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インフルエンザ感染阻害ペプチド、インフルエンザウイルス感染阻害剤、リポソーム、インフルエンザ予防・治療剤 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P09S000306
掲載日 2010年1月22日
出願番号 特願2008-505081
登録番号 特許第5093100号
出願日 平成19年3月7日(2007.3.7)
登録日 平成24年9月28日(2012.9.28)
国際出願番号 JP2007054452
国際公開番号 WO2007105565
国際出願日 平成19年3月7日(2007.3.7)
国際公開日 平成19年9月20日(2007.9.20)
優先権データ
  • 特願2006-068020 (2006.3.13) JP
発明者
  • 佐藤 智典
  • 松原 輝彦
出願人
  • 学校法人慶應義塾
発明の名称 インフルエンザ感染阻害ペプチド、インフルエンザウイルス感染阻害剤、リポソーム、インフルエンザ予防・治療剤 コモンズ 外国出願あり
発明の概要

ヘマグルチニンに対するより親和性の高いペプチド及びインフルエンザウイルス感染阻害活性の高いペプチド、並びにこのようなペプチドを用いた医薬組成物を提供するため、ARLSPTMVHPNGAQP(ペプチドA-1:配列番号1)に対し、変異を導入したペプチドを作製し、ヘマグルチニンに対するより親和性の高いペプチドをスクリーニングすることにより得られた配列番号2~7,9~10,12~18を有するポリペプチドを用いる。また、配列番号3で示されるペプチドに対して、ARLPR又はARLPを残すように配列番号3のC末端側を削ることによって、このペプチドのインフルエンザウイルス感染阻害活性を増強することができる。また、これらのインフルエンザウイルス受容体結合性ペプチドを製剤化することにより、インフルエンザウイルス感染阻害剤及びインフルエンザ予防・治療剤を作製することができる。

従来技術、競合技術の概要


インフルエンザウイルス膜にはヘマグルチニン(HA)及びノイラミニダーゼ(NA、シアリダーゼ)といった2種類のスパイク糖蛋白質が存在し、それぞれウイルスの感染成立及びウイルスの宿主細胞からの出芽に重要な役割を果たしている。前者のヘマグルチニンは、ヒトやその他の動物(ほ乳類、鳥類、は虫類、魚類、両生類等)といった宿主の細胞膜上に普遍的に存在するシアル酸含有糖鎖を受容体として認識してそれに特異的に結合し、インフルエンザウイルスの細胞内へのエンドサイトーシスを導く。一方、後者のノイラミニダーゼは、受容体破壊酵素であり、宿主細胞からウイルス粒子が出芽又は遊離する際に、自らの又は宿主細胞膜上のシアル酸残基を切断する役割を担っている。



インフルエンザウイルス感染の第1ステップに関与するヘマグルチニンには、極めて変異しやすい抗原決定領域(A~E)のアミノ酸配列の多様性に基づいて、種々の亜型が存在する。ヘマグルチニンの亜型間のアミノ酸配列の相同性は25~75%であるため、抗原性を基にしたインフルエンザワクチンの開発は非常に困難である。一方、宿主細胞の受容体と結合するいわゆる受容体結合ポケット領域は、比較的変異が少なく、その三次元構造はよく保存されている(Y.Suzuki, Prog.Lipid.Res., 33, 429 (1994))。従って、インフルエンザウイルスの感染を防止するために、感染成立に寄与するヘマグルチニンに特異的に結合することによってその働きを阻害すれば、広くインフルエンザウイルスの感染防止に効果があることが期待され、そのような薬剤の開発が求められている。



例えば、ヘマグルチニンが宿主受容体のシアル酸含有糖鎖を認識して結合することに基づいて、ヘマグルチニンのその結合部位に特異的に結合する糖アナログをスクリーニングするという手法により、現在までに種々のヘマグルチニン結合性糖アナログが取得されている(R.Roy, et al., J.Chem.Soc., Chem.Commun., 1869 (1993); M.Mammen, et al., J.Med.Chem., 38,4179 (1995); T.Sato, et al., Chem.Lett., 145 (1999); T.Sato, et al., Chem.Lett., 145 (1999); M.ltzstein, et al., Nature, 363, 418 (1993))。



そのほか、ヘマグルチニンの受容体糖鎖に対するモノクローナル抗体の抗原結合部位のもつ抗原性(イディオタイプ)に対する抗体(抗イディオタイプ抗体)を作成する手法もある。すなわち、これはヘマグルチニンの受容体となるシアル酸及びシアロ糖鎖の三次元構造に代えて、それと立体構造が類似する抗イディオタイプ抗体の超可変部のアミノ酸配列を作成し、宿主細胞のヘマグルチニン受容体に模擬させるというものである(鈴木康夫「ウイルス感染と糖鎖」、別冊日経サイエンス「糖鎖と細胞」,89-101頁, 1994年10月)。



しかし、受容体結合ポケット領域は、比較的変異が少なく、その三次元構造はよく保存されているとは言え、これらのいずれもヘマグルチニンの亜型に特異的であり、また結合定数も高くない。従って、ヘマグルチニンの亜型に関わらずインフルエンザウイルス全般に働く薬剤の開発が待たれている。



そこで、ファージディスプレイ法を用いて、ヘマグルチニンに結合し、インフルエンザウイルスの感染を防止する15残基のオリゴペプチドがスクリーニングされ、11種類(国際公開WO00/59932)及び3種類(特開2002-284798明細書; T. Sato, et al., Peptide Science 2001, 329 (2002))のオリゴペプチドが同定された(国際公開WO00/59932)。

