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動物モデルとその作製方法

国内特許コード P09S000302
掲載日 2010年1月22日
出願番号 特願2007-545171
登録番号 特許第5288395号
出願日 平成18年9月29日(2006.9.29)
登録日 平成25年6月14日(2013.6.14)
国際出願番号 JP2006319415
国際公開番号 WO2007058021
国際出願日 平成18年9月29日(2006.9.29)
国際公開日 平成19年5月24日(2007.5.24)
優先権データ
  • 特願2005-332113 (2005.11.16) JP
発明者
  • 丸山 哲夫
  • 升田 博隆
  • 吉村 泰典
  • 岡野 栄之
  • 岡野 ジェイムス 洋尚
  • 松崎 有未
出願人
  • 学校法人慶應義塾
  • 公益財団法人実験動物中央研究所
  • 中外製薬株式会社
発明の名称 動物モデルとその作製方法
発明の概要

本発明は、ヒト内膜症の病変部をより忠実に反映し得る動物モデル、及びその作製方法、並びに、移植細胞の非侵襲的観察が可能である動物モデル、及びその作製方法を提供することを目的とする。ヒトから単離された細胞に対し、ルシフェラーゼなどの観察マーカーをコードする遺伝子を有する発現ベクターを導入し、観察マーカーを発現するようになった細胞を、NOGマウス等の免疫不全マウスの腎被膜下へ移植する。移植される細胞を子宮内膜あるいは内膜症病巣部から単離することにより、均一の内膜症病変を持つ動物モデルを作製することができる

従来技術、競合技術の概要


子宮内膜症は、子宮内膜細胞が子宮以外のさまざまな臓器、特に腹膜、卵巣内部、子宮筋層内で異所性に発生し、そこで通常の女性ホルモン分泌に反応して増殖・出血するエストロゲン依存性疾患であり、その主症状は、月経痛、下腹部痛、腰痛などはじめとする様々な疼痛と不妊症である。本症は、その患者数が生殖年齢女性の15%にものぼる頻度の高い疾患で、近年罹患率が増加している現代病の一つである。そして本症は女性のQOL(生活の質)を傷害する代表的な疾患であり、女性の社会進出時の障害や少産少子時代の一因にもなることから、社会的にも看過できない疾患の一つである。



子宮内膜症の器質的病変として、ブルーベリースポット、卵巣チョコレート嚢胞、子宮腺筋症、ダグラス窩子宮内膜症などがあり、治療としては、状況に応じて薬物療法および外科的治療が選択される。薬物療法としては、GnRH(生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン)アゴニストが第一選択薬であるが、その副作用より長期投与は難しい。また本症の疼痛に対しては、鎮痛剤および低用量経口避妊薬(LOC)の有効性が認められているが、あくまで対症療法である。外科的治療としては腹腔鏡下手術による病巣除去手術が一般的であるが、微小病変の完全除去は困難である。このようにいずれの治療も根治療法が確立されていないため、本症は患者の閉経まで再発を繰り返す。そのため、早期診断法と治療法の確立が期待される。



月経に伴い周期的な変化をする性ホルモンの影響のほかに、ストレス、環境ホルモンの影響による遺伝子構造変化と生体防御システムの破綻、あるいは環境ホルモンそのものの作用等によっても誘発されると考えられているがその原因は一様ではなく、発生機序も不明な点は多い。



一方、子宮内膜症は異所性に発生して増殖と剥脱を繰り返すことから、子宮内膜症細胞の幹細胞的性質も示唆されている。臨床的な背景とともにそのユニークな生物学的特性から基礎的研究は盛んである。内膜症を自然発生する動物が一部の霊長類にかぎられることより、子宮内膜症の研究ツールとしてのin vivoモデルはヒト子宮内膜移植を主とした様々な動物モデルが作製されている。例えば、ヒトの子宮内膜の組織片を皮下に異種移植して、ヒト子宮内膜組織に類似した組織を再構築する実験が行われた(例えば、Rui Matsuura-Sawada, Takashi Murakami, Yuka Ozawa, et al. Human Reproduction, 2005, 20(6):1477-1484 を参照)。

産業上の利用分野


本発明は、動物モデル、およびその作製方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
移植されたヒト子宮内膜由来の分散細胞(ただし、悪性腫瘍細胞を除く)を腎被膜下に有する、ヒト以外の脊椎動物モデルであって、
観察マーカーを用いて、前記移植された細胞が、前記脊椎動物の非侵襲的観察によって、前記脊椎動物の細胞から区別され得ることを特徴とする動物モデル。

