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飲食品等の品質判定方法およびそのインジケータ

国内特許コード P09A015148
掲載日 2010年3月5日
出願番号 特願2003-322588
公開番号 特開2005-087044
登録番号 特許第4392714号
出願日 平成15年9月16日(2003.9.16)
公開日 平成17年4月7日(2005.4.7)
登録日 平成21年10月23日(2009.10.23)
発明者
  • 一色 賢司
  • 川本 伸一
  • 小川 順三
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
  • 二瀬 克規
発明の名称 飲食品等の品質判定方法およびそのインジケータ
発明の概要

【課題】飲食品等の品質が保管環境の温度変動および/または保管時間の経過によって変質する場合に、その変質の程度、すなわち鮮度の低下などを、簡便かつ客観的に判定することのできる、飲食品や薬剤等の品質判定方法およびそのインジケータを提案する。
【解決手段】中仕切りシール部を介して設けられた独立する複数の収容部分からなる合成樹脂製の透明な軟質フィルム袋内に、食品由来微生物および試料溶液のそれぞれを、該収容部分に分けて封入し、使用に先立って前記中仕切りシール部の剥離を通じて前記収容部分どうしを互いに連通させることにより、食品由来微生物および試料溶液を混ぜ合わせ、その後、この袋を判定すべき食品等に随伴帯同させて、該飲食品等の保存中における微生物の増殖による該袋内に生成するガス量もしくは該袋内収容物の色の変化を観察することにより、飲食品等の品質の程度を判定することを特徴とする飲食品等の品質判定方法。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


生鮮食品や加工食品、ジュースなどの飲食品、ワクチン血液等の薬剤(以下、便宜上、これらを総称して「飲食品等」と略記して述べる)は、これらの安全性を確保するため、流通過程に保持された時間、即ち保管時間のみならず、その流通環境の温度履歴などの管理が重要である。もし、流通時の環境温度や経過時間の管理を誤ると、例えば生鮮食品の場合は、変質(鮮度の低下)を招くだけでなく、腐敗することさえあり、さらには食中毒を発生する危険さえもあった。
こうした飲食品等の変質や腐敗は、その多くが、生産者から流通業者を経て消費者に渡り、飲食や使用に供されるまでの間に微生物が増殖することによって生じる。ところが、飲食品等の品質は、従来、該飲食品自体の腐敗に伴う異臭や変色、異味等を人の感覚によって主観的に判断するのが普通である。しかしながら、こうした主観的な判断には個人差があり、正しい品質(変質や腐敗の進行程度)を知るのは難しいのが実情である。



しかも、こうした飲食品等の品質低下は、たとえその飲食品等がチルド域(0~10℃)に保存されていたとしても生じることがある。それは、実際の流通過程において、該飲食品等がどのような温度環境にあったか、どのように取り扱われたかという条件、例えば、該飲食品等を保冷庫に入れるまでの時間や、出し入れの回数などによって異なるからである。とくに、該飲食品等の腐敗は、保管環境の温度が高ければ高い程、また保管時間が長くなればなるほど進行しやすくなる。このような背景の下で、従来より、流通過程における温度上昇や保管時間の経過に伴う飲食品等の品質低下を判定するためのインジケータの開発が強く求められてきた。



このような飲食品等の品質低下や異変等を判定するためのインジケータとしては、例えば、特許文献1に開示された方法がある。この技術は、拡散性の染料が温度上昇と時間の経過により、染料拡散層に拡散浸透し、変色することによって温度履歴を確認する方法である。また、特許文献2には、加熱温度と時間に依存して変色するインクを用いて、記号、図形または文字を飲食品の包装に直接印刷、または紙や樹脂シートに印刷したものを包装に貼付することによって飲食品等の温度履歴を表示する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法は、加熱温度と保持時間による微生物増殖の関係から、飲食品等の増殖の程度を推測する方法であり、実際にどの程度、微生物が増殖しているのかを客観的に判断することはできない。従って、実際の流通過程での飲食品等の取り扱いは、未だ高い品質を充分に保持している場合でさえも、危険を避けるために廃棄処分するのが普通で、非経済的であった。

【特許文献1】特開平11-194053号公報

【特許文献2】特開平11-296086号公報

産業上の利用分野


この発明は、農産物や畜産物、魚介類などの生鮮食品、弁当や惣菜などの加工食品、ジュースや酒などの飲料、醤油やソース、みそなどの調味料からなる飲食品、あるいはワクチン、生化学用サンプル、化粧品などの薬剤についての保管状態、とくに保管環境における温度や経過時間などで示される流通履歴の影響によって起こる、これらの物品の変質や鮮度の低下を客観的に評価判定するための保管状態判定方法およびこの判定方法に用いて有効なインジケータに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
包装袋の周囲のヒートシール部に比べて剥離し易いヒートシールを施してなる中仕切りシール部を介して設けられた独立する複数の収容部分からなり、かつ基準気泡径を印刷表示したものからなる合成樹脂製の透明な軟質フィルム袋内に、ガス産生菌または酸産生菌および試料溶液のそれぞれを、該収容部分に分けて封入し、使用に先立って前記中仕切りシール部の剥離を通じて前記収容部分どうしを互いに連通させることにより、該フィルム袋内のガス産生菌または酸産生菌および試料溶液を混ぜ合わせ、その後、このフィルム袋を、判定すべき飲食品あるいは薬剤に付帯させて同じ環境下に置き、該フィルム袋内に生成するガス量もしくは該袋内収容物の色の変化を観察することにより、飲食品あるいは薬剤の品質の程度を判定することを特徴とする飲食品あるいは薬剤の品質判定方法。

