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3次元構造が形成された樹脂フィルムの製造方法

国内特許コード P09A015093
整理番号 P2006-175-JP01
掲載日 2010年2月19日
出願番号 特願2007-145890
公開番号 特開2008-296481
登録番号 特許第5078073号
出願日 平成19年5月31日(2007.5.31)
公開日 平成20年12月11日(2008.12.11)
登録日 平成24年9月7日(2012.9.7)
発明者
  • 西埜 文晃
  • 高木 斗志彦
  • 桑原 昌宏
  • 下村 政嗣
  • 居城 邦治
  • 山本 貞明
  • 松尾 保孝
  • 藪 浩
出願人
  • 三井化学株式会社
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 3次元構造が形成された樹脂フィルムの製造方法
発明の概要

【課題】本発明は、微細な3次元構造を形成された樹脂フィルムの製造方法であって、安価かつ簡便なプロセスを提供する。また微細な3次元構造体を形成された樹脂フィルムの製造方法であって、樹脂フィルムの原料となる樹脂を多様な樹脂から選択することができる製造方法を提供する。これらにより、広範囲の用途に適用することができる樹脂フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】ハニカム状多孔質樹脂フィルムと、熱、光、赤外線またはマイクロ波によって収縮するフィルムとを有する複層フィルムに、熱、光、赤外線またはマイクロ波を作用させて複層フィルムを収縮させ、ハニカム状多孔質を3次元構造とする方法。
【選択図】図5

従来技術、競合技術の概要


微細な3次元構造体は、フォトニック結晶、輝度向上フィルム、回折格子、偏光素子などの光学部材、光導波路、光共振器などの光通信部材、細胞培養基材、微粒子捕捉フィルター、DNAチップなどのライフサイエンス用部材等の様々な分野で使用されている。
なかでも、次世代の医療技術として注目されている再生医療の分野では、高密度な細胞を三次元的に培養するために細胞の足場となる3次元微細構造基材が望まれている。現在までに様々な微細加工技術は開発されてきたが、製造コスト、製造にかかる時間、三次元構造の精度などを考慮すると、細胞培養基材として使用できる微細な三次元構造体はこれまで実現されていない。



微細加工技術としてよく用いられる手法であるフォトリソグラフィー技術は、フォトレジスト材料の塗布;露光;現像;エッチングという工程を含み、微細加工をする技術として有用である。一方、フォトリソグラフィー技術は、高価な装置が必要であり、微細加工できる材料が限られ、感光性材料や半導体などの無機材料に限られる。またフォトリソグラフィー技術により、2次元微細加工は比較的容易に行うことができるが、3次元微細加工を施すことは非常に困難である。



近年、フォトリソグラフィー技術に代わる微細加工技術として、プレス加工技術を応用したナノインプリント技術が注目されている。ナノインプリント技術とは、微細構造を有する金型を樹脂にプレスすることで、金型の微細構造を樹脂に転写する技術である。一度金型を作製すれば、大量に複製することができるという利点がある。しかしながら金型は、電子線リソグラフィー、X線リソグラフィーまたはフォトリソグラフィーなどの技術を利用して作製される。したがって、大幅なコスト削減は期待できない。さらに解像度が金型に依存する、樹脂の熱収縮や光硬化収縮により寸法精度が低下する、金型と樹脂の離型不良により欠陥が生じる等の問題点がある。またナノインプリント技術は、フォトリソグラフィー技術と同様に、2次元微細加工は容易に行うことができるが、3次元微細加工を施すことは非常に困難である。



3次元微細加工技術として、レーザー光を集光し、集光点を走査して光硬化性樹脂を硬化させる工程を繰り返すことで、3次元微細構造体を製造するマイクロ光造形法が知られている。しかしながらマイクロ光造形法は、加工できる大きさはマイクロメートルスケール以上であり、サブマイクロメートルスケール以下の微細加工は極めて困難である。また、生産性が低く、使用できる材料が光硬化性樹脂に限られるなど制約が多い。



その他の3次元微細加工技術として、目的の3次元構造体の断層形状に対応する微細加工を施した薄膜を順次積層することで、3次元構造体を製造する積層造形法が知られている。断層形状に対応する薄膜は、レーザーによる直接描画法やフォトリソグラフィー法、金型を用いたナノインプリント法を利用して加工するため、生産性が低く、製造装置が非常に高価で膨大な運用コストが必要になるという問題点がある。



一方、自己組織化手法によるマイクロパターン形成法が注目されている(例えば、非特許文献1を参照)。自己組織化によるマイクロパターン形成法は、ポリマー溶液を高湿度下でガラス基板上に塗布した後、その表面に気体を吹き付けて、溶媒を蒸発させると共に、凝結した微小水滴を鋳型にしてハニカム構造を形成する方法である。かかる方法は、空気中から自然に凝結する微小水滴と、溶液中から自然に析出するポリマーとを利用しているので、複雑な製造装置を必要とせず、極めて容易かつ安価に製膜できるという利点がある。

【非特許文献1】「自己組織化によるナノマテリアル(田中賢等)」、特集3-ナノテク/バイオなど次世代注目技術と微細加工機器・システム、「M&E」、工業調査会、(2003年8月号、p.190-195)

産業上の利用分野


本発明は、3次元構造が形成された樹脂フィルムの製造方法に関する。具体的には、ハニカム状多孔質樹脂フィルムを収縮させることにより、3次元構造が形成された樹脂フィルムを製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
周期的な凹凸からなる3次元構造が形成された樹脂フィルムの製造方法であって、
ハニカム状多孔質樹脂フィルムと、熱、光、赤外線またはマイクロ波によって収縮するフィルムとを有する複層フィルムを準備するステップ、および
前記複層フィルムに熱、光、赤外線またはマイクロ波を作用させて、前記複層フィルムを収縮させ、ハニカム状多孔質を3次元構造とするステップ、
を含み、
前記凹凸の周期が、0.01~10μmであり、前記凹凸の高さが0.01~10μmである、製造方法。

【請求項2】
前記3次元構造は、前記凹凸のそれぞれに孔を有する構造である、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
前記収縮するフィルムが異方的に収縮する、請求項1または2に記載の製造方法。

【請求項4】
前記収縮するフィルムが等方的に収縮する、請求項1または2に記載の製造方法。

【請求項5】
前記ハニカム状多孔質樹脂フィルムを準備するステップであって、
高分子材料を溶解した疎水性有機溶液を高湿度雰囲気下でキャストする工程、
前記キャスト液から、キャスト液に含まれる有機溶媒を蒸発させると同時に、キャスト液表面で高湿度雰囲気成分を結露させる工程、および
前記結露により生じた微小液滴を蒸発させてキャスト膜を形成する工程、
を有するステップをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項6】
前記ハニカム状多孔質樹脂フィルムを準備するステップであって、
高分子材料を溶解した疎水性有機溶液をキャストする工程、
前記キャスト液に高湿度ガスを吹き付けて、キャスト液に含まれる有機溶媒を蒸発させると同時に、キャスト液表面で高湿度雰囲気成分を結露させる工程、および
前記結露により生じた微小液滴を蒸発させてキャスト膜を形成する工程、
を有するステップをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項7】
前記3次元構造が形成された樹脂フィルムは光学フィルムである、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項8】
前記3次元構造が形成された樹脂フィルムは細胞培養基材である、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項9】
前記3次元構造が形成された樹脂フィルムは撥水フィルムである、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 微生物工業
  • 流体移送
  • 光学装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007145890thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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