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差スペクトルを用いた血小板製剤細菌感染の識別

国内特許コード P09A015208
掲載日 2010年3月5日
出願番号 特願2007-106632
公開番号 特開2008-134217
登録番号 特許第4131744号
出願日 平成19年4月16日(2007.4.16)
公開日 平成20年6月12日(2008.6.12)
登録日 平成20年6月6日(2008.6.6)
優先権データ
  • 特願2006-294034 (2006.10.30) JP
発明者
  • 河野 澄夫
  • シリンナパー サランウォング
  • 大戸 斉
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 差スペクトルを用いた血小板製剤細菌感染の識別
発明の概要


【課題】 採血バッグに入った血小板製剤の細菌感染の有無を非侵襲的に全数検査できる検査方法を提供する。
【解決手段】 採血バッグに入った血小板製剤を採血バッグから取り出すことなく、血小板製剤の近赤外スペクトルを、透過法或いはインタラクタンス法により
血小板製剤製造直後から経時的に測定し、細菌感染試料と健全試料のスペクトルの経時的変化をケモメトリクスの手法により解析し、未知試料のスペクトルの経時的変化を細菌感染試料と健全試料のそれと比較することにより未知試料の細菌感染の有無を判別する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


血小板製剤の細菌感染の測定方法としては、細菌培養法(非特許文献1、非特許文献2)及び細菌スキャン法(非特許文献3)がある。
前者は細菌の増殖に伴いモニターの酸素圧が低下する又は炭酸ガス圧が上昇する原理を応用したものであり、後者は細菌を染色して顕微鏡でスキャンするものである。



また、血液に関する分析について関連する先行技術として特許文献1~特許文献6が知られている。



特許文献1には、所定の温度に調整した血液試料入り採血管または採血バッグに、外側から700nm~1100nm域の分光した近赤外光を照射して透過光強度を測定し、次いで、波長に対して吸光度をプロットした近赤外吸収スペクトルから検量線を用いて化学成分および理化学的特性に関する情報を抽出する方法が開示されている。



特許文献2には、血液バッグ中の血漿を代表する血漿検体にヘモグロビン(Hb)、胆汁色素、脂質粒子のような光散乱物質干渉体が含まれているかどうかを判定する方法として、血液バッグの外側から波長475~910nmの光を照射し、血液バッグに含まれる血漿試料の異なる波長の光の吸光度を測定し、次いでこの吸光度を、血漿試料中の干渉体に対する標準測定を用いて較正して得られた値と比較し、光散乱物質干渉体が含まれているかどうかを決定する方法が提案されている。



特許文献3には、血液バッグ内に保存された血小板製剤中に保存血小板の生存率を、非破壊的に測定する光学的測定方法が提案されている。具体的には、血液バッグを横向状態として、これを平板で挟むことで、所定厚さの流路である測定用血小板製剤層とし、この層を介して二つの貯溜部に区分し、血液バッグの静止状態で直交方向の光線を照射し、その測定用血小板製剤層の透過光を測知して静的光透過強度を得、当該血液バッグを所定流速による横向揺動下で、上記と同じ測定操作により、動的光透過強度を得、この動的光透過強度と静的光透過強度との相差値と静的光透過強度との比である光透過強度の変化率を演算し、当該変化率と、血液バッグ内の正常な血小板比率を示す%DISKとの相関係数から、その血小板比率を算出するようにしている。また、照射する光の波長としては950nmの近赤外光を使用したことが記載されている。



特許文献4には、血液分析物の濃度を非侵襲的に決定する手法として、多重スペクトル分析を用いたケモメトリックス技術を使用し、未知の値を校正された基準値と比較する方法が提案されている。この文献では、ケモメトリックス技術として主成分分析(PCA)が挙げられ、特に測定光の波長が約2120~2180nmの範囲では反射強度差に著しい変化があり、この反射強度差は血液グルコースレベルの増加と直線関係で増加することについて記載されている。



特許文献5には、液体と血球の混合物を含む血管中の血液の特性を非侵襲的に測定する方法として、異なる二本の光ビーム(波長770nm~950nmと波長480nm~590nm)を用い、反射光の検出強度の比率を分析することで、ヒトの血管に含まれる液体と血球の混合物を非侵襲的に測定することが記載されている。



特許文献6には、構造のスペクトル応答に基づき、その構造の化学組成のような特性を予測するのに適したケモメトリクス法を適用した血管壁の近赤外線分光分析について記載されている。具体的には、収集したスペクトル中の不要な信号を抑制するためのケモメトリクス法として、具体的に、部分最小自乗判別分析法(PLS-DA)、マハラノビス距離および大きい残差(augmented Residual)を用いる主成分分析法(PCA/MDR)、K最近距離(K-nearest neighbor)を用いる主成分分析法,ユークリッド距離を用いる主成分分析法、シムカ(soft independent modeling by class analogy)(SIMCA)、ブートストラップ誤差調整単一サンプル法(bootstrap error-adjusted single-sample technique)(BEST)が挙げられている。




【特許文献1】特開2002-122537号公報

【特許文献2】特表2001-514744号公報

【特許文献3】特開平9-318624号公報

【特許文献4】特開2006-126219号公報

【特許文献5】特表2003-508765号公報

【特許文献6】特表2005-534415号公報

【非特許文献1】Ortolano J, et al. Detection of bacteria in WBC-reduced PLT concentrates using percent oxygen as a marker for bacteria growth. Transfusion43(9):1276-1285, 2003.

【非特許文献2】Brecher M E, et al. Monitoring of apheresis platelet bacterialcontamination with an automated liquid culture system: a university experience. Transfusion 43:974-978(7), 2003.

【非特許文献3】Schmidt M. et al: A comparison of three rapid bacterial detection methods under simulated real-life conditions. Transfusion 46(8):1367-1373, 2006.

産業上の利用分野


本発明は、近赤外分光法により血小板製剤の細菌汚染の有無を非侵襲的に検出する血小板製剤非侵襲検査方法、及び当該方法により安全性が確認された血小板製剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
採血バッグに入った血小板製剤の近赤外スペクトルを、血小板製剤を採血バッグから取り出すことなく非侵襲で経時的に測定し、細菌感染試料と健全試料のスペクトルの経時的変化を解析し、未知試料のスペクトルの経時的変化を細菌感染試料と健全試料のそれと比較することにより未知試料の細菌感染の有無を判別する血小板製剤非侵襲検査方法において、
未知試料の製造時に最初の近赤外スペクトル測定を行い、この最初の測定で得られたスペクトルの2次微分値を経時的に測定した当該未知試料のスペクトルの2次微分値から差し引いて差スペクトルとし、この差スペクトルを対照値として健全試料の感染度を0(零)、細菌感染試料の感染度を1とするPLS回帰検量モデルに適用し、感染度の推定値が0.4未満では未知試料は健全試料と判別し、0.4以上では未知試料は細菌感染試料と判別することを特徴とする血小板製剤非侵襲検査方法。
産業区分
  • 試験、検査
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007106632thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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