TOP > 国内特許検索 > D40或いはCASC5、又は、該癌・精巣抗原タンパク質のスプライシングアイソフォームタンパク質をコードする遺伝子、及び、該遺伝子産物をターゲットとした癌細胞の増殖・分裂阻止及び細胞死の誘導方法、及び、該増殖・分裂阻止及び細胞死を誘導する物質のスクリーニング方法

D40或いはCASC5、又は、該癌・精巣抗原タンパク質のスプライシングアイソフォームタンパク質をコードする遺伝子、及び、該遺伝子産物をターゲットとした癌細胞の増殖・分裂阻止及び細胞死の誘導方法、及び、該増殖・分裂阻止及び細胞死を誘導する物質のスクリーニング方法

国内特許コード P09A015052
整理番号 P2005-075-JP01
掲載日 2010年2月19日
出願番号 特願2005-303676
公開番号 特開2007-112724
登録番号 特許第4848512号
出願日 平成17年10月18日(2005.10.18)
公開日 平成19年5月10日(2007.5.10)
登録日 平成23年10月28日(2011.10.28)
発明者
  • 瀧本 将人
  • ユリ ウラタ
  • 葛巻 暹
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 D40或いはCASC5、又は、該癌・精巣抗原タンパク質のスプライシングアイソフォームタンパク質をコードする遺伝子、及び、該遺伝子産物をターゲットとした癌細胞の増殖・分裂阻止及び細胞死の誘導方法、及び、該増殖・分裂阻止及び細胞死を誘導する物質のスクリーニング方法
発明の概要

【課題】癌細胞の増殖・分裂を阻止及び/又は細胞死を誘導する方法、該方法に用いられる癌細胞の選択的増殖・分裂の阻止及び/又は細胞死の誘導剤、及び、癌の治療及び/又は予防剤のスクリーニング方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、癌細胞中における癌・精巣抗原タンパク質D40或いはCASC5、又は、該癌・精巣抗原タンパク質のスプライシングアイソフォームタンパク質をコードする遺伝子の発現を抑制することにより癌細胞の増殖・分裂を阻止及び/又は細胞死を誘導する。癌・精巣抗原タンパク質D40或いはCASC5、又は、該癌・精巣抗原タンパク質のスプライシングアイソフォームタンパク質をターゲットとして癌細胞の増殖・分裂の阻止及び/又は細胞死の誘導物質或いは癌の治療及び/又は予防剤のスクリーニングを行う。癌・精巣抗原タンパク質遺伝子の発現を抑制するには、dsRNAによるRNA干渉法が用いられる。

従来技術、競合技術の概要


精巣は数多くの精巣特異的遺伝子を発現するが(Reprod. Fertility & Develop. 7, 695-704, 1995;Int. J. Develop. Biol. 40, 379-83, 1996)、それらの殆どは全くあるいは極く稀にしか一般の腫瘍では活性化しないと報告されている(Biochem. Biophys. Res. Comm. 241, 653-657, 1997)。しかし最近の研究により、癌と正常精巣両者に発現する遺伝子群が同定され、それらの中には、宿主に免疫応答を引き起こすものがあり、癌・精巣抗原(cancer-testis antigen:CT抗原)と呼ばれている。また、癌・精巣抗原遺伝子に対して相同的な塩基配列をもつが、精巣のみならず両性の生殖器官において表現されている遺伝子も知られている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 10757-62, 1998;Cancer Res. 59, 1445-8, 1999;J. Biol. Chem. 273, 17618-25, 1998)。



癌・精巣抗原をコードする遺伝子を含めた上記の遺伝子は癌・精巣関連遺伝子と称される。癌患者に免疫反応を惹起する抗原をコ-ドする癌・精巣関連遺伝子としては、MAGE、BAGE、GAGE、LAGE、SSX等の遺伝子が知られている(Science 254, 1643-7, 1991;Immunity 2, 167-75, 1995;J. Exp. Med. 182, 689-98, 1995;Int. J. Cancer 76, 903-8, 1998;Int. J. Cancer 72, 965-71, 1997;Cancer Res. 56, 4766-72, 1996)。



これまで知られている殆どの癌・精巣関連遺伝子は、ヒトX染色体に存在する。例えば、MAGEサブファミリーはX染色体の4つの領域、Xq28、Xq21.3、Xq26及びXq11.23(Immunogenet. 40, 360-9, 1994;Cancer Res. 58, 743-52, 1998;Genomics 59, 161-7, 1999)に存在する。また、SSX遺伝子はXq11.2(Nature Genet. 7, 502-8, 1994)に、LAGE1とNY-ESO-1はXq28(Cancer J From Scientific American 5: 16-17, 1999;Intl J Cancer 76, 903-908, 1998)に、またGAGE遺伝子はXp11.2-Xp11.4(Cancer Res. 59, 3157-3165, 1999)の間に存在する。しかし、最近、第1染色体に存在することが知られるシナプトネマル複合タンパク質(SCP1)は癌・精巣関連遺伝子群の一員であることが示され(EMBO J. 11, 5091-5100, 1992)、また同時にこれはHOM-TES-14遺伝子(Cytogen Cell Genet 78, 103-104, 1997;Proc Natl Acad Sci USA 95, 5211-5216, 1998)と同一であることも明らかにされている。



