TOP > 国内特許検索 > γ-アミノ酪酸の効率的生産方法

γ-アミノ酪酸の効率的生産方法 新技術説明会

国内特許コード P09A015216
掲載日 2010年3月5日
出願番号 特願2007-176419
公開番号 特開2009-011228
登録番号 特許第5252412号
出願日 平成19年7月4日(2007.7.4)
公開日 平成21年1月22日(2009.1.22)
登録日 平成25年4月26日(2013.4.26)
発明者
  • 山内 宏昭
  • 瀧川 重信
  • 鈴木 達郎
  • 橋本 直人
  • 野田 高弘
  • 遠藤 千絵
  • 齋藤 勝一
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 γ-アミノ酪酸の効率的生産方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】高濃度のグルタミン酸或いはグルタミン酸塩の溶液及び懸濁液に適当量の小麦胚芽とピリドキサルリン酸を添加して反応させ、前期溶液、懸濁液中のグルタミン酸と小麦胚芽中のグルタミン酸から小麦胚芽中のグルタミン酸脱炭酸酵素の酵素作用により、短時間に効率的にγ-アミノ酪酸を生産する。
【解決手段】高濃度のグルタミン酸或いはグルタミン酸塩の溶液及び懸濁液に適当量の市販小麦胚芽とピリドキサルリン酸を添加し、小麦胚芽中のグルタミン酸脱炭酸酵素の至適反応条件で反応を行うことによって、従来のγ-アミノ酪酸の生産方法に比べ画期的に短時間で効率的に高濃度のγ-アミノ酪酸溶液を調製できる。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


生活習慣病とも呼ばれる高血圧症は、現在通院患者原因の第1位を占めており、心疾患の基礎疾患として医療上大きな問題になっている。また、高血圧患者は高齢化社会の進行とともに益々増加する傾向にあり、予備軍を含めると現在でも1/3の日本人が高血圧患者であると言われている。医療費の急激な膨張が問題になっている現在、疾病治療に加え、病気にならない予防法の確立が益々重要性になってきている。こうした状況下、食品のもつ生体調節機能に着目し、これを疾病の治療や予防に利用しようとする動きが積極的に行われている。高血圧症もその重要なターゲットの一つになっている。



γ-アミノ酪酸は神経伝達物質作用を示す非タンパク質性のアミノ酸であり、生体内ではグルタミン酸脱炭酸酵素によってグルタミン酸から生合成される。このγ-アミノ酪酸には血圧降下作用(非特許文献1、非特許文献2)、精神の安定化作用(非特許文献3、非特許文献4)、成長ホルモン分泌促進作用(非特許文献5、非特許文献6)等の生理作用があることが判っている。特に、血圧降下作用については、必要量以上摂取しても正常血圧以下になることはなく、安全性の面でも非常に優れた機能性成分と考えられている。そのため、既にこの特性を生かした製品も「ギャバロン茶」、「乳酸菌発酵飲料」等が上市されている。



このγ-アミノ酪酸の機能性を食品に応用した例は「ギャバロン茶」「乳酸菌発酵飲料」以外にも多くの例がある。例えば、米胚芽の水浸漬によるγ-アミノ酪酸の蓄積・生産(特許文献1)、植物由来グルタミン酸脱炭酸酵素によるγ-アミノ酪酸の生産(特許文献2)、乳酸菌によるγ-アミノ酪酸の生産(特許文献3)若しくは麹菌によるγ-アミノ酪酸の生産(特許文献4)などである。また、上記の開示された特許のγ-アミノ酪酸の生産性を改善し、多量の米胚芽を用いたγ-アミノ酪酸の生成法として、γ-アミノ酪酸の生成法(特許文献5)が開示される。



しかしながら、上記特許においては、広範な食品に利用可能な非常に安価なγ-アミノ酪酸を多量に安定的に製造するという目的からするとその生成、生産法として、(1)生産工程が複雑或いは生産にまだ時間かかるため、生産性が十分でなく微生物の繁殖による反応液の変色、腐敗等の問題がある。(2)得られるγ-アミノ酪酸の濃度が比較的低濃度であるためγ-アミノ酪酸を十分低コストで生産することができない。(3)γ-アミノ酪酸の生産に利用する各種素材の風味がγ-アミノ酪酸溶液に残り、γ-アミノ酪酸溶液の幅広い食品への応用が困難である。等の欠点がありいずれも十分なものとは言えない。



また、上記方法の内、特許文献6に開示された技術においては、γ-アミノ酪酸を米胚芽等のグルタミン酸脱炭酸酵素を用い添加グルタミン酸及び米胚芽等に含まれるグルタミン酸からγ-アミノ酪酸を効率良く生産する方法が開示されているが、実施例を見る限り、(1)最大でも得られたγ-アミノ酪酸溶液の濃度は反応時間6時間で36g/l程度であり、十分な高濃度のγ-アミノ酪酸溶液が生産できているとは言えない。(2)反応時間が6時間と長く反応温度が高いため微生物汚染のリスクが高い。(3)米胚芽等を用いた場合米胚芽や米糠特有の風味が反応終了溶液に残るため、広範な食品への利用が困難である。等の欠点があり、より安価で広範な食品への利用可能なγ-アミノ酪酸溶液の生産法が求められていた。

【特許文献1】特開平7-213252号

【特許文献2】特公平7-12296号

【特許文献3】特開平7-227245号

【特許文献4】特開平10-165191号

【特許文献5】特開2000-201651

【特許文献6】特許第3299726号

【非特許文献1】松原大ら:薬理と治療,30,963(2002)

【非特許文献2】梶本修身ら:薬理と治療,32,929(2004)

【非特許文献3】園田久泰ら:FOOD Style, 215,92 (2001)

【非特許文献4】堀江健二ら:FOOD Style, 217, 64 (2003)

【非特許文献5】Cavagnini et al.:Acta Endocrinologica, 93, 149 (1980)

【非特許文献6】Cavagnini et al.:Jour-nal of Clinical Endocrinology, 51, 789 (1980)

産業上の利用分野


本発明は、γ-アミノ酪酸の効率的生産方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
グルタミン酸或いはグルタミン酸塩を含む溶液或いは懸濁液に小麦胚芽とピリドキサルリン酸を添加して反応させ、前記溶液或いは懸濁液中のグルタミン酸と小麦胚芽中のグルタミン酸を小麦胚芽中のグルタミン酸脱炭酸酵素の酵素作用によりγ-アミノ酪酸とすることを特徴とするγ-アミノ酪酸の効率的生産方法。

【請求項2】
γ-アミノ酪酸の生産に使用する小麦胚芽が小麦のミル製粉時に生産される小麦胚芽である請求項1記載のγ-アミノ酪酸の効率的生産方法。

【請求項3】
γ-アミノ酪酸の生産に使用するグルタミン酸溶液及び懸濁液のグルタミン酸濃度が50g/l以上である請求項1又は2記載のγ-アミノ酪酸の効率的生産方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 食品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

25042_01SUM.gif
出願権利状態 権利存続中


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close