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近接場テラヘルツ光検出器

国内特許コード P09P006619
整理番号 22262
掲載日 2010年2月5日
出願番号 特願2008-178041
公開番号 特開2010-019585
登録番号 特許第5392888号
出願日 平成20年7月8日(2008.7.8)
公開日 平成22年1月28日(2010.1.28)
登録日 平成25年10月25日(2013.10.25)
発明者
  • 河野 行雄
  • 石橋 幸治
出願人
  • 国立研究開発法人理化学研究所
発明の名称 近接場テラヘルツ光検出器
発明の概要 【課題】far field光の影響を大幅に低減してS/N比 を高め、これにより近接場光を高効率に検出でき、かつ近接場光による対象物の分解能を波長の1/10以下まで高めることができる近接場テラヘルツ光検出器を提供する。
【解決手段】テラヘルツ光1の近接場光により表面に沿う長さ方向の電気抵抗が変化する半導体チップ12と、半導体チップの表面を覆う絶縁被膜18と、絶縁被膜の表面を覆いテラヘルツ光を遮光可能な導電性被膜20とを備える。導電性被膜20は、最大寸法がテラヘルツ光の波長よりも1桁以上短いアパーチャ21を有する。さらに、導電性被膜18と半導体チップ12の間に平面状の導電性プローブ14を備える。この導電性プローブ14は、絶縁被膜18により導電性被膜20から絶縁され、かつ先端部14aがアパーチャ21の内側に位置する。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


本発明において、「テラヘルツ光」とは周波数が1~10THz(1THz=1012Hz)の領域、すなわち波長が0.03mm~0.3mmのサブミリ波から遠赤外線領域の電磁波を意味する。



テラヘルツ光は、電波天文学、材料科学、生体分子分光学などの基礎学術分野からセキュリティ、情報通信、環境、医療などの実用分野に至る幅広い分野での応用が期待されている。
特にテラヘルツ光を用いた画像形成技術(以下、「THzイメージング技術」という)は、テラヘルツ光が可視光では不透明な物質を適度に透過すること、光子エネルギーがmeVという様々な物質・材料の重要なエネルギー領域に属すること、等の特有の特性を有することから、人体検査や材料評価などの分野で強力な計測ツールとなることが期待されている。



しかし、テラヘルツ光は、赤外線、可視光、紫外線などの光(周波数1013~1015Hz)と電波(周波数10~1012Hz)の間に挟まれた周波数帯域の電磁波であり、光学と電子工学という既存の技術がそのままでは適用できない問題点がある。
特に、THzイメージング技術では、テラヘルツ光の波長が可視光等と比較して長く、かつ空間分解能は回折限界により波長の1/2程度に制限されるため、空間分解能が可視光等と比較して低い問題点がある。



そこで、この回折限界を突破し空間分解能の高いTHzイメージングを実現する手段として、近接場光の利用が考えられている。
「近接場光」とは、物体の表面に極めて薄くまとわりついている光であり、通常の光のように空間中を伝播しない特性を有する。例えばブリズム内の全反射点において、全反射される光が境界面から空気側に滲みだしていることが知られておい、この空気側に滲みだした光を近接場光又はエバネッセント光(Evanescent light)と呼ぶ。



通常の光学顕微鏡は、レンズを用いて対象物からの光を拡大するが、光の波長(可視光の波長は、約0.38~0.77μm)で制限され、ほぼ0.5μmの大きさまでしか解像できない。これを光波の「回折限界」という。
しかし、近接場光は、通常の光のように空間中を伝播しないため、回折限界を生じない特性がある。そこで、近接場光を用いることで回折限界を超える分解能を有する顕微鏡が可能となる。



なお、近接場光を利用したTHzイメージングの例として、非特許文献1~3が既に報告されている。



【非特許文献1】
S.Hunsche et al.,“THz near-field imaging”,Optics Communications 150(1998)22-26
【非特許文献2】
Wang et al., “Antenna effects in terahertz apertureless near-field optical microscopy”,Appl. Phys. Lett.,Vol.85,No.14,4 October 2004
【非特許文献3】
Chen,Kerstingm and Cho, “Terahertz imaging with nanometer resolution”,Appl. Phys. Lett.,Vol.83,No.15,13 October 2003

産業上の利用分野


本発明は、テラヘルツ光における回折限界を超える空間分解能を有する近接場テラヘルツ光検出器に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
外部からのテラヘルツ光で内部に発生する近接場光により表面に沿う長さ方向の電気抵抗が変化する半導体チップと、
該半導体チップの表面を覆う絶縁被膜と、
該絶縁被膜の表面を覆いテラヘルツ光を遮光可能な導電性被膜とを備え、
前記導電性被膜は、最大寸法がテラヘルツ光の波長よりも1桁以上短いアパーチャを有し、
さらに、導電性被膜と半導体チップの間に平面状の1対の導電性プローブを備え、該導電性プローブは、前記絶縁被膜により導電性被膜から絶縁され、かつ内側の先端部が前記アパーチャの内側に位置しており、
前記導電性プローブが、前記半導体チップの表面に沿って密着して設けられ、かつ先端部がテラヘルツ光の波長よりも1桁以上短い間隔で対向して位置し、
前記導電性プローブによりアパーチャ近傍の電界分布が変化して、大きな電場引込み効果が生じ、近接場の電場分布が空間的に変調され、導電性プローブの先端部を超える遠方まで伸びる、ことを特徴とする近接場テラヘルツ光検出器。

【請求項2】
前記半導体チップは、表面から一定の位置に2次元電子ガスが形成された高電子移動度トランジスタ(HEMT)であり、
更に、前記1対の導電性プローブを挟んでその長さ方向外側に間隔を開けて位置し、半導体チップの表面に密着して設けられた導電性のソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極とドレイン電極の間に一定の電流を流してその間の電圧変化を検出する電圧計測器を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の近接場テラヘルツ光検出器。

【請求項3】
前記半導体チップは、半導体基板と、該半導体基板の表面に位置し、テラヘルツ光の近接場光により表面に沿う長さ方向の電気抵抗が変化するカーボンナノチューブとからなり、
更に、前記カーボンナノチューブの長さ方向両端に接続し、半導体基板の表面に密着して設けられた導電性のソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極とドレイン電極の間に一定の電圧を印加してその間の電流変化を検出する電流計測器を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の近接場テラヘルツ光検出器。

【請求項4】
前記半導体チップ、ソース電極及びドレイン電極、導電性プローブ、絶縁被膜、および導電性被膜は、この順に一体に成形され集積化される、ことを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の近接場テラヘルツ光検出器。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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