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バイオディーゼル燃料の製造方法

国内特許コード P09A015253
掲載日 2010年3月5日
出願番号 特願2008-038471
公開番号 特開2009-197081
登録番号 特許第5397876号
出願日 平成20年2月20日(2008.2.20)
公開日 平成21年9月3日(2009.9.3)
登録日 平成25年11月1日(2013.11.1)
発明者
  • 鍋谷 浩志
  • ▲はぎ▼原 昌司
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 バイオディーゼル燃料の製造方法
発明の概要

【課題】 無触媒法の欠点とされた反応速度の遅さを改善し、工業的に採算が合うバイオディーゼル燃料の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明は油脂にメタノール蒸気を供給し無触媒でメチルエステル化反応を起こさせて脂肪酸メチルエステルを得るバイオディーゼル燃料の製造方法において、前記油脂として反応促進物質であり、それ自体が反応性の高い遊離脂肪酸(FFA)の含有量を2.24mass%以上(好ましくは50mass%以上)とし、或いは反応阻害物質であり、それ自体が脂肪酸メチルエステルに変換されづらいモノグリセリド(MG)の含有量を3.8mass%未満(好ましくは0.98mass%以下)とした原料を用いる。
【選択図】 図2

従来技術、競合技術の概要


植物から抽出された油脂や廃食用油などは粘度が高すぎて、そのままでは自動車、航空機、船舶、汎用エンジンなどの燃料として使用することができない。そこで従来から様々な提案がなされている。



図1は油脂の主成分であるトリグリセリド(TG)とメタノール(MeOH)との反応で脂肪酸メチルエステル(FAME)が得られる反応を説明した図であり、(a)は全体反応を、(b)は同反応を3段階の平衡反応として示している。図中、DGはジグリセリド、MGはモノグリセリド、GLはグリセリンである。
上記のエステル交換反応によって低粘度の脂肪酸メチルエステルとする方法として、従来から触媒を用いる触媒法と触媒を用いない無触媒法が知られている。



触媒法では、硫酸、リン酸などの酸触媒やリパーゼ(酵素)を用いる方法も提案されているが、反応速度が遅いこと、コストが高いことから、NaOHやKOHなどのアルカリ触媒を用いる方法が一般的に行われている。



しかしながら、アルカリ触媒を用いる方法にあっては、原料油脂中に他の物質とエステル結合しない状態で存在する遊離脂肪酸(FFA)が含まれていると、遊離脂肪酸(FFA)と触媒とがケン化反応を起こして石鹸を生じ、触媒が活性を失ってしまう。このため、このような原料を用いるにあたっては、予め遊離脂肪酸(FFA)を取り除かなくてはならないという問題がある。またアルカリ触媒を用いる方法にあっては、反応後に触媒を取り除くための工程を設ける必要がある。



触媒法の欠点を解消するために提案された無触媒法としては、超臨界メタノール法が知られている。この方法はメタノールを臨界点である239℃、8.09MPa以上の高温高圧にすることで、反応性を高めたものである。



しかしながら、超臨界メタノール法は圧力条件が過酷であるため、設備費、運転コスト、安全性などに課題がある。そこで、無触媒法でありながら大気圧近傍でメチルエステル化反応を起こさせる方法として、特許文献1、特許文献2、非特許文献1および非特許文献2に開示される方法が提案されている。



特許文献1には、油脂類と一価アルコール(メチルアルコール)を大気圧近傍、具体的には反応時の圧力を0.101~0.150MPa、油脂類の温度を250~350℃、アルコールを沸点よりも高温の状態に保持された過熱蒸気の状態にして接触させる方法が開示されている。



特許文献2には、上記特許文献1に提案された方法を更に改良する方法として、供給するアルコールの量を理論上必要な化学当量よりも過剰にすること、更に過熱気化アルコールの循環手段を設けることについて開示されている。



非特許文献1には、ひまわり油を原料として、メタノール蒸気を連続的に吹き込んで250~330℃の範囲で反応させる無触媒メチルエステル化法が記載されている。



非特許文献2には、バイオディーゼル燃料の原料として、インドネシア(ロンボク島)で栽培されているジャトロファ(Jatropha curcas L.)を圧搾して得た粗油を用い、無触媒過熱メタノール蒸気法によってメチルエステル化反応が生じ、脂肪酸メチルエステルが得られたこと、及び実験開始直後にジャトロファ粗油から遊離脂肪酸(FFA)が未反応のまま大量に気相中に流出したことが記載されている。



【特許文献1】WO2005/068593【特許文献2】特開2006-28146号公報【非特許文献1】社団法人 日本農芸化学会 2004年度大会講演要旨集【非特許文献2】日本食品工学会 第8回(2007年度)年次大会講演要旨集

産業上の利用分野


本発明は、油脂に含まれるトリグリセリド(TG)とメタノールとを反応させてエステル交換によって脂肪酸メチルエステル(FAME)とするバイオディーゼル燃料の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
原料油脂にメタノール蒸気を供給し反応器内で無触媒でメチルエステル化反応を起こさせて脂肪酸メチルエステルを得るバイオディーゼル燃料の製造方法において、前記原料油脂として遊離脂肪酸(FFA)の含有量を2.24mass%以上、若しくはモノグリセリド(MG)の含有量を3.8mass%未満とした原料を用い、この原料油脂を加水分解して遊離脂肪酸の割合を高めた状態で前記反応器に送り込むことを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のバイオディーゼル燃料の製造方法において、前記加水分解されて遊離脂肪酸の割合が高められた原料油脂に別の原料油脂を混合して反応器に送り込むことを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のバイオディーゼル燃料の製造方法において、前記遊離脂肪酸(FFA)としてパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸を用いることを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のバイオディーゼル燃料の製造方法において、前記遊離脂肪酸(FFA)を含有する原料は、油脂の精製工程で排出される遊離脂肪酸、廃食用油またはジャトロファ(Jatropha curcas L.)から得ることを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008038471thum.jpg
出願権利状態 登録


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