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サブミクロンハニカム構造の製造法

国内特許コード P09S000321
整理番号 P2004-042-JP02
掲載日 2010年2月19日
出願番号 特願2006-532591
登録番号 特許第4682332号
出願日 平成17年8月25日(2005.8.25)
登録日 平成23年2月18日(2011.2.18)
国際出願番号 JP2005015456
国際公開番号 WO2006022341
国際出願日 平成17年8月25日(2005.8.25)
国際公開日 平成18年3月2日(2006.3.2)
優先権データ
  • 特願2004-247852 (2004.8.27) JP
発明者
  • 下村 政嗣
  • 藪 浩
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 サブミクロンハニカム構造の製造法
発明の概要

本発明は、以下の工程を含む、直径10~100nmの細孔を有する、非水溶性ポリマーからなる厚さ10~1000nmのハニカム状多孔質体の製造方法に関する。
1)50dyn/cm以下の表面張力γLを有する水不和合性有機溶媒に非水溶性ポリマーを溶解して非水溶性ポリマーの水不和合性有機溶媒溶液を調製する工程;
2)工程1)で調製される非水溶性ポリマーの水不和合性有機溶媒溶液を基板の表面に塗布する工程、ここで該基板の表面張力γSは塗布される水不和合性有機溶媒の表面張力γLならびに該基板と該溶媒との間の表面張力γSLに対してγS-γSL>γLの関係を満たす;
3)工程2)で基板上に塗布された非水溶性ポリマーの水不和合性有機溶媒溶液に相対湿度30%以上の空気を接触させて水不和合性有機溶媒を蒸発させる工程、ここで水不和合性有機溶媒の蒸発速度は非水溶性ポリマーの水不和合性有機溶媒溶液の基板表面への塗布時の液膜厚が1秒以内に1/5にまで減少する速度である。

従来技術、競合技術の概要

従来、サブミクロンサイズのハニカム状構造体を作製する技術としては、フォトリソグラフィーやソフトリソグラフィー(ホワイトサイドら、Angew.Chem.Int.Ed.,1998年、第37巻、第550-575頁)などが知られている。このように物質を細かく切断することにより作製する微細化プロセスは、トップダウン型の作製プロセスと呼ばれる。一般的に、トップダウン型の作製プロセスは分子間の結合を切断することに基づいているため、本質的に高エネルギーが必要である。そのため、これらの方法は多段階で高コストのプロセスであり、また回折限界などの問題から、単純な周期構造を作製する方法としては解決すべき問題が多い。


これに対して、材料を分子レベルから積み上げることで微細周期構造を作製する試みがなされている。例えば、10nmスケールの微細構造作製プロセスとして、ブロックコポリマーの相分離が知られている(アルブレヒトら、マクロモレキュール(Macromolecules)、2002年、第35巻、第8106-8110頁)。また、フランソワら(Nature、1994年、第369巻、第387頁)はポリスチレン-ポリパラフェニレン(PS-PPP)ブロックコポリマーからなる規則的な形態を有する構造体の調製を報告している。相溶性の異なる高分子の末端を共有結合でつなげたブロックコポリマーは、相溶性と各セグメントの長さによって、相分離構造の周期を可変できる。しかしながらこの方法も複雑な有機合成プロセスが必要であり、合成できるブロックコポリマーも限られている。


さらに、サブミクロンのコロイド微粒子を集積することで、2次元、3次元の周期構造が作製する方法(グら、ラングミュア(Langmuir)、第17巻)、これを鋳型にすることでインバースドオパール構造を作製する方法(カルソら、ラングミュア(Langmuir)、1999年、第15巻、第8276-8281頁)が報告されているが、いずれも、単一粒径の微粒子を調製しなくてはならず、また、型を取った後に鋳型を分解しなくてはならないなど、様々なプロセス上の問題がある。


これらの方法とは異なる原理に基づくものとして、水滴を鋳型として簡便にハニカム状多孔質体を作製する方法が報告されている(特開平8-311231)。具体的には、高分子の非水性有機溶媒溶液表面上に水滴を結露させ、該水滴を鋳型としてハニカム状の多孔質体を調製するものである。また、特開2001-157574にはポリL-乳酸のクロロホルム溶液をガラス基板にキャストしたのち、徐々に溶媒を飛ばすことでハニカム状多孔質体を製造する方法が開示されている。ここでハニカム状多孔質体とは、高分子(ポリマー)からなる薄膜構造体であって、膜の垂直方向に向けられた微小な孔あるいは窪みが構造体の平面方向に蜂の巣状に設けられているものを意味する。本発明におけるハニカム状多孔質体も同じである。



