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メタン発酵消化液の高付加価値化の方法およびその装置

国内特許コード P09A015236
掲載日 2010年3月5日
出願番号 特願2007-303417
公開番号 特開2009-126744
登録番号 特許第5560522号
出願日 平成19年11月22日(2007.11.22)
公開日 平成21年6月11日(2009.6.11)
登録日 平成26年6月20日(2014.6.20)
発明者
  • 山岡 賢
  • 柚山 義人
  • 中村 真人
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 メタン発酵消化液の高付加価値化の方法およびその装置
発明の概要 【課題】メタン発酵消化液から有機物成分を含まないMAPを回収する。
【解決手段】メタン発酵消化液の高付加価値化装置2は、消化液回収システム3により有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後に残留する消化液を回収し、回収された消化液Dg、Lを、アンモニア性窒素濃縮蒸留液生成システム4により蒸留処理してアンモニア性窒素を濃縮した有機成分を含まない蒸留液L-NHを生成し、生成されたアンモニア性窒素濃縮蒸留液L-NHを形成槽5に貯留するようになっている。形成槽5の濃縮蒸留液L-NHに、投入装置6によりリン酸溶出材とマグネシウム塩とが投入されると、形成槽5内にリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)が生成されて沈殿される。沈殿したMAPを回収して乾燥させると、有機物成分を含まないMAPが得られる。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要



一般に、有機性廃棄物を発酵させメタンを生成した後に残留する消化液を肥料として利用するには、消化液を濃縮・減量して、貯蔵や輸送、農地への施用の効率化を図り、季節的にも地域的にも偏在する肥料の需要に応える必要がある。メタン発酵処理を経た有機性廃棄物は消化液として排出される。消化液は窒素、リン、カリウムなどを含有しているので、液肥として利用することが期待されている。しかしながら、消化液は、T-N(総窒素)で、1,000-5,000mg/L、T-P(総リン)で、200-800mg/L、T-K(総カリ)で1,000-4000mg/L程度と肥効成分が薄い。このため、従来、嫌気性発酵工程における消化汚泥を脱水工程に導いて脱水し、脱離液をリン除去工程に導いて晶析法により物理化学的に脱リンすることによって、脱離液中のリン成分をリン酸マグネシウムアンモニウムとして回収する回収方法が知られている(特許文献1参照)。また、有機性汚水を生物処理した処理水に対し、ろ過層を通過させることによって、SS,リンを同時に除去する有機性汚水の処理方法で、粒状ろ材ろ過層の洗浄において、その洗浄排水にNaOHを添加しアルカリ性として洗浄排水中のSSからリンを溶出させた後、固液分離し、その分離液にリン不溶化剤を添加してリンをカルシウム化合物またはマグネシウム化合物として分離回収するようにしたものが知られている(特許文献2参照)。





さらに、嫌気性処理槽の嫌気性処理汚泥に、リン酸マグネシウムアンモニウムまたはリン酸マグネシウムまたはリン酸カルシウムの種結晶とリン酸塩及び/又はマグネシウム化合物を添加することにより、アンモニアを固定化する有機性廃棄物の処理方法が知られている(特許文献3参照)。この特許文献3に記載の有機性廃棄物の処理方法では、嫌気性処理槽のpHは、メタン生成菌の活動しやすいpH6~8になるよう、アルカリ剤や鉱酸で調整するようにしている。一般に、リン酸マグネシウムアンモニウムの生成pHは、8~9であるが、種結晶が共存することによりやや低いpHでも、リン酸マグネシウムアンモニウムを生成してアンモニアの濃度を低下させることができるようにし、嫌気性処理汚泥に混合された種結晶の表面に形成されたリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)を汚泥から分級分離した種結晶とともに肥料として利用するようにしている。





また、嫌気性処理後の汚泥を、その一部又は全量にリン酸塩及び/又はマグネシウム化合物を添加して、リン酸マグネシウムアンモニウムを生成させた後、その一部又は全量を固液分離し、この分離液を嫌気性処理に返送する処理方法が知られている(特許文献4参照)。この特許文献4に記載の有機性廃棄物の処理方法では、第1工程で有機性廃棄物を嫌気性処理し、もしくは嫌気性処理後に固液分離し、この嫌気性処理汚泥もしくは嫌気性処理汚泥を固液分離した分離水の一部又は全量を対象に、第2工程で第1工程で生成したアンモニア性窒素を、リン酸塩及びマグネシウム化合物の存在下で、pH調整剤によりpH8~10、好ましくは8.5~9.5にし、不溶性のリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)とした後、固液分離し、アンモニアが除去された分離液を第1工程へ送り、この分離液による希釈で嫌気性処理のアンモニア性窒素濃度を下げ、遊離アンモニアによるメタン菌の阻害を抑制し、固液分離で分離されたMAPを含む汚泥をコンポストとして用いるようにしている。

【特許文献1】

開平9-201599号公報(第2-3頁、図1)

【特許文献2】

開平8-24873号公報(第4頁、図1)

【特許文献3】

開2003-94014号公報(第3頁、図2)