【請求項2】
前記移植された細胞の位置及び/または増殖が、前記脊椎動物の非侵襲的観察によって、リアルタイムに判断し得ることを特徴とする請求項1に記載の動物モデル。

【請求項3】
前記移植された細胞が、非侵襲的観察が可能な前記観察マーカーを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の動物モデル。

【請求項4】
前記観察マーカーが、蛍光マーカーまたは発光マーカーであることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の動物モデル。

【請求項5】
前記脊椎動物が、免疫不全マウスであることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の動物モデル。

【請求項6】
前記免疫不全マウスが、NOGマウスであることを特徴とする、請求項5に記載の動物モデル。

【請求項7】
前記移植された細胞が、ヒトの病気の病変部に由来することを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の動物モデル。

【請求項8】
前記病気が子宮内膜症であることを特徴とする、請求項7に記載の動物モデル。

【請求項9】
請求項7または8に記載の動物モデルに対して、前記病気の治療薬候補物質を投与する投与工程を含むことを特徴とする、前記病気の治療薬のスクリーニング方法。

【請求項10】
請求項8に記載の動物モデルに対して、子宮内膜症治療薬候補物質を投与する投与工程を含むことを特徴とする、子宮内膜症治療薬のスクリーニング方法。

【請求項11】
ヒト子宮内膜由来の分散細胞(ただし、悪性腫瘍細胞を除く)をヒト以外の脊椎動物の腎被膜下に移植する移植工程を含む、動物モデルの作製方法であって、
前記細胞が、腎被膜下に移植された後、前記脊椎動物の非侵襲的観察によって、前記脊椎動物の細胞から区別され得ることを特徴とする作製方法。

【請求項12】
前記移植された細胞の位置及び/または増殖が、腎被膜下に移植された後、前記脊椎動物の非侵襲的観察によって、リアルタイムに判断し得ることを特徴とする、請求項11に記載の作製方法。

【請求項13】
前記移植された細胞は、前記非侵襲的観察が可能な観察マーカーを有することを特徴とする、請求項11または12に記載の作製方法。

【請求項14】
前記観察マーカーが、蛍光マーカーまたは発光マーカーであることを特徴とする、請求項13に記載の作製方法。

【請求項15】
前記移植された細胞は、前記観察マーカーをコードする遺伝子を有する発現ベクターを有することを特徴とする、請求項13または14に記載の作製方法。

【請求項16】
前記発現ベクターが、ウイルスベクターであることを特徴とする、請求項15に記載の作製方法。

【請求項17】
前記移植前に、前記観察マーカーを指標として、前記観察マーカーが導入された細胞を選別する選別工程をさらに含むことを特徴とする、請求項13~16のいずれかに記載の作製方法。

【請求項18】
前記移植前に、前記細胞に選別マーカーを導入する第2の導入工程と、
前記選別マーカーを指標として、前記観察マーカーが導入された細胞を選別する選別工程をさらに含むことを特徴とする、請求項13~16のいずれかに記載の作製方法。

【請求項19】
前記細胞が、ヒトの病気の病変部に由来することを特徴とする、請求項11~18のいずれかに記載の作製方法。

【請求項20】
ヒト以外の脊椎動物モデルであって、
ヒトの子宮内膜から単離された分散細胞(ただし、悪性腫瘍細胞を除く)を腎被膜下に有する、動物モデル。

【請求項21】
前記脊椎動物が、免疫不全マウスであることを特徴とする、請求項20に記載の動物モデル。

【請求項22】
前記免疫不全マウスが、NOGマウスであることを特徴とする、請求項21に記載の動物モデル。

【請求項23】
前記分散細胞が、子宮内膜症の病変部に由来することを特徴とする、請求項20~22のいずれかに記載の動物モデル。

【請求項24】
請求項23に記載の動物モデルに対して、子宮内膜症治療薬候補物質を投与する投与工程を含むことを特徴とする、子宮内膜症治療薬のスクリーニング方法。

【請求項25】
請求項20~23のいずれかに記載の動物モデルに対して、外因性ステロイドホルモンを投与する投与工程を含むことを特徴とする、ヒト子宮内膜環境を再現する方法。
産業区分
  • 畜産
  • 薬品
  • 微生物工業
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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