【特許文献1】特開平8-311231
【特許文献2】特開2001-157574
【非特許文献1】ゲルジンゲら、IEEEスペクトラム(IEEE Spectrum)1989年、第89巻、第43頁
【非特許文献2】ノダら、ネイチャー(Nature)、2000年、第407巻、第608頁
【非特許文献3】チェンら、サイエンス(Science)、1997年、第276巻、1425頁
【非特許文献4】ホワイトサイドら、Angew.Chem.Int.Ed.,1998年、第37巻、第550-575頁
【非特許文献5】アルブレヒトら、マクロモレキュール(Macromolecules)、2002年、第35巻、第8106-8110頁
【非特許文献6】フランソワら、Nature、1994年、第369巻、第387頁
【非特許文献7】グら、ラングミュア(Langmuir)、第17巻
【非特許文献8】カルソら、ラングミュア(Langmuir)、1999年、第15巻、第8276-8281頁

産業上の利用分野

微細な周期構造を持つ薄膜は、様々な分野において有用な材料である。電子材料の分野では、電界トランジスタのチャネルの微細化が求められており、実際に100nm以下の作製プロセスが実用化されている(ゲルジンゲら、IEEEスペクトラム(IEEE Spectrum)1989年、第89巻、第43頁)。光学材料の分野では、回折格子やフォトニック結晶などが、次世代の光機能素子として注目されている(ノダら、ネイチャー(Nature)、2000年、第407巻、第608頁)。また光の波長以下の周期構造は可視光領域で透明であり、光の散乱などを防止する効果が期待できる。また、近年再生医療分野においても、表面の微細構造が培養細胞に影響を与えるなどの報告がなされている(チェンら、サイエンス(Science)、1997年、第276巻、1425頁)。

特許請求の範囲 【請求項1】 以下の工程を含む、直径10~00nmの細孔を有する、非水溶性ポリマーからなる厚さ10~1000nmのハニカム状多孔質体の製造方法。
1)50dyn/cm以下の表面張力γLを有する水不和合性有機溶媒に非水溶性ポリマーを溶解して非水溶性ポリマーの水不和合性有機溶媒溶液を調製する工程;
2)工程1)で調製された前記非水溶性ポリマーの水不和合性有機溶媒溶液を基板の表面に塗布する工程、
ここで、前記基板の表面張力γSは、前記水不和合性有機溶媒の表面張力γLならびに前記基板と前記水不和合性有機溶媒との間の表面張力γSLに対してγS-γSLγLの関係を満たし、
前記非水溶性ポリマーの水不和合性有機溶媒溶液の液膜厚は、1~50μmである
3)工程2)で前記基板上に塗布された前記非水溶性ポリマーの水不和合性有機溶媒溶液に相対湿度30%以上の空気を接触させて、前記水不和合性有機溶媒を蒸発させる工程、
ここで、前記水不和合性有機溶媒の蒸発速度は、前記非水溶性ポリマーの水不和合性有機溶媒溶液の前記基板表面への塗布時の液膜厚が1秒以内に1/5にまで減少する速度である。
【請求項2】 工程2)は、
前記基板を一軸方向に移動させながら、前記非水溶性ポリマーの水不和合性有機溶媒溶液を前記基板の表面に塗布する工程と、
前記非水溶性ポリマーの水不和合性有機溶媒溶液を塗布された基板を、前記基板との間隙が1~50μmとなるように設置された金属板の下側をくぐらせる工程と、
を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】 前記基板は、ガラス板もしくは金属板である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】 工程3)は、前記基板の表面に塗布された前記非水溶性ポリマーの水不和合性有機溶媒溶液を、相対湿度30%以上の湿度を有する流速10~100L/分の気流に接触させる工程である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】 前記水不和合性有機溶媒は、フッ化炭素溶媒である、請求項1に記載の製造方法。
産業区分
  • 高分子化合物
  • その他機械要素
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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