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表面に微細凹凸パターンを有したセラミックス焼成体及びその製造方法 新技術説明会

国内特許コード P09P006929
掲載日 2010年3月19日
出願番号 特願2008-222954
公開番号 特開2010-052408
登録番号 特許第5261817号
出願日 平成20年8月30日(2008.8.30)
公開日 平成22年3月11日(2010.3.11)
登録日 平成25年5月10日(2013.5.10)
発明者
  • 新原 晧一
  • 中山 忠親
  • 末松 久幸
  • 鈴木 常生
  • 金 弘大
  • 吉村 淳
  • 今城 一嘉
出願人
  • 国立大学法人長岡技術科学大学
発明の名称 表面に微細凹凸パターンを有したセラミックス焼成体及びその製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】低コストで微細構造の付与が可能であるとともに、微細構造を構成する粒子結晶体を所望の組成状態に制御できる、ナノセラミックス焼成体の製造方法を提供する。
【解決手段】表面に複数の凹凸部を備えた微細凹凸パターン転写用モールド11に離型剤12を塗布した上で(工程S1及びS2)、セラミックス粉末14と有機材料13とを混合させスラリー状の複合物15を生成する工程S3と、モールド11の該表面上に複合物15を塗布してモールド11の微細凹凸パターンを複合物15に転写するようにセラミックス基板16で押圧する工程S4と、押圧状態のモールド11、複合物15及びセラミックス基板16を乾燥させる工程S5と、複合物15が表面に結合したセラミックス基板16を剥離する工程S6と、複合物15及びセラミックス基板16を焼結する工程S7と、により表面に微細凹凸パターンが形成されたセラミックス焼成体17を製造する。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


近年、セラミックス材料の開発及びその微細加工技術の進展に伴い、セラミックス材料の機能性・有望性が評価され、種々の製品、とりわけ、高温環境下に晒される半導体実装部品、溶鉱炉部品、航空部品等へのセラミックス材料の適用が進んでいる。
このような耐熱部品の例として、半導体実装部品には、高速動作や低消費電力動作に対応できるよう極めて高密度の実装化が要求され、この要求に対応した結果、製品使用時には実装化部分に局所的に大量の熱が発生することになる。



例えば、図1に示すように、CPUなどの発熱素子1が搭載される電子基板のパッケージ2は、CPU1等から発生した熱を効率的に排熱できる構造を有することが望まれている。詳細には、CPU等の発熱素子と接触するパッケージ2の一部分2aから隣接する他の部分2bへ熱(図1中の矢印)を迅速に熱伝導し、伝熱面積の大きいパッケージ表面(CPU搭載面3とは反対の表面4)から周囲の空気に熱伝達させて、半導体装置の外部へ排熱できるような構造となっていることが望ましい。



このように、半導体部品の製品原料としてセラミックス材料の使用を拡大していくためには、低コストで超微細形状の付与が可能であるとともに、局所的なスペースに発生した熱に充分に耐えかつ、その熱を適切に外部に逃がすことができる耐熱・伝熱特性を発揮する粒子構造を備えたセラミックス成形体を製造する技術を構築・確立していく必要がある。



図1を例にとれば、発熱素子1の投影面積下にあるパッケージ部分2aを構成するセラミックス粒子結晶体形状が長尺でかつパッケージ面3,4に対して垂直に配向され、この部分2aに隣接した他の部分2bを構成する結晶体形状がパッケージ面3,4に対して平行に配向されるように制御されている微細構造を有したセラミックス焼成体を安価に提供することが出来れば、パッケージ材料としてセラミックスが益々有望な存在になることは間違いない。



一方、近年、樹脂などの微細加工技術として、数十ナノメートルの転写が容易で、しかも低コストで量産加工できる技術としてナノインプリント技術が注目されている。ここでナノインプリントとは、ナノレベルの微細な凹凸のあるモールド(すなわち型)を、樹脂などの被加工基材に押し付けて型の形状を転写する微細成形加工技術である。



このナノインプリント技術は、1995年に米国のChou教授によって提案された技術であり、凹凸形状転写後の樹脂の固化工程に熱や紫外線等を利用することにより、熱インプリント、UVインプリント等に分類されている(例えば、特許文献1及び2)。