【特許文献4】

開2001-47003号公報(第2-3頁、図1)

産業上の利用分野



本発明は、メタン発酵消化液の高付加価値化の方法およびその装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後に残留する消化液を回収する第1のステップと、この消化液を蒸留処理してアンモニア性窒素を濃縮した蒸留液を生成する第2のステップと、第2のステップで生成された蒸留液に、含有されるリン成分が前記蒸留液中で溶出されるリン溶出材とマグネシウム化合物とを投入してリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)を生成させ沈殿させて固液分離させる第3のステップと、沈殿したリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)を回収する第4のステップとを有することを特徴とするメタン発酵消化液の高付加価値化の方法。

【請求項2】
第3のステップで、第2のステップで生成された蒸留液をリン処理槽に導き、リン処理槽に導かれた蒸留液にリン溶出材を投入し、リン成分が溶出されたリン溶出材の沈殿物とアンモニア性窒素およびリン酸態リンを含む溶解液とを生成させて固液分離させた後、分離された溶解液を形成槽に導き、形成槽の溶解液にマグネシウム化合物を投入しリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)を生成させ沈殿させて固液分離させることを特徴とする請求項1に記載のメタン発酵消化液の高付加価値化の方法。

【請求項3】
リン溶出材が、工業用に製造されたリン酸塩、バイオマス由来の炭化物、バイオマス由来の焼却灰のうち少なくともいずれか1であることを特徴とする請求項1または2に記載のメタン発酵消化液の高付加価値化の方法。

【請求項4】
有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後に残留する消化液を回収する消化液回収システムと、この消化液回収システムにより回収された消化液を蒸留処理してアンモニア性窒素を濃縮した蒸留液を生成するアンモニア性窒素濃縮蒸留液生成システムと、このアンモニア性窒素濃縮蒸留液生成システムにより生成された蒸留液を貯留し、内部に沈殿物が生成されると生成された沈殿物が分離回収される形成槽と、この形成槽に貯留された蒸留液に、含有されるリン成分が前記蒸留液中で溶出されるリン溶出材とマグネシウム化合物とを投入するリン酸マグネシウムアンモニウム生成材投入手段とを備えるとともに、
蒸留液が貯留された形成槽にリン酸マグネシウムアンモニウム生成材投入手段によりリン溶出材とマグネシウム化合物とを投入し、形成槽内にリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)を生成させ沈殿させて回収することを特徴とするメタン発酵消化液の高付加価値化の装置。

【請求項5】
アンモニア性窒素濃縮蒸留液生成システムと形成槽との間に設けられ、アンモニア性窒素濃縮蒸留液生成システムにより生成された蒸留液を貯留するリン処理槽と、このリン処理槽の蒸留液にリン溶出材を投入してリン成分が溶出されたリン溶出材の沈殿物とアンモニア性窒素およびリン酸態リンを含む溶解液とを生成させ固液分離させるリン溶出材投入手段と、リン処理槽内で固液分離された上記沈殿物と上記溶解液とのうち、分離した溶解液を上記形成槽に導く溶解液導入手段とを設けるとともに、
リン酸マグネシウムアンモニウム生成材投入手段は、溶解液導入手段により形成槽に導かれた上記溶解液にマグネシウム化合物を投入することを特徴とする請求項4に記載のメタン発酵消化液の高付加価値化の装置。

【請求項6】
リン溶出材が、工業用に製造されたリン酸塩、バイオマス由来の炭化物、バイオマス由来の焼却灰のうち少なくともいずれか1であることを特徴とする請求項4または5に記載のメタン発酵消化液の高付加価値化の装置。

【請求項7】
アンモニア性窒素濃縮蒸留液生成システムは、有機性廃棄物を発酵させてメタン生成後に残留する消化液が注入される蒸留タンクと、
この蒸留タンクに設けられ内部の消化液を所定の温度で加熱する加熱手段と、
この蒸留タンクに連通され蒸留タンクで蒸発した気体を冷却して凝縮させる冷却部と、
吸引側が冷却部に接続され装置内の圧力を減圧させる減圧ポンプと、
冷却部に連通され、冷却部で冷却された凝縮液を導き入れる第1および第2の受液タンクと、
これら第1および第2の受液タンクと冷却部との間に設けられ連通路を切り替える切替弁とを備えた濃縮装置により構成され、蒸留タンク内に注入された消化液を加熱手段で加熱し、蒸発した気体を冷却部で凝縮させ、このアンモニア濃度の高いアンモニア濃縮蒸留液を切替弁を介して第1の受液タンクに導き、蒸留タンク内で蒸発する気体のアンモニア濃度が低下すると切替弁を切り替え、冷却部で凝縮されたアンモニア濃度の低い清浄蒸留液を第2の受液タンクに導き、第1の受液タンクからアンモニア濃縮蒸留液を、第2の受液タンクから清浄蒸留液を、蒸留タンクから消化液の濃縮液をそれぞれ回収することを特徴とする請求項4に記載のメタン発酵消化液の高付加価値化の装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007303417thum.jpg
出願権利状態 登録


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