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光散乱装置、光散乱測定法、光散乱解析装置および光散乱測定解析法 新技術説明会

国内特許コード P09A015031
整理番号 P2004-026-JP01
掲載日 2010年2月19日
出願番号 特願2004-256056
公開番号 特開2006-071497
登録番号 特許第4517145号
出願日 平成16年9月2日(2004.9.2)
公開日 平成18年3月16日(2006.3.16)
登録日 平成22年5月28日(2010.5.28)
発明者
  • 古川 英光
出願人
  • 学校法人北海道大学
発明の名称 光散乱装置、光散乱測定法、光散乱解析装置および光散乱測定解析法 新技術説明会
発明の概要

【課題】 不透明な試料の光散乱を測定すること。
【解決手段】 制御部190は、レーザー光源210から出力されたレーザー光が、試料110に入射し、散乱光として射するまでの光路長を、零に近似するように制御し、検出器330は、出射する散乱光を検出して光子パルスとして出力し、パルス間隔測定器350は、検出器330が出力する光子パルスの時間間隔を測定し、コンピュータ360の演算部は、パルス間隔測定器350が測定した光子パルスの時間間隔を用いてn次の相関関数(n≧1)を計算する。
【選択図】 図3

従来技術、競合技術の概要


動的光散乱法は、溶液内部で起こっている熱運動を光の散乱現象を通して測定することにより、溶液内部の微細な構造とその運動性を解析する方法である。通常、光を用いる測定は、光の波長以下の構造を調べることは原理的に困難である。しかし、動的光散乱法は、熱運動を通して内部構造を観測するので、光の波長以下(1マイクロメートル以下から0.1ナノメートルまで)の微細構造を測定することができる。従って、動的光散乱法は、人体に対して比較的安全な可視光のレーザー光源を用いて、溶液中に分散した粒子のサイズやゲルの網目構造を決定できる便利な観測法である。動的光散乱法は、透明な粒子分散系における粒子サイズを溶液状態でそのまま測定する方法として広く用いられている。



例えば、実用的な用例として、動的光散乱法を液晶やゲル、コロイドなど、微細構造が複雑な透明試料の測定に応用しようという試みは早くからなされていたが、現状では実用例が知られていない。これは、液晶やゲルのからの散乱光には内部構造の不均一性に起因する過剰な成分が不可避に含まれているが、この成分を正しく評価する方法が無かったことが問題となっていたためである。



近年、この問題を解決すべく、走査型顕微散乱法によって不均一性に起因する散乱光の過剰成分を厳密に考慮して、時間平均と空間平均を正しく行った統計平均(アンサンブル平均)の測定量を決定する方法が新しく開発された(非特許文献1、非特許文献2参照)。これにより、可視光の光源を用いて、複雑な微細構造をもつ透明試料を測定する方法が確立した。また非特許文献3には、具体的にアンサンブル平均相関関数を決定する為に必要な数学的公式を厳密に導出している。このようにして、可視光の光源を用いながら、複雑な内部構造をもつ透明試料の微細な内部構造をそのまま測定する実用的な方法が確立した。



ところが、前記方法は、牛乳やプリンなどの食品、シャンプーやリンスなどの化粧品をはじめとする、濁ったゲル状物質、コロイド溶液などの内部状態を測定する有効な手段では無かった。動的光散乱法は、透明試料では可視光を使って微細な内部構造を容易に測定できるが、不透明な試料(濁度の高いサンプルも含む)中ではそれが難しい。そもそも濁るという現象は、散乱が強く起きているために、散乱光が再び散乱するという多重散乱が生じるので、不透明に見える現象である。従って、通常の光散乱法のように一回だけ散乱した光を検出するのには特別な配慮が必要である。



従来、この問題を克服する方法として、二本のレーザー光を使って多重散乱の寄与を取り除く方法(非特許文献4)、もしくは表面のごく近傍を測定して多重散乱の寄与を無視する方法(非特許文献5)があったが、前者は複雑で高価なため普及しておらず、後者は製品化されているが問題解決の手段を単純化し過ぎているので、正しい測定値が得られないことが知られている。



一方、白濁した試料の内部でどのような散乱が起きるかについてはすでに理論的な考察があり、多重散乱光を分析することで、試料内部における熱運動を調べることが原理的に可能であることが示されていた。

【非特許文献1】H.Furukawa, K.Horie, R.Nozaki, M.Okada,”Swelling-induced modulation of static and dynamic fluctuaions in polyacrylamide gels observed by scanning microscopic light scattering”, Phys.Rev.E,68, 2003, p.031406-1~031406-14

