孤立工程を含んでいることを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
【請求項2】 上記孔孤立工程では、上記膜状体の加熱による本体材料の溶融、または、本体材料を溶解可能とする溶媒または溶液への膜状体の曝露によって、孔の周囲の構造を部分的に変化させることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項3】 上記孔孤立工程では、上記膜状体の表面に対する粘着体の密着および剥離によって、孔の周囲の構造を部分的に除去することを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項4】 上記粘着体として接着テープを用いることを特徴とする請求項3に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項5】 上記本体材料として、高分子材料、または、重合反応により高分子化するモノマー材料が少なくとも用いられることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項6】 上記本体材料としてモノマー材料が用いられる場合、上記材料溶液には、当該モノマー材料の重合反応を促進する触媒が含有されていることを特徴とする請求項5に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項7】 上記第1溶媒が疎水性有機溶媒であるとともに、上記第2溶媒が水であることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項8】 上記孔形成工程では、第2溶媒の蒸気を含有する気体を液膜に吹き付けることによって、液膜の表面に液滴を形成することを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項9】 上記液膜形成工程では、支持体表面への材料溶液のキャストにより液膜を形成することを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項10】 請求項1から9の何れか1項に記載の製造方法によって製造されるハニカム構造体。
【請求項11】 ハニカム状に配列する複数の孔を有するハニカム構造体の製造方法であって、
隣接する孔と孔とが互い連通している連通部分を有した、少なくともハニカム構造体の本体となる本体材料を液滴を鋳型として自己組織化させることにより製造された膜状体に対して、孔の周囲の構造を部分的に変形または除去することにより、上記連通部分における個々の孔を孤立させる孔孤立工程を含んでいることを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
【請求項12】 上記孔孤立工程では、上記膜状体の加熱による本体材料の溶融、または、本体材料を溶解可能とする溶媒または溶液への膜状体の曝露によって、孔の周囲の構造を部分的に変化させることを特徴とする請求項11に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項13】 上記孔孤立工程では、上記膜状体の表面に対する粘着体の密着および剥離によって、孔の周囲の構造を部分的に除去することを特徴とする請求項11に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項14】 上記粘着体として接着テープを用いることを特徴とする請求項13に記載のハニカム構造体の製造方法。
【請求項15】 上記本体材料として、高分子材料、または、重合反応により高分子化するモノマー材料が少なくとも用いられることを特徴とする請求項11ないし14の何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 工業用ロボット
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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