このナノインプリント技術で被加工対象となるナノ成形体には、成型時(モールドを基板に押圧する時)に高温で、製品としての使用時にはより低温で使用される樹脂などが元来想定されており、製品使用時に高温度環境下に晒されるセラミックス製品の製法に適用した報告は無い。加えて、この技術を用いてナノセラミックス構造体を成型すること自体にほとんど報告例が無いため、さらにその微細な凹凸部分を構成する内部粒子の組成(粒径、向き、気孔率等)が、所定の機能(伝熱特性、耐熱性、導電性等)を発揮するように制御することは非常に困難であった。



先行技術として敢えて挙げるならば、ナノインプリント技術をセラミックス材料に単に適用した報告例として、特許文献3には、無機誘電体材料からなる配向膜をガラス基板上に塗布して微細構造を付与した例があるが、ガラス基板上に所定の微細凹凸形状を付与させる技術を開示するに留まり、ナノサイズ凹凸構造内部の粒子の径や配向、ポアの充填率等といった内部粒子構造についての記載はない。



上述したように、従来技術では、ナノサイズの微細構造を備えた耐熱セラミックス材料を安価に製造することが困難であっただけではなく、その微細構造を構成するセラミックス粒子を所望の組成状態に制御することは非常に困難であった。とりわけ、高温度環境下で耐え得る耐熱性・伝熱特性を発揮する内部粒子構造(ジオメトリ)を備えたナノセラミックス成形体を安価に提供することは非常に困難であった。



【特許文献1】
米国特許5,772,905号明細書
【特許文献2】
特開2000-194142号公報
【特許文献3】
特開2007-296683号公報

産業上の利用分野


本発明は、表面に微細な凹凸パターンを有したセラミックス焼成体及びその製造方法に関し、より詳細には、無機材料と有機材料とを複合させる技術とナノインプリント技術とを適用して、微細な凹凸パターン内の粒子の結晶配向が所望の状態に制御されたセラミックス焼成体を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
セラミックス粉末と有機材料とを混合させスラリー状の複合物を生成する工程と、
複数の凹凸部からなる微細凹凸パターンが表面に設けられたモールドの該表面上に前記複合物を塗布して、該微細凹凸パターンを前記複合物に転写するようにセラミックス基板で押圧する工程と、
前記モールドから、前記微細凹凸パターンが転写された前記複合物が表面に結合した前記セラミックス基板を剥離する工程と、
前記複合物及び前記セラミックス基板を焼結する工程と、を含み、かつ、
前記微細凹凸パターンのパターンサイズが、100ナノメートル~50マイクロメートルであり、
前記焼結工程の焼結温度が700℃~1,600℃の範囲内であることを特徴とする、
表面に微細凹凸パターンを有したセラミックス焼成体の製造方法。

【請求項2】
前記複合物を生成する工程において、前記セラミックス粉末の量を1としたときに混合させる前記有機材料の量を0.5~0.67に設定することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
前記セラミックス粉末の材料が、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、ムライト(Al13Si)、ジルコニア(ZrO)、窒化ケイ素(Si)、ベリリア(BeO)、チタニア(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、酸化亜鉛(ZnO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)のいずれかから選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。

【請求項4】
前記有機材料が、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリジメチルシロクサン(PDMS)、パラフィンワックスのいずれかから選択されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項5】
前記微細凹凸パターンを構成する表面部が焼結後に多孔体になるように、前記焼結温度が1,000℃~1,600℃の範囲内に制御されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項6】
前記微細凹凸パターンを構成する表面部が15パーセント以上収縮されるように、前記焼結温度が1,200℃~1,600℃に制御されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のセラミックス焼成体の製造方法。

【請求項7】
前記微細凹凸パターンの凸部が多数の長尺粒子体から構成されかつ該長尺粒子体が該凸部の延在方向に平行に配向されるように、前記凹凸パターンの該凸部の幅よりも大きい長軸長さを有しかつ該幅より小さな短軸長さを有する長尺粒子体が前記セラミックス粉末に用いられることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のセラミックス焼成体の製造方法。

【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の製造方法により生成された表面に微細凹凸パターンを有したセラミックス焼成体。

【請求項9】
請求項7に記載の製造方法により生成された表面に微細凹凸パターンを有したセラミックス焼成体であって、
前記微細凹凸パターンの前記凹凸部を構成する前記長尺粒子体における前記長軸長さと前記短軸長さのアスペクト比が13以上であることを特徴とするセラミックス焼成体。

【請求項10】
前記長尺粒子体が窒化ホウ素であることを特徴とする請求項9に記載のセラミックス焼成体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008222954thum.jpg
出願権利状態 登録
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