【非特許文献2】古川英光、堀江一之、「走査型顕微光散乱による高分子ゲルの微細網目構造のキャラクタリゼーション」高分子論文集59、2002、p.578-589・

【非特許文献3】H.Furukawa and S.Hirotsu, ”Dynamic Light Scattering from Static and Dynamic Fluctuations in Inhomogeneous Media”, J.Phys.Soc.J.,71, 2002, p.2873-2880

【非特許文献4】L.B.Aberie,P.Hulstede,S.Wiegand,W.Schroer,W.Staude, ”Effective suppression of multiply scattered light in static and dynamic light scattering”, Applied Optics,37, 1998, p.6511-6524

【非特許文献5】大塚電子株式会社、「濃厚系粒径アナライザー FPAR-1000」[online]、[平成16年8月1日検索]、インターネット<http://www.photal.co.jp/product/fpar_0.html>

産業上の利用分野


本発明は、光散乱装置及び光散乱測定法に関する。特に、測定する試料が不透明な場合にも測定可能な光散乱装置及び光散乱測定法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
レーザー光を発射するレーザー光源と、
試料に入射したレーザー光が散乱光として出射するまでの光路長を、所定の値から零に近似するように多段階に変化させて制御する制御手段と、
複数の光路長それぞれに対応して出射する散乱光を検出して光子パルスを出力する検出手段と、
前記複数の光路長それぞれに対応する光子相関関数を計算し、計算した光子相関関数から得られるn次の相関関数(n≧1)を外挿することによって、光路長が零のn次の相関関数を計算する演算手段と、
を備えることを特徴とする光散乱装置。

【請求項2】
前記制御手段は、試料の位置を制御して、光路長を零に近似することを特徴とする請求項1記載の光散乱装置。

【請求項3】
入射したレーザー光に対して垂直に散乱する散乱光を通過させる通過手段を、更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光散乱装置。

【請求項4】
前記検出手段が出力する光子パルスの時間間隔を測定するパルス間隔測定手段を更に備え
前記演算手段は、前記パルス間隔測定手段が測定した光子パルスの時間間隔を用いて前記光子相関関数を計算することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光散乱装置。

【請求項5】
記パルス間隔測定手段は、前記複数の光路長それぞれに対応する光子パルスの時間間隔を測定することを特徴とする請求項4記載の光散乱装置。

【請求項6】
前記レーザー光源は、複数の波長のレーザー光を出射することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の光散乱装置。

【請求項7】
前記レーザー光源は、複数の波長のレーザー光それぞれを時分割で出射することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の光散乱装置。

【請求項8】
前記レーザー光源と、試料との間に配置される円筒面平凸レンズを、更に備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の光散乱装置。

【請求項9】
前記パルス間隔測定手段が測定する光子パルスの時間間隔を、複数の光路長それぞれの時系列データについて記憶するメモリを、更に備え、
前記演算手段は、前記メモリに記憶させた光子パルスの時間間隔を用いて光子相関関数を計算することを特徴とする請求項記載の光散乱装置。

【請求項10】
前記演算手段は、前記メモリに記憶させた光子パルスの時間間隔を、光子の時間間隔に反比例させて間引いて、光子相関関数を算出することを特徴とする請求項9記載の光散乱装置。

【請求項11】
複数の光路長それぞれについて、試料に入射したレーザー光が散乱した散乱光を測定した光子パルスの時間間隔を入力する入力手段と、
前記光子パルスの時間間隔を用いて、前記複数の光路長それぞれに対応する光子相関関数を計算し、計算した光子相関関数から得られるn次の相関関数(n≧1)を外挿することによって、光路長が零のn次の相関関数を計算する演算手段と、
を備えることを特徴とする光散乱測定解析装置。

【請求項12】
試料に入射するレーザー光が散乱光として出射するまでの光路長を、所定の値からに近似するように多段階に変化させて制御する制御工程と、
数の光路長それぞれに対応して出射する散乱光を検出して光子パルスを出力する検出工程と、
前記複数の光路長それぞれに対応する光子相関関数を計算し、計算した光子相関関数から得られるn次の相関関数(n≧1)を外挿することによって、光路長が零のn次の相関関数を計算する演算工程と、
を備えることを特徴とする光散乱測定法。

【請求項13】
前記検出工程は、前記試料へ入射するレーザー光から垂直に散乱する散乱光を検出することを特徴とする請求項12記載の光散乱測定法。

【請求項14】
複数の光路長それぞれについて、試料に入射したレーザー光が散乱した散乱光を測定した光子パルスの時間間隔を入力する入力工程と、
前記複数の光路長それぞれに対応する光子相関関数を計算し、計算した光子相関関数から得られるn次の相関関数(n≧1)を外挿することによって、光路長が零のn次の相関関数を計算する演算工程と、
を備えることを特徴とする光散乱測定解析法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2004256056thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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