産業上の利用分野


本発明は、インフルエンザウイルスの感染を阻害するインフルエンザ感染阻害ペプチド、インフルエンザウイルスの感染を阻害するインフルエンザウイルス感染阻害剤、インフルエンザ感染阻害ペプチドを含有するリポソーム、インフルエンザウイルス感染阻害ペプチドを含有するインフルエンザの予防・治療剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 アミノ酸配列

含む、4残基以上14残基以下のペプチドを有効成分として含有するヘマグルチニン結合剤であって、
が、アラニンであり、
が、アルギニンであり、
が、アラニン、イソロイシン、バリン、又はロイシンであり、
が、プロリンであるヘマグルチニン結合剤
【請求項2】 配列番号3の一部において、アミノ酸配列

を含む、4残基以上14残基以下のペプチドを有効成分として含有するヘマグルチニン結合剤であって、
が、アラニンであり、
が、アルギニンであり、
が、アラニン、イソロイシン、バリン、又はロイシンであり、
が、プロリンである請求項1に記載のヘマグルチニン結合剤
【請求項3】 配列番号52のアミノ酸配列からなるペプチドを有効成分として含有するヘマグルチニン結合剤
【請求項4】 アミノ酸配列

含む、5残基以上14残基以下のペプチドを有効成分として含有するヘマグルチニン結合剤であって、
が、アラニンであり、
が、アルギニンであり、
が、アラニン、イソロイシン、バリン、又はロイシンであり、
が、プロリンであり、
が、アルギニンである請求項1に記載のヘマグルチニン結合剤
【請求項5】 配列番号3の一部において、アミノ酸配列

を含む、5残基以上14残基以下のペプチドを有効成分として含有するヘマグルチニン結合剤であって、
が、アラニンであり、
が、アルギニンであり、
が、アラニン、イソロイシン、バリン、又はロイシンであり、
が、プロリンであり、
が、アルギニンである請求項に記載のヘマグルチニン結合剤
【請求項6】 アミノ酸配列
HX1011121314
の一部において、アミノ酸配列

を含む、5残基以上14残基以下のペプチドを有効成分として含有するヘマグルチニン結合剤であって、
が、アラニンであり、
が、アルギニンであり、
が、アラニン、イソロイシン、バリン、又はロイシンであり、
が、プロリンであり、
が、アルギニンであり、
6が、セリン又はスレオニンであり、
7が、システイン又はメチオニンであり、
が、アラニン、グリシン、イソロイシン、バリン、又はロイシンであり、
が、プロリン、アラニン、又はグリシンであり、
10が、アルギニン又はリジンであり、
11が、プロリン、アラニン、又はグリシンであり、
12が、アラニン、グリシン、イソロイシン、バリン、又はロイシンであり、
13が、グルタミン又はアスバラギンであり、
14が、プロリン、アラニン、又はグリシンである請求項1に記載のヘマグルチニン結合剤
【請求項7】 前記X、前記X11、及び前記X14が、プロリンであることを特徴とする請求項に記載のヘマグルチニン結合剤
【請求項8】 前記ペプチドが配列番号38、42~44のいずれかのアミノ酸配列からなる請求項10に記載のヘマグルチニン結合剤
【請求項9】 前記ペプチドが両親媒性を有するように修飾されていることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のヘマグルチニン結合剤
【請求項10】 前記修飾がアルキル化であることを特徴とする請求項に記載のヘマグルチニン結合剤
【請求項11】 ヘマグルチニンH1及び/又はヘマグルチニンH3に結合することを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載のヘマグルチニン結合剤
【請求項12】 請求項1~10のいずれかに記載のペプチドを有効成分として含有するインフルエンザウイルス感染阻害剤。
【請求項13】 請求項1~10のいずれかに記載のペプチドを有効成分として含有するインフルエンザ予防・治療剤。
【請求項14】 請求項1~10のいずれかに記載のペプチドを含有するリポソーム。
【請求項15】 請求項1~10のいずれかに記載のペプチドを含有するインフルエンザウイルス感染阻害剤であって、
前記ペプチドがペプチド凝集体を形成していること、
を特徴とするインフルエンザウイルス感染阻害剤。
【請求項16】 請求項15に記載のペプチド凝集体。
【請求項17】 ペプチドのヘマグルチニンに対する結合活性測定方法であって、
前記ペプチドは、配列番号38、42~44、52において、1から数アミノ酸残基の置換・欠失・付加を有するアミノ酸配列からなるペプチドであって、
前記ペプチドの、ヘマグルチニンに対する結合活性を測定する工程を含む、結合活性測定方法
【請求項18】 ペプチドによるインフルエンザウイルスの宿主細胞への感染阻害活性測定方法であって、
前記ペプチドが、配列番号38、42~44、52において、1から数アミノ酸残基の置換・欠失・付加を有するアミノ酸配列からなるペプチドであって、
前記ペプチドが、インフルエンザウイルスの宿主細胞への感染に対する阻害活性を測定する工程を含む、感染阻害測定方法。
【請求項19】 ヘマグルチニン結合活性を有するペプチドのスクリーニング方法であって、
配列番号38、42~44、52において、1から数アミノ酸残基の置換・欠失・付加を有するアミノ酸配列からなる変異ペプチドの、ヘマグルチニンに対する結合活性を測定する工程を含む、スクリーニング方法。
【請求項20】 インフルエンザウイルス感染阻害活性を有するペプチドのスクリーニング方法であって、
配列番号38、42~44、52において、1から数アミノ酸残基の置換・欠失・付加を有するアミノ酸配列からなる変異ペプチドについて、ヘマグルチニンに対する結合活性を測定する工程を含む、スクリーニング方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 有機化合物
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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