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動的階層構造の解析方法とその装置

国内特許コード P09A015050
整理番号 P2004-298-JP01
掲載日 2010年2月19日
出願番号 特願2005-224735
公開番号 特開2007-040807
登録番号 特許第4621916号
出願日 平成17年8月2日(2005.8.2)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
登録日 平成22年11月12日(2010.11.12)
発明者
  • 八木 駿郎
  • グン チェンピン
  • 長田 義仁
  • 武貞 正樹
出願人
  • 学校法人北海道大学
発明の名称 動的階層構造の解析方法とその装置
発明の概要

【課題】 ソフトマテリアル、たとえば高分子ゲル等の複雑系物質の動的構造(動的感受率)の解析のための周波数依存誘電感受率の測定方法の問題点を解消し、物質起源の高振動数領域での高い感度をもって、広い範囲で複雑系の動的構造を解析することのできる手段を提供する。
【解決手段】 可視視光による光散乱分光法と時間分解分光法との併用によって不均一複雑系物質の熱ゆらぎのスペクトルをそれぞれ観測し、得られたスペクトルデータに対して、不均一複雑系物質の静電動的感受率における全体の緩和過程は動的階層に対応する複数の緩和過程の重ね合わせよりなり且つ各緩和過程はそれぞれ特徴的な緩和時間を有するとともに各緩和過程はそれぞれ単一の指数関数により表すことができるというモデルを適用し、各緩和過程が有する緩和時間を求めることにより、不均一複雑系物質の動的階層構造を静電動的感受率の振動数依存性として解析するものである。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


生体代替物質等のソフトマテリアルにおける新規物性の開拓は、時代の要請により緊急かつ重要な課題であるが、ソフトマテリアルは一般にその構造を原子の空間座標で記述することが困難な不均一な複雑系物質である。このような不均一複雑系物質の構造については、従来、中性子散乱等で最近接、第2近接原子に対する平均距離をハロー状の構造因子の観測より推論することが多く行われてきている。しかしながら、物質全体に渡るマクロな構造に関しては、動的な構造(動的感受率)の探求が不可欠であった。そこで従来よりその動的構造の解析についての検討が行われてきている。



この解析は、主に周波数依存誘電感受率の測定で行われてきている(非特許文献1-2)。だが、この方法には、(1)電極接着の影響や、(2)高振動数領域(10Hz以上)での測定感度低下にともなう測定精度の劣化、(3)ゆらぎの波長に関する情報を含むことができない、などの欠点がある。

【非特許文献1】P.Pissis, et al., Colloid and Surface A:Physicochem. Eng. Aspects, 149, 253 (1999)

【特許文献2】J. Mijovic, et al., Macromolecules, 36, 4589 (2003)

産業上の利用分野


本願発明は、生体代替材料等としてのソフトマテリアル、その一つの代表例としての高分子ゲル等の不均一複雑系物質の全般に係わるマクロな動的構造(動的感受率)を解析することのできる動的階層構造の解析方法とその装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
可視光による光散乱分光法と時間分解分光法との併用によって不均一複雑系物質の熱ゆらぎのスペクトルをそれぞれ観測し、得られたスペクトルデータに対して、不均一複雑系物質の静電動的感受率における全体の緩和過程は動的階層に対応する複数の緩和過程の重ね合わせよりなり且つ各緩和過程はそれぞれ特徴的な緩和時間を有するとともに各緩和過程はそれぞれ単一の指数関数により表すことができるというモデルを適用し、各緩和過程が有する緩和時間を求めることにより、不均一複雑系物質の動的階層構造を静電動的感受率の振動数依存性として解析することを特徴とする動的階層構造の解析方法。

【請求項2】
1Hz~1013Hzに及ぶ広帯域でスペクトルを観測することを特徴とする請求項1の解析方法。

【請求項3】
不均一複雑系物質に吸収端を持たない可視レーザー光をプローブとすることを特徴とする請求項1の解析方法。

【請求項4】
光散乱分光と時間分解分光との併用は、高分解能光散乱分光法とパルス誘起熱散乱分光法とにより行うことを特徴とする請求項1の解析方法。

【請求項5】
処理部が、可視光による光散乱分光法による不均一複雑系物質の熱ゆらぎのスペクトル観測データの入力を受け付ける手順、
前記処理部が、可視光による時間分解分光法による不均一複雑系物質の熱ゆらぎのスペクトル観測データの入力を受け付ける手順、
前記処理部が、入力された前記光散乱分光法による不均一複雑系物質の熱ゆらぎのスペクトル観測データに対し、不均一複雑系物質の静電動的感受率における全体の緩和過程は動的階層に対応する複数の緩和過程の重ね合わせよりなり且つ各緩和過程はそれぞれ特徴的な緩和時間を有するとともに各緩和過程はそれぞれ単一の指数関数により表すことができるというモデルを適用して、第1の周波数帯域にわたって各緩和過程が有する緩和時間を求める手順、
前記処理部が、入力された前記時間分解分光法による不均一複雑系物質の熱ゆらぎのスペクトル観測データに対し、前記モデルを適用して、第2の周波数帯域にわたって各緩和過程が有する緩和時間を求める手順、
前記処理部が、第1の周波数帯域にわたって求めた各緩和過程が有する緩和時間と第1の周波数帯域にわたって求めた各緩和過程が有する緩和時間とを組み合わせて、第1の周波数帯域と第2の周波数帯域を合わせた周波数帯域における各緩和時間を求める手順、および
求めた第1の周波数帯域と第2の周波数帯域を合わせた周波数帯域における各緩和時間のデータに基づき不均一複雑系物質の動的階層構造を静電動的感受率の振動数依存性として解析する手順
を備えることを特徴とする動的階層構造の解析方法。

【請求項6】
請求項5の各手順をコンピュータで実行させる解析プログラム。

【請求項7】
請求項6の解析プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。

【請求項8】
可視光による光散乱分光法により不均一複雑系物質の熱ゆらぎのスペクトルを観測する第1の分光装置、
可視光による時間分解分光法により不均一複雑系物質の熱ゆらぎのスペクトルを観測する第2の分光装置、
第1の分光装置から不均一複雑系物質の熱ゆらぎのスペクトル観測データを受け取り、そのスペクトル観測データに対し、不均一複雑系物質の静電動的感受率における全体の緩和過程は動的階層に対応する複数の緩和過程の重ね合わせよりなり且つ各緩和過程はそれぞれ特徴的な緩和時間を有するとともに各緩和過程はそれぞれ単一の指数関数により表すことができるというモデルを適用して、第1の周波数帯域にわたって各緩和過程が有する緩和時間を求める第1の手段、第2の分光装置から不均一複雑系物質の熱ゆらぎのスペクトル観測データを受け取り、そのスペクトル観測データに対し、前記モデルを適用して、第2の周波数帯域にわたって各緩和過程が有する緩和時間を求める第2の手段、ならびに、第1の手段および第2の手段からのデータを受け取り、第1の周波数帯域と第2の周波数帯域を合わせた周波数帯域における各緩和時間を求め、不均一複雑系物質の動的階層構造を静電動的感受率の振動数依存性として解析する第3の手段を有する処理装置を備えることを特徴とする動的階層構造の解析装置。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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