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外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む組換えベクター及びその作製方法

国内特許コード P09A015267
掲載日 2010年3月5日
出願番号 特願2008-072167
公開番号 特開2009-225682
登録番号 特許第5422804号
出願日 平成20年3月19日(2008.3.19)
公開日 平成21年10月8日(2009.10.8)
登録日 平成25年12月6日(2013.12.6)
発明者
  • 田中 博光
  • 冨本 和也
  • 藤田 幸輔
  • 山川 稔
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む組換えベクター及びその作製方法
発明の概要 【課題】大規模な長鎖DNA型RNAiライブラリーを、同一作製条件下で一度又は数回で作製することができる方法を提供する。
【解決手段】二本鎖の一方の鎖が、5’から3’の方向に、第一のニッキングエンドヌクレアーゼの切断部位、外来DNA断片の挿入領域、第二のニッキングエンドヌクレアーゼの切断部位、スペーサー領域を挟んでなる逆方向反復配列、及び第一の制限酵素の切断部位を含む核酸を利用し、外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む組換えベクターを作製する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


近年、RNAi(RNA interference;RNA干渉)ライブラリーを用いて機能的かつ網羅的に免疫反応などの生物の生命現象に関わる因子のスクリーニングが実施されている。RNAiライブラリーを作製する方法としては、これまでに直接合成型RNAiライブラリー作製法とDNA型RNAiライブラリー作製法の二つのアプローチが試みられてきた。



直接合成型RNAiライブラリー作製法は、RNAiの標的遺伝子の塩基配列情報に基づいて、DNA/RNAシンセサイザーなどを利用して二本鎖RNAを合成することにより、RNAiライブラリーを構築する方法である。本法によれば、種々の長さを持つ二本鎖RNAからなるRNAiライブラリーを作製することができる。しかし、本法は、ゲノム配列が明らかになった一部の生物にしか利用できず、かつ作業性及び経済性の面から大規模なライブラリーを作製することが困難であるなどの問題点がある。



DNA型RNAiライブラリーは、標的遺伝子の逆方向反復配列(inverted repeat)を一本鎖上に含む核酸を含有する組換えベクターから構成される。DNA型RNAiが標的遺伝子を発現する宿主細胞に導入されると、上記逆方向反復配列の情報に基づいて細胞内にステムループRNAが産生され、このRNAによるRNAi効果により標的遺伝子はノックダウンされる。



DNA型RNAiを簡便に作製する方法として、Gateway法が知られている(非特許文献1)。Gateway法を利用すれば、ある特定の核酸の塩基配列に基づいて特定の逆方向反復配列を持つ核酸を作製することができる。しかし、種々の核酸の塩基配列から同一作製条件下(例えば、一つの試験管内)で1回又は数回で逆方向反復配列を持つ核酸を作製することはできない。したがって、Gateway法を用いてRNAiライブラリーを作製することは非常に困難とされている。



そこで、Gateway法を用いない、DNA型RNAiを作製する方法として種々の方法がこれまでに試みられてきた(特許文献1及び2、非特許文献2)。



特許文献1に記載の方法は、一本鎖にするとステムループ構造をとり、かつステム部分に制限酵素部位を持つ核酸が組み込まれているプラスミドを用いる方法である。特許文献1に記載の方法の概略は次の通りである。まず、プラスミドDNAを一本鎖にする。次いで、ステム部分を制限酵素で切断することによりループ部分とレプリコン部分に分離する。次いで、外来DNA断片をループ部分とレプリコン部分の間に挿入する。次いで、DNA複製反応により二本鎖プラスミドに戻して、外来DNA断片の逆方向反復配列を含むプラスミド、すなわちDNA型RNAiを得る。



特許文献2及び非特許文献2に記載の方法は、ヘアピン型のアダプターDNAを利用することによりDNA型RNAiを得る方法である。その概略は以下の通りである。まず、MmeIの認識部位を持つヘアピン型の第一のアダプターを外来DNA断片の一端に連結させる。次いで、MmeIで処理した後、標的核酸断片の他端に第二のアダプターを連結させる。次いで、第二のアダプターに相補的なプライマーを用いてDNA合成することにより、DNA型RNAiを作製することができる。
【特許文献1】
特表2005-502383号公報
【特許文献2】
WO2005/06938
【非特許文献1】
Genes Genet.Syst. 81, 129-134, 2006
【非特許文献2】
Nat. Genet. 36, 190-196, 2004

産業上の利用分野


本発明は、外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む組換えベクター及びその作製方法に関する。さらに本発明は、上記組換えベクターを作製する方法を利用したDNA型RNAiライブラリーを作製する方法及びこのライブラリーを利用した標的遺伝子に対してRNAi効果を有する逆方向反復配列を判定及びスクリーニングする方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
二本鎖の一方の鎖が、5’から3’の方向に、
第一のニッキングエンドヌクレアーゼの切断部位、
外来DNA断片の挿入領域、
第二のニッキングエンドヌクレアーゼの切断部位、
スペーサー領域を挟んでなる逆方向反復配列、及び
第一の制限酵素の切断部位
を含む核酸
を発現可能な状態で含有する、組換えベクターであって、
第一のニッキングエンドヌクレアーゼ及び第二のニッキングエンドヌクレアーゼが互いに異なり、
核酸における外来DNA断片の挿入領域に外来DNA断片を挿入し、外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む組換えベクターを作製するためのものである、組換えベクター