【請求項2】
上記ガス産生菌または酸産生菌が、酵母、かびおよび細菌のいずれか一種以上であることを特徴とする請求項記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定方法。

【請求項3】
上記ガス産生菌または酸産生菌は、ガス産生開始温度および/または酸産生開始温度以上において、主に炭水化物からの酸産生に伴ってCO2とH2を発生するものであることを特徴とする請求項またはに記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定方法。

【請求項4】
上記ガス産生菌または酸産生菌は、乾燥状態のものを用いることを特徴とする請求項のいずれか1に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定方法。

【請求項5】
上記ガス産生菌または酸産生菌が、顆粒状もしくは粉状の乾燥酵母であることを特徴とする請求項にいずれか1に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定方法。

【請求項6】
上記試料溶液は、ガス産生菌または酸産生菌の繁殖を助成する栄養成分を含む他、さらに酸産生菌を用いた場合には、pH調整したpH変色型色素を含有する色素成分を含むことを特徴とする請求項1~のいずれか1に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定方法。

【請求項7】
上記色素成分は、果実、野菜および/またはそれらの搾汁であることを特徴とする請求項に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定方法。

【請求項8】
上記pH調整は、色素成分を、かん水の如きアルカリ水、焼成カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムのうちから選ばれるいずれか1種以上のpH調整液を用いてpH=7超~14に調整することを特徴とする請求項に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定方法。

【請求項9】
包装袋の周囲のヒートシール部に比べて剥離し易いヒートシールを施してなる中仕切りシール部を介して独立して設けられている複数の収容部分からなり、かつ基準気泡径が印刷表示されたものからなる合成樹脂製の透明な軟質フィルム袋内に、ガス産生菌または酸産生菌および試料溶液のそれぞれを、その独立した各収容部分に分けて封入したものからなり、かつ使用に先立って前記中仕切りシール部の剥離を通じて前記収容部分どうしが互いに連通することで、ガス産生菌または酸産生菌および試料溶液を混合可能にしたものであって、飲食品あるいは薬剤に付帯させて同じ環境下に置き、該フィルム袋内に生成するガス量もしくは該袋内収容物の色の変化を観察するようにしたものであることを特徴とする飲食品あるいは薬剤の品質判定用インジケータ。

【請求項10】
上記ガス産生菌または酸産生菌は、酵母、かびおよび細菌のいずれか一種以上であることを特徴とする請求項記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定用インジケータ。

【請求項11】
上記ガス産生菌または酸産生菌は、ガス産生開始温度および/または酸産生開始温度以上において、主に炭水化物からの酸産生に伴ってCO2とH2を発生するものであることを特徴とする請求項または10に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定用インジケータ。

【請求項12】
上記ガス産生菌または酸産生菌は、乾燥状態のものを用いることを特徴とする請求項11のいずれか1に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定用インジケータ。

【請求項13】
上記ガス産生菌または酸産生菌が、顆粒状もしくは粉状の乾燥酵母であることを特徴とする請求項12にいずれか1に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定用インジケータ。

【請求項14】
上記試料溶液は、ガス産生菌または酸産生菌の繁殖を助成する栄養成分の他、さらに酸産生菌を用いた場合には、pH調整したpH変色型色素を含有する色素成分を含むことを特徴とする請求項13のいずれか1に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定用インジケータ。

【請求項15】
上記色素成分は、果実、野菜および/またはそれらの搾汁であることを特徴とする請求項14に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定用インジケータ。

【請求項16】
上記pH変色型色素は、アントシアニン色素であることを特徴とする請求項14に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定用インジケータ。

【請求項17】
上記pH調整は、色素成分を、かん水の如きアルカリ水、焼成カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムのうちから選ばれるいずれか1種以上のpH調整液を用いてpH=7超~14に調整することを特徴とする請求項14に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定用インジケータ。

【請求項18】
上記基準気泡径は、腐敗危険期、注意期、安全期に相当する気泡径の大きさが印刷表示されていることを特徴とする請求項に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定用インジケータ。

【請求項19】
上記中仕切りシール部のシール強さは、包装袋の周囲のヒートシール部のシール強度に対して、20~90%のシール強度を有することを特徴とする請求項記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定用インジケータ。

【請求項20】
上記中仕切りシール部のシール幅は、0.4~0.9mmであることを特徴とする請求項に記載の飲食品あるいは薬剤の品質判定用インジケータ。
産業区分
  • 微生物工業
  • 食品
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003322588thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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