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小麦の品種識別法

国内特許コード P09A015205
掲載日 2010年3月5日
出願番号 特願2007-080928
公開番号 特開2008-237078
登録番号 特許第4114887号
出願日 平成19年3月27日(2007.3.27)
公開日 平成20年10月9日(2008.10.9)
登録日 平成20年4月25日(2008.4.25)
発明者
  • 藤田 由美子
  • 矢野 博
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 小麦の品種識別法
発明の概要


【課題】 国内で市場流通する外国品種を含む主要な小麦品種を網羅し、かつ、栽培環境等に影響されず再現性の高い小麦の品種識別法を確立すること。
【解決手段】 小麦DNA上の品種間で差のあるSSR領域を特異的に増幅できる10組の小麦品種識別用プライマー、それを含む小麦品種識別用キット並びにこれらプライマー対を用いて小麦から抽出したDNAを鋳型としたPCRを行い、得られた増幅DNAを解析することによる小麦の品種識別法を提供する。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


小麦は国内主要穀類の一つであり、被食部である種子特有の蛋白質や澱粉特性を利用して、様々な食品へと加工される。品種の品質特性によって用途が異なるため、食感の優れる製めん用品種や製パン性に優れる品種、醤油醸造に適した特性をもつ品種など、それぞれの食品に最適な品種が必要とされる。



また、南北に長く位置する日本では地域によって気象条件が多岐にわたることから、各地域の栽培環境に適した品種の育成が進められており、現在の市場に流通する品種は40品種以上に及ぶ。さらに、小麦の自給率が2割に満たない我が国では、カナダ、オーストラリア、アメリカから年間500万t以上を輸入しているため、さらに数多くの品種が国内の小麦市場に流通している状況にある。



一方、近年、食の安全、安心が消費者に注目されるようになったことから、国内では香川県の育成品種「さぬきの夢2000」に代表されるような地域特産小麦が増加し、特定品種のブランド化が進んでいる。
このような、多様な用途に適した品種の選択、栽培品種のブランド化の進展から、原々種や原種生産での混種や、市場流通過程での原料品種取り違えの問題は、食品流通過程において大きな混乱と経済的損失を生じるものであり、国内における主要小麦品種の簡便で正確な識別法の確立が求められているところである。



従来、品種の識別は形態や生理特性などの違いで行われてきたが、これらの方法では気象条件や栽培方法等に影響されやすく、正確な識別は困難な場合があった。そのため、稲やイチゴ、果樹では遺伝子工学的手法を利用した品種識別法が開発されてきた。
それらの方法は、DNAマーカーと呼ばれる品種間でのDNA塩基配列の差異(多型)を検出する道具を用いて品種識別を行うものであり、栽培環境に影響されない遺伝子上の特徴を指標とすることから、正確な品種識別が可能となる。その手法としてはRAPD(Random Amplified Polymorphic DNA)法、AFLP(Amplified Fragment Length Polymorphisms)法、CAPS(Cleaved Amplified Polymorphic Sequence)法、SSR(Simple Sequence Repeat)法等が利用されている。



国内における小麦の品種識別法に関しては、内村ら(非特許文献1)が福岡県内の主要3品種について、小林ら(非特許文献2)が関東周辺地域における主要17品種について、それぞれRAPD法による結果を報告している。また、黒澤ら(非特許文献3)は、RAPD法と同様に、PCRを用いて各種遺伝子領域の多型を検出することにより、国内の主要2品種の識別が可能であることを報告している。



これまで小麦で報告されたDNAを利用した品種識別技術は、その対象が一部の品種に限られ、国内で市場流通する主要な品種を網羅していない。
また、RAPD法はひとつのマーカーから得られる多型が少なく、黒澤らの方法では、国内における栽培品種のように遺伝的に非常に近縁な場合は多型が少ないことが予想され、識別対象品種の拡大が困難である。




【非特許文献1】育種学研究, 2(別1), 113, 2000

【非特許文献2】日本作物学会紀事, 75(2), 165-174, 2006

【非特許文献3】日本食品科学工学会第52回大会講演要旨集, 79, 2005

産業上の利用分野


本発明は小麦の品種識別法に関し、詳しくは、小麦DNA上の品種間で差のある単純反復配列(Simple Sequence Repeat:SSR)領域を、品種識別プライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅し、得られた増幅DNAを解析することによる小麦の品種識別法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(a)~(c)の工程を含む小麦の品種識別法。
(a)被検体である小麦試料からDNAを抽出する工程
(b)TaSE3(配列番号1及び2に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE6(配列番号3及び4に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE37(配列番号5及び6に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE63(配列番号7及び8に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE92(配列番号9及び10に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE96(配列番号11及び12に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE117(配列番号13及び14に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE123(配列番号15及び16に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE149(配列番号17及び18に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)及びTaSE151(配列番号19及び20に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)からなる群より選ばれた1組のプライマー対を用いて、上記(a)で抽出したDNAを鋳型としたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い、DNAを増幅する工程
(c)上記(b)で得られた増幅DNAの長さを解析することにより、品種間の多型を検出する工程

【請求項2】
工程(b)に記載の10組のプライマー対を用いて(b)工程及び(c)工程を繰り返し、各プライマー対による増幅DNAの断片長のデータを組み合わせることにより小麦試料の品種を識別する、請求項1に記載の小麦の品種識別法。

【請求項3】
TaSE3(配列番号1及び2に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE6(配列番号3及び4に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE37(配列番号5及び6に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE63(配列番号7及び8に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE92(配列番号9及び10に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE96(配列番号11及び12に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE117(配列番号13及び14に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE123(配列番号15及び16に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE149(配列番号17及び18に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)及びTaSE151(配列番号19及び20に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)からなる群より選ばれた少なくとも1組のプライマー対。

【請求項4】
請求項に記載のプライマー対を含む小麦の品種識別用キット。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中


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