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過剰なアポトーシスを生ずるトランスジェニック魚類

国内特許コード P09A015142
掲載日 2010年3月5日
出願番号 特願2002-154851
公開番号 特開2003-339274
登録番号 特許第4235725号
出願日 平成14年5月29日(2002.5.29)
公開日 平成15年12月2日(2003.12.2)
登録日 平成20年12月26日(2008.12.26)
発明者
  • 山下 倫明
  • 北条 弥作子
出願人
  • 国立研究開発法人水産研究・教育機構
発明の名称 過剰なアポトーシスを生ずるトランスジェニック魚類
発明の概要 【課題】 過剰なアポトーシスを生ずるトランスジェニック魚類及びそれを用いるアポトーシス誘導の解析方法の提供
【解決手段】 アポトーシス誘導因子の遺伝子発現系を魚類に遺伝子導入することによって得ることのできる過剰なアポトーシスを生じるトランスジェニック魚類。この魚類を用いてin vivoでアポトーシス誘導を解析する方法。アポトーシス誘導因子としてカスパーゼを、また魚類としてゼブラフィッシュを用いることが好ましい。本発明の魚類に化合物を投与することによって、魚類のアポトーシス発現によって生ずる異常を測定し、化合物のスクリーニング、アポトーシス誘導に関するメカニズム等を解析することができる。
従来技術、競合技術の概要


アポトーシスは、自己細胞死、プログラム細胞死などとも呼ばれ、発生、形態形成、細胞分化、発がん、免疫、生殖、老化など高等動物のもつ高次な生命現象に密接にかかわることが知られている(Ellis RE et al., Annu. Rev. Cell Biol. 7,663-698,1991年; Cohen JJ et al., Annu. Rev. Immunol. 10,267-293,1992年; Granerus M and Engstrom W: 29,309-314,1996年; Jacobson MD et al., Cell 88,347-354,1997年)。また、熱、放射線、紫外線などストレス刺激、セラミド、Fas抗原などの薬剤投与の刺激によっても誘導されることが明らかにされている。これまでアポトーシス解析のモデル実験系としてほ乳類培養細胞が研究に用いられていた。培養細胞におけるアポトーシスの発現は、トリパンブルー、エオシン等色素で細胞染色して死細胞を計数する方法、アネキシンV蛍光染色法、DNA断片化の電気泳動分析、核の凝集、断片化の顕微鏡観察、TUNEL(terminal deoxynucleotidyl transferase-mediated dUTP nick-end labeling)染色法、フローサイトメトリー等の細胞生物学的手法で観察される(新アポトーシス実験法:辻本賀英・刀称重信・山田武編、羊土社1999年)。



魚類においても、アポトーシスは、発生、成長、組織の分化及び器官形成に障害をもたらすだけでなく、不妊化、性転換など生殖に関わる生理機能にも影響することが知られている(Yabu T et al., Fisheries Sci.,67,333-340,2001年; Yabu T et al., Biochem. J.,360,39-47,2001年)。アポトーシス細胞の特徴である断片化DNAを特異的に染色することができるTUNEL染色法で、ヒラメ、ゼブラフィッシュなど魚類の胚を直接染色することにより、熱、紫外線などの環境ストレスに対して感受性の高い組織・細胞を同定することができる(Yabu T et al., Fisheries Sci.,67,333-340,2001年)。



今後さらに、動物個体を用いて、in vivoでアポトーシスが果たす生理的役割の解明が進むと、その成果は、新規生理活性物質のスクリーニングやアポトーシスを指標とするバイオアッセイに利用できるので、医学、製薬、水産業、農業、畜産業、バイオテクノロジーなどのさまざまな分野で産業的な応用開発が期待される。しかしながら、脊椎動物の通常の生育条件では、各組織・器官においてアポトーシスが生じる頻度は非常に低いので、アポトーシスを指標とするバイオアッセイはその利用用途は限られており、トランスジェニック動物を用いた例としては、カスパーゼ-3を心臓で発現させたトランスジェニックマウスが心臓疾患モデルとして報告された例があるにすぎない(Condorelli G. et al., PNAS,98,9977-9982,2001年)。そのため、それぞれのアポトーシス誘導因子の作用によって誘発されるアポトーシスの発現を個体レベルで容易に観察することができ、形態形成異常、成長、組織の分化などの生物現象における個々のアポトーシス誘導因子の作用を解析できるモデル脊椎動物の開発が望まれる。

産業上の利用分野


本発明は、アポトーシス誘導因子の遺伝子発現系を遺伝子導入したトランスジェニック魚類及びその利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター制御下にアポトーシス誘導因子であるカスパーゼ3遺伝子を配置した遺伝子発現系を遺伝子導入することによって得られる過剰なアポトーシスが生じるトランスジェニックゼブラフィッシュ

【請求項2】
ヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター制御下にアポトーシス誘導因子であるカスパーゼ3遺伝子を配置した遺伝子発現系を遺伝子導入した後、さらに、カスパーゼ阻害剤を添加した培養液中で培養することによって得られる過剰なアポトーシスが生じる系統化されたトランスジェニックゼブラフィッシュ。

【請求項3】
カスパーゼ3遺伝子がゼブラフィッシュのカスパーゼ3遺伝子である請求項1又は2に記載のトランスジェニックゼブラフィッシュ。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のトランスジェニック魚類を用いてin vivoでアポトーシス誘導を解析する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録


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