本発明者は、最近、癌・精巣関連遺伝子についての研究の中から、癌・精巣抗原タンパク質D40を発現する遺伝子を見い出し、該遺伝子をクローニングした(特開2002-85071号公報)。該癌・精巣抗原タンパク質D40を発現する遺伝子は、正常組織の中では精巣のみに高発現するが、一方で、癌においては種々の組織・細胞由来の多くの培養癌細胞や肺癌などのヒト原発癌においても高頻度に発現していることが明らかとなった。該癌・精巣抗原タンパク質D40を発現する遺伝子は、非喫煙者に比べ喫煙者由来の肺癌に高頻度に発現している。また、高分化度の肺癌に比べ、低分化度の肺癌において該D40を発現する遺伝子の発現頻度は優位に高いことが示されている。



しかし、これまで、該D40を発現する遺伝子が、多くのヒト組織・臓器由来の癌細胞株と原発癌に高頻度に発現し、正常組織では精巣のみに高発現していることが知られているだけで、該遺伝子及び該遺伝子の発現産物である癌・精巣抗原タンパク質D40の癌細胞における機能については、これまで殆んど知られていなかった。




【特許文献1】特開2002-85071号公報。

【非特許文献1】Reprod. Fertility & Develop. 7, 695-704, 1995。

【非特許文献2】Int. J. Develop. Biol. 40, 379-83, 1996。

【非特許文献3】Biochem. Biophys. Res. Comm. 241, 653-657, 1997。

【非特許文献4】Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 10757-62, 1998。

【非特許文献5】Cancer Res. 59, 1445-8, 1999。

【非特許文献6】J. Biol. Chem. 273, 17618-25, 1998。

【非特許文献7】Science 254, 1643-7, 1991。

【非特許文献8】Immunity 2, 167-75, 1995。

【非特許文献9】J. Exp. Med. 182, 689-98, 1995。

【非特許文献10】Int. J. Cancer 76, 903-8, 1998。

【非特許文献11】Int. J. Cancer 72, 965-71, 1997。

【非特許文献12】Cancer Res. 56, 4766-72, 1996。

【非特許文献13】Immunogenet. 40, 360-9, 1994

【非特許文献14】Cancer Res. 58, 743-52, 1998。

【非特許文献15】Genomics 59, 161-7, 1999。

【非特許文献16】Nature Genet. 7, 502-8, 1994。

【非特許文献17】Cancer J From Scientific American 5: 16-17, 1999。

【非特許文献18】Intl J Cancer 76, 903-908, 1998。

【非特許文献19】Cancer Res. 59, 3157-3165, 1999。

【非特許文献20】EMBO J. 11, 5091-5100, 1992。

【非特許文献21】Cytogen Cell Genet 78, 103-104, 1997。

【非特許文献22】Proc Natl Acad Sci USA 95, 5211-5216, 1998

産業上の利用分野


本発明は、癌細胞中における癌・精巣抗原タンパク質D40或いはCASC5、又は、該癌・精巣抗原タンパク質のスプライシングアイソフォームタンパク質をコードする遺伝子の発現を抑制することにより、癌細胞の増殖・分裂を阻止及び/又は細胞死を誘導する方法、該方法に用いられる癌細胞の選択的増殖・分裂の阻止及び/又は細胞死の誘導剤、及び、癌・精巣抗原タンパク質D40或いはCASC5、又は、該癌・精巣抗原タンパク質のスプライシングアイソフォームタンパク質をターゲットとした癌細胞の増殖・分裂の阻止及び/又は細胞死の誘導物質、或いは癌の治療及び/又は予防剤のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
癌・精巣抗原タンパク質D40或いはCASC5、又は、該癌・精巣抗原タンパク質のスプライシングアイソフォームタンパク質のmRNAに対する標的特異的RNA分子からなる癌細胞の選択的増殖・分裂の阻止及び/又は細胞死の誘導剤。

【請求項2】
標的特異的RNA分子が、二本鎖RNA分子であることを特徴とする請求項1記載の癌細胞の選択的増殖・分裂の阻止及び/又は細胞死の誘導剤。

【請求項3】
二本鎖RNA分子からなる、癌・精巣抗原タンパク質D40或いはCASC5、又は、該癌・精巣抗原タンパク質のスプライシングアイソフォームタンパク質のmRNAに対する標的特異的RNA分子が、配列表の配列番号1及び該RNA鎖の相補配列からなる二本鎖RNA分子、配列表の配列番号2及び該RNA鎖の相補配列からなる二本鎖RNA分子、又は、配列表の配列番号3及び該RNA鎖の相補配列からなる二本鎖RNA分子であることを特徴とする請求項2記載の癌細胞の選択的増殖・分裂の阻止及び/又は細胞死の誘導剤。
産業区分
  • 薬品
  • 薬品
  • 微生物工業
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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