【請求項2】
外来DNA断片の挿入領域が第二の制限酵素の切断部位、又は第二の制限酵素の切断部位及び第三の制限酵素の切断部位を含む、請求項1に記載の組換えベクター

【請求項3】
スペーサー領域が少なくとも50塩基の長さである、請求項1又は2に記載の組換えベクター

【請求項4】
第一のニッキングエンドヌクレアーゼ及び第二のニッキングエンドヌクレアーゼが、Nb.BbvCI、Nb.BsmI、Nb.BsrDI、Nb.BtsI、Nt.AlwI、Nt.BbvCI、Nt.BspQI、Nt.BstNBI、及びNt.CviPIIからなる群から選ばれる酵素である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組換えベクター

【請求項5】
第一の制限酵素が、認識部位が6塩基以上である制限酵素からなる群から選ばれる酵素である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組換えベクター

【請求項6】
第二の制限酵素及び第三の制限酵素が、互いに異なり、かつ第一の制限酵素と異なって、認識部位が6塩基以上である制限酵素からなる群から選ばれる酵素である、請求項2~5のいずれか1項に記載の組換えベクター

【請求項7】
外来DNA断片の挿入領域に、任意の外来DNA断片が挿入されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の組換えベクター

【請求項8】
外来DNA断片の長さが少なくとも100塩基の長さである、請求項7に記載の組換えベクター

【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の組換えベクターを含有する形質転換体。

【請求項10】
形質転換体が、微生物、植物又は昆虫である請求項に記載の形質転換体。

【請求項11】
請求項1~6のいずれか1項に記載の組換えベクターを準備する工程;
逆方向反復配列の鋳型となる外来DNA断片を、前記組換えベクター内に挿入された核酸における外来DNA断片の挿入領域に挿入して、外来DNA断片を含む組換えベクターを得る工程;
前記外来DNA断片を含む組換えベクターを、第二のニッキングエンドヌクレアーゼ及び第一の制限酵素で処理して、ニック入り切断組換えベクターを得る工程;
前記ニック入り切断組換えベクター内に挿入された核酸におけるスペーサー領域を挟んでなる逆方向反復配列においてステムループ構造を形成させて、第一のステムループ構造を含むニック入り切断組換えベクターを得る工程;
前記第一のステムループ構造を含むニック入り切断組換えベクターを、リガーゼで処理して、ステムループ構造を含む切断組換えベクターを得る工程;
前記ステムループ構造を含む切断組換えベクターを、第一のニッキングエンドヌクレアーゼ及び第一の制限酵素で処理して、第二のステムループ構造を含むニック入り切断組換えベクターを得る工程;
前記第二のステムループ構造を含むニック入り切断組換えベクターを鎖置換型DNA合成酵素で処理して、外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む切断組換えベクターを得る工程;
前記外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む切断組換えベクターをエキソヌクレアーゼで処理して、切断面が平滑末端である組換えベクターを得る工程;及び
前記切断面が平滑末端である組換えベクターをリガーゼで処理して、外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む組換えベクターを得る工程
を含む、外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む組換えベクターを作製する方法。

【請求項12】
外来DNA断片の長さが少なくとも100塩基である、請求項11に記載の方法。

【請求項13】
鎖置換型DNA合成酵素がPhi29 DNA polymerase、Klenow fragment、Bst DNA polymerase、及びBcaBEST DNA polymeraseからなる群から選ばれる酵素である、請求項11又は12に記載の方法。

【請求項14】
複数の外来DNA断片及び複数の発現ベクターを用いて、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法により、前記外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む複数の組換えベクターを作製して、DNA型RNAiライブラリー得る工程
を含む、DNA型RNAiライブラリーを作製する方法。

【請求項15】
同一作製条件下で前記外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む複数の組換えベクターを作製することを特徴とする、請求項14に記載の方法。

【請求項16】
複数の外来DNA断片がRNAiの標的遺伝子の塩基配列を含む核酸をランダムに切断して得られた二本鎖DNA断片である、請求項14又は15に記載の方法。

【請求項17】
外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む組換えベクターを、RNAiの標的となる遺伝子を発現する宿主細胞に導入して形質転換体を得る工程;
形質転換体を培養して、形質転換体培養物を得る工程;
前記形質転換体培養物における標的遺伝子の発現量を測定する工程;及び
未形質転換の宿主細胞と比べて、標的遺伝子の発現量に影響を与えている形質転換体に導入された前記逆方向反復配列を、RNAi効果を有する逆方向反復配列と判定する工程
を含む、RNAi効果を有する逆方向反復配列の判定方法であって、
外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む組換えベクターが、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法により作製された組換えベクターであるか、又は
外来DNA断片由来の逆方向反復配列を含む組換えベクターが、請求項14又は15に記載の方法により作製されたDNA型RNAiライブラリーから選ばれる組換えベクターである、方法

【請求項18】
請求項17に記載の方法により、DNA型RNAiライブラリーからRNAi効果を有する逆方向反復配列を選抜する工程
を含む、RNAi効果を有する逆方向反復配列のスクリーニング方法であって、
DNA型RNAiライブラリーが請求項14~16のいずれか1項に記載の方法により作製されたDNA型RNAiライブラリーである、方法

【請求項19】
標的遺伝子が昆虫免疫関与遺伝子の転写制御に関わる遺伝子又は昆虫DNAウイルスの侵入に関わる遺伝子である、請求項18に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
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25091_01SUM.gif
出願権利状態 登録


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