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核酸合成を促進する化合物を含む組成物およびその利用、並びに当該化合物の製造方法 新技術説明会

国内特許コード P09A014984
掲載日 2010年2月5日
出願番号 特願2007-270700
公開番号 特開2009-096766
登録番号 特許第4761265号
出願日 平成19年10月17日(2007.10.17)
公開日 平成21年5月7日(2009.5.7)
登録日 平成23年6月17日(2011.6.17)
発明者
  • 甲元 一也
  • 杉本 直己
出願人
  • 学校法人甲南学園
発明の名称 核酸合成を促進する化合物を含む組成物およびその利用、並びに当該化合物の製造方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】本発明は、PCR法をはじめとする核酸合成法において、核酸合成効率を向上させることができる化合物を含む組成物、および当該組成物を用いた核酸の変性方法、核酸の合成方法、並びに当該化合物の効率的な製造方法に関する。
【解決手段】本発明にかかる組成物は、分子内に少なくとも1組以上のカチオンとアニオンとの双性イオンを有するベタインであって、(a)カチオンとアニオンと間のスペーサー長が少なくともC3以上である、および/または(b)アンモニウム基の置換基がC2以上であるベタインを含む。本発明にかかる組成物によれば、高いGC含量のDNA領域の融解温度を低下させることによって、これまで困難であった当該DNA領域の合成を容易にする。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


PCR法をはじめとする核酸合成法は、分子生物学のみならず、臨床検査、DNA鑑定、食品分析などの様々な分野においてきわめて有用な技術である。例えば、PCR法については例えば非特許文献1に記載されている。



PCR法は、(1)一般的には約90~100℃における鋳型DNAの熱変性、(2)約37~75℃における鋳型DNAとプライマーとのアニーリング、および(3)約55~80℃におけるプライマーの伸長反応からなる反応サイクルを繰り返すことで、プライマーに区切られた領域のDNAを高度に増幅する技術である。



ところでDNAの熱安定性は2つの塩基対(A(アデニン)-T(チミン)、G(グアニン)-C(シトシン))の含量に依存して変化することが知られている。GC含量が増大するとその熱安定性は高くなる、つまり融解温度が高くなることが一般的に知られている。



このようにGC含量が高いDNA領域をPCR法によって増幅する場合、融解温度が熱変性温度よりも高い場合がある。かかる場合、通常の熱変性温度では鋳型DNAの熱変性が十分に起こらない。また熱変性温度をいたずらに高くすれば、DNAポリメラーゼが失活してしまう。よって、GC含量の高いDNA領域を、PCR法で増幅することは困難な場合が多々見られた。特に鋳型DNAとして用いられるゲノムDNA上にはGC含量が高い領域が多く、かかる領域を増幅することは困難であった。



上記問題点を解決するために、これまでに耐熱性のDNAポリメラーゼが種々開発され利用されている。また、上記問題を解決するために、高いGC含量のDNA領域の融解温度を低下させるための添加剤(「融解温度調整剤」という)が種々開発され、利用されるようになった。ここで上記融解温度調整剤としては、グリシンベタイン、メチルグリシン、サルコシン、グリシン、プロリン、グリセロール、エクトイン、アミン-N-オキシド、スルホキシド(DMSOなど)、多糖、PEG、非イオン性界面活性剤(Tween20、NP40など)、アミド(DMF、ホルムアミドなど)、カルボン酸誘導体(クエン酸、シュウ酸など)、SSBタンパク質、BSAなどが報告されている。これらの融解温度調整剤は、単独または混合物として、PCRの反応バッファー中へ調整剤に固有の最適濃度となるように(例えばグリシンベタインの場合、0.5~3.0Mの濃度となるように)添加される。そして、DNAの融解温度を熱変性温度以下に降下させている。例えば、特許文献1~5には、核酸合成の反応溶液中に上記で例示した各種融解温度調整剤を添加することが開示されている。融解温度調整剤としては、グリシンベタインが一般的に利用されている。

【非特許文献1】Nature, 324巻(6093), 1986年, p.13-19

【特許文献1】特開平8-38198号公報(公開日:平成8年(1996)2月13日)

【特許文献2】特開2000-342287号公報(公開日:平成12年(2000)12月12日)

【特許文献3】特表2002-505886号公報(公表日:平成14年(2002)2月26日)

【特許文献4】特開2003-144169号公報(公開日:平成15年(2003)5月20日)

【特許文献5】特開2004-141105号公報(公開日:平成16年(2004)5月20日)

産業上の利用分野


本発明は、ポリメラーゼ連鎖反応法(以下「PCR法」という)をはじめとする核酸合成法において、核酸合成効率を向上させることができる化合物を含む組成物、および当該組成物を用いた核酸の変性方法、核酸の合成方法、並びに当該化合物の効率的な製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の一般式(3’)で表される化合物と一般式(4’)で表される化合物とを、酢酸エチルの存在下で反応させて生成物を沈殿させる反応工程と、
上記反応工程によって得られた沈殿物を濾過によって分離し、当該沈殿物からベタインを精製する工程と、
を含むことを特徴とするベタインの製造方法:
【化学式1】


ここで、R1、R2、およびR3は、水素を除く、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびアリール基からなる群より独立して選択され、同一であっても異なっていてもよく、当該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、またはアリール基は官能基を含んでいてもよい基であり;
【化学式2】


6はアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、またはアリーレン基であり、
当該アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、またはアリーレン基は官能基を含んでいてもよい基であり、
7はアルキル基、アリール基、アルケニル基、またはアルキニル基であり、かつX1はハロゲンを表す。

【請求項2】
上記一般式(3’)は、さらに下記の(I)の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載のベタインの製造方法:
(I)R1、R2、およびR3が炭素数2以上の基である。

【請求項3】
上記R1、R2、およびR3が炭素数2~4の基であることを特徴とする請求項2に記載のベタインの製造方法。

【請求項4】
上記一般式(3’)において、R1、R2、およびR3が同一の基であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のベタインの製造方法。

【請求項5】
核酸の融解温度を低下させるために使用される組成物であって、
当該組成物が、以下の化合物4、化合物5、化合物6および化合物8からなる群から選択される1つ以上の化合物、またはそれらの塩を含むことを特徴とする組成物。
【化学式3】



【請求項6】
核酸の融解温度を低下させるために使用されるキットであって、請求項5に記載の組成物を含むことを特徴とするキット。

【請求項7】
請求項5に記載の組成物と核酸とを少なくとも含む混合物を、加熱する工程を含むことを特徴とする核酸の熱変性方法。

【請求項8】
請求項5に記載の組成物、鋳型となる核酸分子、核酸合成酵素、少なくとも一対のプライマー、および1種類以上のヌクレオチドを少なくとも含む混合物を、加熱する工程を含むことを特徴とする核酸の合成方法。

【請求項9】
ポリメラーゼ連鎖反応により行われる、請求項8に記載の核酸の合成方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
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