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植物色素体への遺伝子導入法

国内特許コード P09A015268
掲載日 2010年3月5日
出願番号 特願2008-075181
公開番号 特開2009-225721
登録番号 特許第5320782号
出願日 平成20年3月24日(2008.3.24)
公開日 平成21年10月8日(2009.10.8)
登録日 平成25年7月26日(2013.7.26)
発明者
  • 田部井 豊
  • 蒲池 伸一郎
  • 市川 裕章
  • 中村 英光
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 植物色素体への遺伝子導入法
発明の概要 【課題】本発明は、植物色素体ゲノムへの遺伝子導入方法を提供することを課題とする。また、前記方法により色素体ゲノムに目的遺伝子が導入された形質転換植物体の提供を課題とする。
【解決手段】本発明者らは、上記の課題を解決するために、葉緑体への分化を誘導する転写因子OsGLK1遺伝子を発現するように遺伝子を導入したイネの種子より緑色カルスを誘導させた。次いで外来遺伝子をパーティクルガン法により植物細胞内に導入して、色素体ゲノムへの遺伝子導入を行なった。次に該外来遺伝子を有するカルスを選抜し、再分化することで、葉緑体ゲノムに外来遺伝子が導入された形質転換植物体を得た。即ち、葉緑体形質転換を行う植物材料に、あらかじめ葉緑体への分化を誘導する転写因子の遺伝子を過剰発現させた組織を用いることにより、葉緑体が分化し緑色を呈した組織へ遺伝子導入することを可能にし、導入効率を高めることに成功した。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


高等植物の色素体は独自のゲノムを有しており、色素体ゲノムへ外来遺伝子を導入することによる色素体形質転換方法の開発が検討されてきた。色素体への遺伝子導入は、花粉を介した遺伝子拡散防止やタンパク質の効率的生産が容易になる。また、色素体ではジーン・サイレンシングが生じないことから、特に有用物質の大量生産やバイオマスの利用に重要な技術となる。1つの植物細胞には100個程度の色素体があり、より効率的な色素体形質転換方法が求められている。全ての色素体が外来遺伝子を持つようになる状態(ホモプラズミック)にする技術開発が必要とされる。



色素体への遺伝子導入は、クラミドモーナスで最初の成功例があった後、植物ではタバコ(非特許文献1)やジャガイモ(非特許文献2)などのナス科作物及びアブラナ科作物(非特許論文3)や、近年ではワタ(非特許文献4)やニンジン(非特許文献5)などの色素体へ遺伝子を導入した例が報告されている。また、様々な植物の色素体をターゲットとした形質転換技術(特許文献1、2、3)および、非緑色組織の色素体への形質転換法(特許文献3、非特許文献5)が報告されている。



単子葉植物ではイネでのみ色素体ゲノムへの遺伝子導入が報告されている。イネ色素体への遺伝子導入については、1999年に初めての成功例が報告(非特許文献6)されているが、後代種子が得られないなどの問題がある。また、2006年に韓国の研究グループがイネ色素体ゲノムへの遺伝子導入を報告(非特許文献7)しているが、再現性や作出効率に問題が残っている。



なお、本出願の発明に関連する先行技術文献情報を以下に示す。
【特許文献1】
特許公表2002-524023
【特許文献2】
特許公表2002-531096
【特許文献3】
特許公表2005-532069
【非特許文献1】
Svab et al. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:8526-30
【非特許文献2】
Sidorov et al. (1999) Plant J. 19:209-16
【非特許文献3】
Nugent et al. (2006) Plant Sci. 170, 135-142.
【非特許文献4】
Kumar et al. (2004) Plant mol. Biol. 56: 203-216.(ワタ)
【非特許文献5】
Kumar et al. (2004) Plant Physiol. 136: 2843-2854.(ニンジン)
【非特許文献6】
Khan & Maliga (1999) Nal. Biotechnol. 17:910-915.
【非特許文献7】
Lee et al. (2006) Mol.Cells 21:401-410.

産業上の利用分野


本発明は、植物色素体ゲノムへの遺伝子導入方法に関する。また、該方法により色素体ゲノムに目的遺伝子が導入された形質転換植物体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の工程を含む、単子葉植物色素体へ目的遺伝子が導入された形質転換単子葉植物体の作製方法。
(a)単子葉植物の細胞において、色素体の分化を誘導させることにより、色素体が分化し、かつ、再分化能が低下していないカルスを作出する工程であって、ここで、色素体の分化の誘導が、OsGLK1遺伝子を該単子葉植物へ導入し過剰発現させることによる、工程、
(b)工程(a)で得られたカルスの色素体ゲノムに目的遺伝子を導入する工程、
(c)目的遺伝子を導入したカルスを培養して、単子葉植物体を形成させる工程

【請求項2】
色素体が葉緑体である、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
単子葉植物がイネである、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
植物細胞が非緑色組織由来である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の方法により、色素体ゲノムに目的遺伝子が導入された形質転換単子葉植物体であって、該目的遺伝子が色素体ゲノムへ保持され、かつ、導入されたOsGLK1遺伝子が単子葉植物ゲノムへ保持されていることを特徴とする、形質転換単子葉植物体。

【請求項6】
請求項5に記載の形質転換単子葉植物体の子孫またはクローンである、形質転換単子葉植物体であって、該目的遺伝子が色素体ゲノムへ保持され、かつ、導入されたOsGLK1遺伝子が単子葉植物ゲノムへ保持されていることを特徴とする、形質転換単子葉植物体。

【請求項7】
請求項5または6に記載の形質転換植物体の繁殖材料であって、該目的遺伝子が色素体ゲノムへ保持され、かつ、導入されたOsGLK1遺伝子が単子葉植物ゲノムへ保持されていることを特徴とする、繁殖材料。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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25092_01SUM.gif
出願権利状態 登録


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