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湿度長期計測用フィールドサーバ並びにそれを用いたモニタリングシステム 新技術説明会

国内特許コード P09A015160
掲載日 2010年3月5日
出願番号 特願2006-242499
公開番号 特開2008-064591
登録番号 特許第4310405号
出願日 平成18年9月7日(2006.9.7)
公開日 平成20年3月21日(2008.3.21)
登録日 平成21年5月22日(2009.5.22)
発明者
  • 平 藤 雅 之
  • 深 津 時 広
  • 竹 澤 邦 夫
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 湿度長期計測用フィールドサーバ並びにそれを用いたモニタリングシステム 新技術説明会
発明の概要

【課題】 無線LANによってネットワークを構成すると共に、農産物・気象環境データを収集し、その収集条件を変更制御できるシステムにおけるフィールドサーバ群において、従来は各フィールドサーバ毎に外気湿度センサを配置することにより直接計測する構成であったが、外気湿度センサは外気の微細な埃などにより寿命が短くしかも高湿度では高価な外気湿度センサを必要とした。
【解決手段】 そこで、外気湿度センサを使用せず、外気温度センサのみとし、その外気をフィールドサーバ内の測定室内の電子部品を通過させて、その状態の測定室内に内部湿度及び内部温度各センサを配置し、それら3個のセンサにより外気湿度を推定計算して、さらにその推定計算値から各センサの計測誤差、A/Dコンバータ量子化誤差を除去するノンパラメトリック回帰による平滑化手法を適用して、所定時間毎にデータ入力し、重複して平滑化値を取得した範囲を平均化する手段を用いる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


従来、フィールドサーバ或いは気象観測装置では、湿度センサ及び温度センサに対してファンで生成した気流(例えば秒速3m程度)を当てて計測するアスマン式と呼ばれる方法が用いられていた。



アスマン式計測法では、気温、湿度を精度良く計測するため、外気がそのまま湿度センサ及び温度センサに当てられている。このため、精度を良くするために塵埃防止フィルタの外側にセンサが設けられるのが通常であった。



従って、それらのセンサには埃や水が付着しやすかった。さらに夜間には高湿度状態になることも多い。このため、一般的に使用されている通常の低価格湿度センサでは精度の高い計測ができない問題があった。なお、高い湿度領域であっても外気湿度を正確に求める方法、構造に関しては特許文献1に開示されているが、その構造は複雑であり、コスト、保守費用が嵩む問題があった。



温度センサは埃や水の影響を受けにくい構造であるが、湿度センサは乾湿センサが高分子膜で製作されている構造から、埃や水に弱く、同一センサを長期間使用することは困難であった。



すなわち、フィールドサーバに搭載している湿度センサは、埃の付着或いは結露、降雨などにより水が付着すると、非常に短期間(例えば半年程度)で正常に機能しなくなる問題があった。



このため、湿度センサの交換が短い期間で定期的に必要となり、多数配置されたフィールドサーバ群を保守するためのコストが増大する問題があった。これを避けるために湿度センサに保護カバーを着けることが考えられるが、それでは測定誤差が大きくなって正確な計測データが得られない問題があった。湿度の長期連続計測には、以上の理由で、センサ交換のコストがかかる問題があった。




【特許文献1】特開2005-55431号公報(第2、3頁、第1図)

【非特許文献1】竹澤邦夫著、みんなのためのノンパラメトリック回帰(上)、吉岡書店、2003年、(p.224)

産業上の利用分野


湿度計測センサを備えたフィールドサーバ並びにそれを用いたモニタリングシステムに関する。詳しくは、屋外環境での汚れによるセンサ劣化を防止し、長期間の継続観測を可能とする構造を備えたフィールドサーバと、その計測結果の誤差を除去して平滑化された記録を閲覧可能とするモニタリングシステムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
農産物・気象環境データをリアルタイムで収集すると共に、その収集条件も制御できるように無線LANでネットワーク化されて農場各所に配置されたフィールドサーバにおいて、
前記フィールドサーバは、各種計測用基板を含む電子回路部品及びそれらを制御する中央制御部を収納して、外気から周囲が分離された測定室を少なくとも具備し、
前記測定室の下方に配置され、その測定室に収納された電子部品をクーリングするための電動ファンを設けた外気吸込室と、
その外気吸込室の下部に設けられた塵埃、水滴を防ぐ吸湿性の少ないフィルタ部と、
前記フィルタ部の下に設けられた外気取込予備室と、
前記測定室の上部に設けられ、その測定室の下部から流入するクーリング気流が電子部品を通り加温されてその測定室の上部に流出した気流の温度・湿度を計測するための内部温度センサ及び内部湿度センサと、
前記外気取込予備室内に設けられた外気温度センサと、を少なくともさらに具備し、
前記中央制御部は、前記内部温度センサ及び内部湿度センサから測定室上部の温度、湿度の値を読込み、それらの値から空気の絶対湿度を計算し、続いて前記外気温度センサから外気温度の値を読込み、外気の相対湿度に対する推定計算をセンサからの取得データ入力時刻毎に行い、その時系列データの推定値を記憶装置に蓄積する外気相対湿度推定手段を少なくとも備え、
前記フィールドサーバが塵埃・多湿条件中にあっても長期間連続的に前記時刻毎の時系列湿度推定値を集積できることを特徴とする湿度長期計測用フィールドサーバ。

