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種子の吸水促進処理方法及び処理装置

国内特許コード P09A015181
掲載日 2010年3月5日
出願番号 特願2006-343718
公開番号 特開2008-154464
登録番号 特許第4911458号
出願日 平成18年12月21日(2006.12.21)
公開日 平成20年7月10日(2008.7.10)
登録日 平成24年1月27日(2012.1.27)
発明者
  • 乙部 和紀
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 種子の吸水促進処理方法及び処理装置
発明の概要

【課題】 種子の品質を低下させることなく、「石豆」状態を解消する種子処理手段を提供する。
【解決手段】 種皮に対して、深さが10~50マイクロメートル、直径が200マイクロメートル以下の微小孔を穿つことを特徴とする種子の吸水促進処理方法、及び 微小な突起を多数有する面を持つ微小突起部材、微小突起部材の突起を有する面と一定の間隔をおいて設置される柔軟部材、及び微小突起部材又は柔軟部材を動かすための駆動部材とを有することを特徴とする種子の吸水促進処理装置。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


種子の吸水は、それが食用であるか栽培用であるかに関わらず、利用する上で重要な現象である。ダイズなどでは、冠水により吸水が急激に進展し、生理的・物理的障害が発生して発芽率が落ちることが知られており、種子の吸水制限方法に対するニーズが存在する(農林水産研究文献解題N0.27「大豆 自給率向上に向けた技術開発」;174-175;中山則和ほか、「ダイズ種子の吸水速度調節が冠水障害の発生に与える影響」、日本作物学会紀事74(3)、325-329(2005))。しかしその一方で、「石豆」と呼ばれる、吸水が極度に遅い(あるいは全くしない)種子の発生は、たとえばダイズやアズキを蒸煮加工した食品の製造においては製品の品質不良の原因となるため、品質管理上の重要な問題である(特許文献1)。また、栽培時においても「石豆」は吸水が極度に遅いために苗立ちの遅れや斉一性に影響するなど、食用であるか栽培用であるかにかかわらず、種子の「石豆」状態の解消が重要であることから、「石豆」を吸水可能な状態に戻す方法へのニーズが存在する。



「石豆」が生じる原因については、CaleroとHinsonの報告がある。彼らは、電子顕微鏡観察に基づいた解析により、原種が難吸水性ダイズである品種においては種皮表面に存在する微小孔がワックス状の物質により閉塞している種子が難吸水性になると推定している(Calero and Hinson, Crop Science 21, 926-933(1981))。



「石豆」を解消するための手段についても幾つか報告がある。例えば、種子の持つ気体や水へのバリヤ機能は種皮の最上層部であるクチクラ層が担っており、クチクラ層を剥離することによって「石豆」状態を解消しうるという報告がある(非特許文献1)。また、1980年代より欧米で行われているダイズの「石豆」研究における発芽性テストでは、「scarification(種皮に傷をつける)」操作によって吸水させて発芽させる方法が一般的手法として採られている(非特許文献2)。更に、丸大豆の表皮に傷をつける(たとえば、臼やスリットと大豆をこすり合わせるような脱皮機を用いて部分的に脱皮させたり、針状のもので部分的に皮に孔を開ける等)ことにより、石豆を含むすべての丸大豆の吸水性を向上させることができるという報告もある(特許文献1)。




【特許文献1】特開2005-304409号公報

【非特許文献1】1F.Arechavaleta-Medina and HE. Snyder, Journal of American Oil Chemical Society 1981, 976-979(1981)

【非特許文献2】Nooden, et al., Control of seed coat thickness and permeability in soybean, Plant Physiology 79; 543-545(1985)

産業上の利用分野


本発明は、食用又は栽培用種子の吸水を促進させるための処理方法、及び当該処理を種子に効率的に施すための装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 [手続補正20110906]  種皮に対して、深さが10~50マイクロメートル、直径が200マイクロメートル以下の微小孔を穿つことを特徴とする種子の吸水促進処理方法。
【請求項2】 [手続補正20110906]  種皮上の微小孔数が、1mm当たり5~30であることを特徴とする請求項1に記載の種子の吸水促進処理方法。
【請求項3】 [手続補正20110906]  種子が、マメ科植物の種子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の種子の吸水促進処理方法。
【請求項4】 [手続補正20110906]  微小な突起を多数有する面を持つ器具と種子を接触させることにより、種皮に対して、微小孔を穿つことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の種子の吸水促進処理方法。
【請求項5】 [手続補正20110906]  微小な突起を多数有する面を持つ器具の突起を有する面上で、この面に対して垂直方向に力を加えながら種子を転がすことにより、種皮に対して、微小孔を穿つことを特徴とする請求項4に記載の種子の吸水促進処理方法。
【請求項6】 [手続補正20110906]  微小な突起を多数有する面を持つ微小突起部材、微小突起部材の突起を有する面の上方に一定の間隔をおいて固定される柔軟部材、柔軟部材上に載置され、種子を貯留しておく貯留容器、柔軟部材と貯留容器を所望の位置で固定するための固定部材、内部に微小突起部材が載置され、処理種子を回収するための回収容器、及び回収容器が載置され、回収容器と微小突起部材を動かすための駆動部材を有し、柔軟部材と貯留容器の中央に種子が通過するための通過孔が設けられ、微小突起部材の突起を有する面が中央部から周辺部へ下降傾斜した構造をとり、貯留容器の底部が周辺部から通過孔に向かって下降傾斜した構造をとることを特徴とする種子の吸水促進処理装置。
【請求項7】 [手続補正20110906]  微小な突起の高さが、10~1000マイクロメートルであることを特徴とする請求項に記載の種子の吸水促進処理装置。
産業区分
  • 農林
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006343718thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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