【請求項2】
請求項1記載の湿度長期計測用フィールドサーバを含むフィールドサーバが相互に隣接し、無線LANで接続されてネットワーク化されたフィールドサーバ群に対して、少なくとも前記環境データ収集及び収集条件の変更を制御できるモニタリングシステムであって、
前記フィールドサーバ群のネットワークの一端に接続された無線LANアクセスポイント又はルータを介して該ネットワーク内の情報データを送受信するWebサーバを設けた中継用コンピュータと、
個人又は企業別の農場毎にそれぞれ設けられた1以上の前記ネットワーク内のフィールドサーバ情報データを集中管理するため、その農場周辺又は遠隔地に設置されたWebサーバを設けたエージェントコンピュータと、
1以上の前記中継用コンピュータと前記エージェントコンピュータとをそれぞれファイヤーウオール(Firewall)を介してADSLを含むブロードバンド回線を経由して接続するインターネットと、から構成され、
前記中継用コンピュータは、それぞれの管理下の各フィールドサーバが、所定収集入力時間間隔で、順次収集した時系列湿度推定値ファイルが生成される毎に無線LANを介して受信し、蓄積する湿度推定値収集手段を少なくとも備え、
前記エージェントコンピュータは、インターネットを介して前記中継用コンピュータを所定時間毎にアクセスし、時系列湿度推定値ファイルの収集入力時間の記録時刻を読込み、読込まれていないファイルが有れば、その収集入力時間を付して時系列湿度推定値ファイルを読込み、記憶装置に蓄積する湿度推定値蓄積手段と、
その蓄積した湿度推定値のファイルを前記記憶装置から収集入力時間の記録時刻順に読出し、それぞれのファイルをノンパラメトリック回帰による平滑化法で誤差を除去する平滑化値を演算し、さらに同時刻における平滑化値を平均して平滑化曲線を演算する平滑化曲線演算手段と、
インターネットを介して各農場のユーザからの平滑化曲線表示のアクセス信号に応答して、Webサーバ上に表示し閲覧させる平滑化曲線表示手段と、を少なくとも備えることを特徴とする湿度長期計測用フィールドサーバを用いたモニタリングシステム。

【請求項3】
前記フィールドサーバの中央制御部または前記エージェントコンピュータは、前記外気相対湿度推定手段により計算した前記取得データ入力時刻毎の時系列データの湿度推定値を前記記憶装置より読出し、その推定値に隣接するデータ列の連続する推定値に予め定めた重み関数による重み値を乗じて平均して、当該推定値の平滑化値を計算すると共に、前記重み関数の媒介変数を変化させて、データ列の各推定値とそれぞれの平滑化値との間の各時刻における残差2乗和の値を最小にして、本来の滑らかなデータ列を得るためのノンパラメトリック回帰による平滑化手段と、
さらに、時系列の前記平滑化値データ列における局所的なデータの性質の変化に対応するために、一定時間内に区切って順次入力される前記取得データを、その時間内に前記平滑化手段を適用し、前記一定時間毎にさらに新しく入力された取得データにより平滑化値を更新する平滑化更新手段と、からなる平滑化曲線演算手段とを備えることを特徴とする請求項2記載の湿度長期計測用フィールドサーバを用いたモニタリングシステム。

【請求項4】
前記平滑化曲線演算手段は、計測開始時刻から、予め定めた所定時間内に入力された各時刻毎の取得データをバスを介して前記記憶装置より読出し、それらの推定値データ列から平滑化する第1の平滑演算手段と、
直前の所定時間終了の次の時刻から連続して入力された前記所定時間内の各時刻毎の取得データをバスを介して前記記憶装置より読出し、それらの推定値データ列から平滑化する第2の平滑演算手段と、
第1及び第2の平滑演算手段によって平滑化されて、重複して得られた領域の同時刻における平滑化値をそれぞれ平均する第1第2値平均手段と、
直前の所定時間終了の次の時刻から連続して入力された前記所定時間内の各時刻毎の取得データをバスを介して前記記憶装置より読出し、それらの推定値データ列から平滑化する第3の平滑演算手段と、
前記第2及び第3の平滑演算手段によって平滑化されて、重複して得られた領域の同時刻における平滑化値をそれぞれ平均する第2第3値平均手段と、
以上の各手段を繰返し、最新の第n及び第n+1の平滑演算手段によって平滑化し重複して得られた領域の同時刻における平滑化値をそれぞれ平均する最新の第n第n+1値平均手段と、からなることを特徴とする請求項2記載の湿度長期計測用フィールドサーバを用いたモニタリングシステム。

【請求項5】
前記エージェントコンピュータは、Webサーバに加えて、前記平滑化曲線を演算する複数の演算処理コンピュータ端末群を備えることを特徴とする請求項2記載の湿度長期計測用フィールドサーバを用いたモニタリングシステム。

【請求項6】
前記フィールドサーバは、前記電動ファンの逆回転によりフィルタの埃や水滴を外部に除去して乾燥させる機能を備えていることを特徴とする請求項1記載の湿度長期計測用フィールドサーバ。

【請求項7】
前記フィールドサーバは、前記測定室に、発熱量を制御可能な発熱体を備え、測定室内の温度を上昇させ、測定室内の相対湿度を下げることを特徴とする請求項1記載の湿度長期計測用フィールドサーバ。
産業区分
  • 測定
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006242499thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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